教育を揺るがすランサムウェア【前編】
「学校を狙うランサムウェア」が猛威 攻撃の手口とは?
米国では教育機関を標的とするランサムウェア攻撃への警戒が広がっている。攻撃者はなぜ教育機関を狙い、どのような手口を用いているのか。
サイバー攻撃者がオンライン教育のシステムを狙うことを懸念する声が上がっている。「そうした攻撃は既に発生している」と、米国機関が合同でセキュリティアドバイザリー(セキュリティに関する情報)を公開し、注意を呼び掛けた。
学校はランサムウェアにどう襲われているのか
併せて読みたいお薦め記事
教育機関がランサムウェアに対抗するには
コロナ禍での教育機関の動向
セキュリティアドバイザリーを公開したのは、国土安全保障省(DHS)のセキュリティ専門機関であるサイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA:Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)、米連邦捜査局(FBI)、複数州間情報共有分析センター(MS-ISAC)だ。アドバイザリーによると、攻撃者はオンライン授業を実施するK-12(幼稚園から高等学校までの教育機関)に照準を合わせ、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)などのマルウェア、DDoS(分散型サービス妨害)攻撃、Web会議妨害で攻撃している。アドバイザリーは次のように説明する。
サイバー攻撃者は学校を格好の標的だと見なしており、この種の攻撃は2020~2021年度にかけても続くと考えられる。これはリソースに限りのあるK-12にとって大きな課題だ。教育者、IT担当者、セキュリティ担当者がサイバーセキュリティへの投資を判断する際は、こうしたリスクを考慮する必要がある
セキュリティアドバイザリーを作成した3機関には、K-12を狙ったランサムウェア攻撃について「膨大な」数の報告が寄せられているという。アドバイザリーによれば、攻撃者はかつて企業に使っていた手口を用い、学習者の機密情報を盗み出して「身代金を払わなければ情報を流出させる」と脅している。
最近も教育関係組織が相次いで攻撃を受けている。米メリーランド州ボルティモア公立学校区(Baltimore County Public Schools)が大規模なランサムウェア攻撃を受け、2020年11月の感謝祭(11月第4木曜日)後の数日にわたって授業を中止する事態になった。オンライン教育ベンダーのK12は2020年11月にランサムウェア攻撃に遭い、身代金を支払った。
セキュリティアドバイザリーによると、教育機関を狙ったランサムウェア攻撃が報告される割合は、年間を通して増加している。セキュリティアドバイザリーは以下のように伝えている。
MS-ISACのデータによると、報告されたランサムウェア攻撃のうち学校が標的になったものが占める割合は、2020年8月と9月に増加した。この期間にMS-ISACに報告されたランサムウェア攻撃の標的のうち、57%が学校関連だった。これと比較して、同年1~7月に報告されたランサムウェア攻撃において、学校が標的になったものが占める割合は28%にとどまっていた
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー