医療機関のリアルタイムCX【後編】
医療機関が患者に“本当の満足”をもたらす「リアルタイムCX」の具体策
医療機関にとって「リアルタイムCX」の実現は高いハードルだが、今からでも少しずつ始められることはある。何をすればよいのか。具体例を挙げながら、実現に向けて取り組むべきアクションを説明する。
カスタマーエクスペリエンス(CX:顧客経験価値)をリアルタイムで可視化し、改善する「リアルタイムCX」。前編「医療機関にとっての「リアルタイムCX」の意味とは? 実現に向けた3ステップ」に続き後編となる本稿は、医療機関がリアルタイムCXの実現に向けて実施するとよい施策について掘り下げる。
医療機関のリアルタイムCX実現に必要な3つのアクション
併せて読みたいお薦め記事
新型コロナ禍による医療機関への影響
コロナ禍を機に重要視されるデジタルエクスペリエンス
リアルタイムCXは先進的かつ、既存業務の抜本的な見直しを伴う取り組みだ。医療機関内外の熱意あるメンバーが集まって小規模な集中型パイロットプロジェクトを進めると、リアルタイムCXを実行に移すためのメリットと可能性を見いだしやすい。
医療機関でリアルタイムCXを実現するには、プロジェクトメンバーは特定分野、アプリケーション/Webサイトの特定セクション、アプリケーションの特定プロセスに対して、次のアクションを検討する。
アクション1.事後ではなくリアルタイムにデータを収集する
診療など医療サービス実施後のアンケートではなく、直後に簡単に回答できる短い質問をすることで、患者からリアルタイムにフィードバックを得る。その他、トランザクションデータ(検査や処置のオーダー、薬の処方、医事会計データなど)や人の往来、応対時間などの関連データも収集する。
例えば医療機関のエントランスに設置したキオスク端末(受付や情報提供のための端末)で「今日の受付の応対はいかがでしたか」と利用者に尋ねる。次に同じ場所にあるキオスク端末で、医療機関の利用に関する複数のタッチポイント(医療機関と患者との接点)についてのデータを収集する。自機関内の複数のエリアで同じ質問を投げ掛けて、データをリアルタイムに比較するのもよい。
もっと複雑な方法になるが、次のステップとしてトランザクションタイム(さまざまな処置やオーダーのやりとりに要した時間)など自機関が保有する他のデータに加え、天候といった外部のリアルタイムデータを導入することも可能だ。
アクション2.データを使用して人の手で判断を強化する
プロジェクトメンバーはデータから読み取れることに基づいて変更や対処を決める。その後、その判断を検証するために仮説を立てて検証する。データをうのみにせず、人の手で判断を下すことが重要だ。
データの検証中に複数の判断を試すとよい。特定業務に関するデータが警告水準に達したときに担当者を再配置すると業務にどう影響するか、特定の場所でプロセスや方針を調整した場合にどのような影響があるか、思い切った判断を下した場合にどうなるかを確認する。
アクション3.学習して反復する
自機関における取り組みの成否を学習しながら、成功の基準を定義する。取り組みのたびにこの作業を繰り返す。
CXにおいて重要なのは顧客の認識と感情であって、組織のブランドコンセプトやマーケティングメッセージではない。顧客の認識と感情はリアルタイムで発生するもので、リアルタイムの対処が必要になる。顧客は移り気で、別のものに容易に乗り換える。徹底的な見直しなしに、現場で「真のリアルタイムCX」を実現することは不可能だ。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[Jamf Japan 合同会社] MDMだけでモバイルセキュリティは十分? 不足する対策を16項目でチェック -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的な家電メーカーが実践する「クリエイティブプロセス効率化」の方法とは? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的テクノロジー企業に学ぶ、プロセス標準化とプロジェクト納品自動化の秘訣 -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソニー・ピクチャーズ テレビジョンに学ぶ、次世代サービスデリバリーのヒント -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソミック石川に学ぶ、ICT浸透後に直面した「工数管理」の課題と解決策
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
2
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
4
膨らむAIコストに歯止め GitHubのマルチモデルルーターは何が違うのか
-
5
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
-
6
HDDではもう限界? AIのGPU待機時間を解消する「大容量SSD」の条件
-
7
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
8
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
9
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
10
Anthropicが明かす AIは入力データを「どこまで覚えているのか」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
-
9
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
10
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー