医療機関のリアルタイムCX【後編】
医療機関が患者に“本当の満足”をもたらす「リアルタイムCX」の具体策
医療機関にとって「リアルタイムCX」の実現は高いハードルだが、今からでも少しずつ始められることはある。何をすればよいのか。具体例を挙げながら、実現に向けて取り組むべきアクションを説明する。
カスタマーエクスペリエンス(CX:顧客経験価値)をリアルタイムで可視化し、改善する「リアルタイムCX」。前編「医療機関にとっての「リアルタイムCX」の意味とは? 実現に向けた3ステップ」に続き後編となる本稿は、医療機関がリアルタイムCXの実現に向けて実施するとよい施策について掘り下げる。
医療機関のリアルタイムCX実現に必要な3つのアクション
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リアルタイムCXは先進的かつ、既存業務の抜本的な見直しを伴う取り組みだ。医療機関内外の熱意あるメンバーが集まって小規模な集中型パイロットプロジェクトを進めると、リアルタイムCXを実行に移すためのメリットと可能性を見いだしやすい。
医療機関でリアルタイムCXを実現するには、プロジェクトメンバーは特定分野、アプリケーション/Webサイトの特定セクション、アプリケーションの特定プロセスに対して、次のアクションを検討する。
アクション1.事後ではなくリアルタイムにデータを収集する
診療など医療サービス実施後のアンケートではなく、直後に簡単に回答できる短い質問をすることで、患者からリアルタイムにフィードバックを得る。その他、トランザクションデータ(検査や処置のオーダー、薬の処方、医事会計データなど)や人の往来、応対時間などの関連データも収集する。
例えば医療機関のエントランスに設置したキオスク端末(受付や情報提供のための端末)で「今日の受付の応対はいかがでしたか」と利用者に尋ねる。次に同じ場所にあるキオスク端末で、医療機関の利用に関する複数のタッチポイント(医療機関と患者との接点)についてのデータを収集する。自機関内の複数のエリアで同じ質問を投げ掛けて、データをリアルタイムに比較するのもよい。
もっと複雑な方法になるが、次のステップとしてトランザクションタイム(さまざまな処置やオーダーのやりとりに要した時間)など自機関が保有する他のデータに加え、天候といった外部のリアルタイムデータを導入することも可能だ。
アクション2.データを使用して人の手で判断を強化する
プロジェクトメンバーはデータから読み取れることに基づいて変更や対処を決める。その後、その判断を検証するために仮説を立てて検証する。データをうのみにせず、人の手で判断を下すことが重要だ。
データの検証中に複数の判断を試すとよい。特定業務に関するデータが警告水準に達したときに担当者を再配置すると業務にどう影響するか、特定の場所でプロセスや方針を調整した場合にどのような影響があるか、思い切った判断を下した場合にどうなるかを確認する。
アクション3.学習して反復する
自機関における取り組みの成否を学習しながら、成功の基準を定義する。取り組みのたびにこの作業を繰り返す。
CXにおいて重要なのは顧客の認識と感情であって、組織のブランドコンセプトやマーケティングメッセージではない。顧客の認識と感情はリアルタイムで発生するもので、リアルタイムの対処が必要になる。顧客は移り気で、別のものに容易に乗り換える。徹底的な見直しなしに、現場で「真のリアルタイムCX」を実現することは不可能だ。
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