「データサイエンス向き」の根拠は
Java使いでも「R」「Python」を学びたくなる“納得の理由”
Javaエンジニアがデータサイエンスに取り組むなら、別のプログラミング言語を検討することも視野に入る。有力な候補となるのが「R」「Python」だ。それはなぜなのか。R、Pythonそれぞれの基本的な特徴を見ていこう。
プログラミング言語および開発・実行環境「Java」にはさまざまな用途がある。ただしデータサイエンスの世界では、Javaは必ずしも万能なプログラミング言語とは言えない。エンジニア向け求人サイトHackerRankの共同創業者でCEOのビベク・ラビシャンカール氏によると、最近のデータサイエンスで主流のプログラミング言語は「R」「Python」だ。「RとPythonはどちらもオープンソースで無償使用できる。豊富なエコシステム(協業関係)とコミュニティーの充実したサポートがある」とラビシャンカール氏は説明する。
「R」とは何か
開発ツールベンダーJetBrainsでデベロッパーアドボケートを務めるマリア・ハルソバ氏が「データサイエンスに有利なプログラミング言語だ」と指摘するのがRだ。統計学者が統計学者のために開発した言語であるRは、データ分析と統計を手軽に実行できるように作られている。
Rには統計用パッケージ(拡張機能)が複数あり、統計でよく使われる行列計算の機能は「Javaよりずっと強力」(ハルソバ氏)だという。Rはデータ分析や統計の分野でキャリアをスタートさせたエンジニアに人気が高い。ただしRは専門性の高いプログラミング言語であり、制約もある。
「Python」とは何か
「汎用(はんよう)的な用途のプログラミング言語としては、RよりPythonの方が優れている」とハルソバ氏は語る。Pythonは商用利用可能で、プログラミング初心者にも、他のプログラミング言語の経験者にも学習しやすい。Pythonがデータサイエンス市場を急速に拡大させたのもそのためだろう。
「scikit-learn」「TensorFlow」など、Pythonは機械学習のライブラリ(プログラム部品群)やフレームワーク(特定の設計思想に基づくライブラリやドキュメントの集合体)を複数そろえる。Pythonには数学、科学分野のための数値計算ソフトウェア「SciPy」を利用するためのパッケージがあり、複雑な数値計算であっても実行できる。SciPyを利用できるパッケージの例としては「NumPy」「Matplotlib」「pandas」などがある。
「データサイエンス専門家がプログラム開発を始めるなら、Pythonが一番の近道になる」とJavaランタイム開発企業Azul Systemsの副最高技術責任者(CTO)を務めるサイモン・リッター氏は話す。この「Pythonならすぐに開発を始められる」という点がデータサイエンス分野での人気につながっている。
データサイエンスにおけるJavaの役割
ラビシャンカール氏によると、Javaは「Kotlin」や「Scala」と同様にデータサイエンスにも役立つものの、その主な用途は裏側で動くバックエンドシステムのプログラム開発だ。「Javaはデータサイエンス用に作られたプログラミンング言語ではない」と同氏が語る通り、一般的にJavaはWebサーバや大規模分散アプリケーションの構築に使われる。
Pythonは構文(プログラミング言語における文法や書式)を簡略化する「シンタックスシュガー」(糖衣構文)を備えていたり、複数のプログラムを並列実行できたりする点が特徴だ。PythonもJavaと同様、データサイエンスに特化したプログラミング言語ではない。ただしデータサイエンスに役立つプログラムの開発を容易にする機能が豊富にある。例としてはエンドユーザーとの対話形式でプログラムを実行できる「REPL」(Read-Eval-Print Loop)、数学分野での計算をするためのライブラリなどだ。
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