「リアルタイムCX」に、さまざまな業界が注目し始めている。医療機関にとって実現は遠い未来になりそうだが「努力に見合った価値がある」と専門家は言う。どのような価値があるのか。実現の方法とは。
ビジョン、投資、洗練化、管理性は、どれも組織の変革に欠かせない要素だ。Ford Motorの設立者で、実業界の大物であるヘンリー・フォード氏は20世紀前半の製造業に「移動式組み立てライン」を導入したことで、生産速度の向上と生産コストの削減に成功した。このような変革を実現するには工場の作業現場の全面的な再構築が必要だった。
調査会社Forrester Researchは調査サービス「FeedbackNow」の提供を通じて、カスタマーエクスペリエンス(CX:顧客経験価値)をリアルタイムで可視化し、改善する「リアルタイムCX」の実現を支援しようとしている。同社にとってリアルタイムCXは単なる流行語ではない。自動車製造業にとっての移動式組み立てラインと同じように、同社はリアルタイムCXをさまざまな業界にとっての「大規模な変革を伴う、将来を見据えたアイデア」として位置付けている。
組織の間でリアルタイムCXが浸透するのはもっと未来になるだろう。その未来では、組織が任意のタイミングで従業員や予算といったリソースを再配置し、方針やプロセスを随時更新し、アプリケーションや端末を計画的かつ容易に変更してCXを改善できるようになる。
リアルタイムCXの実現には多大な労力が必要だ。医療業界ではCXと組織の利益との間に明確な相関関係が見られるため、その労力は最終的に報われるだろう。
現在の医療業界は、コストの制約や厳しいデータ保護規制といった障壁を乗り越えなければならない。とはいえ医療業界は絶えずCX向上に向けた変革に取り組んできた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)は、医療業界に歴史に残るほどの重圧をもたらしている一方で、遠隔医療や革新的なオンラインサービスといった進化の後押しにもなっている。
医療機関にとって、CXとは具体的に何を指すのだろうか。例えば次のようなことだ。
リアルタイムCX実現のために、医療機関は以下の3のステップを踏む必要がある。
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