ITリーダーが直面する「DX」の3大課題【前編】
ITリーダーは「コロナ禍で生まれた新たな顧客ニーズ」にどう応えればよいのか?
新型コロナウイルス感染症の問題が続く中で、顧客ニーズが大きく変化している。こうした中、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する企業のITリーダーが直面する課題とその解決策は。
デジタル時代に適応するためにビジネスや企業風土を変革する「DX」(デジタルトランスフォーメーション)は、企業のCIO(最高情報責任者)をはじめとするITリーダーにとって引き続き最優先事項だ。ITリーダーは、経営幹部と協力しながらさまざまなDXの取り組みを進めている。DXの取り組みは
- デジタル技術を活用した新製品の開発
- 従業員エクスペリエンスの改善
- ワークフローの自動化
- データドリブンな習慣の導入
- AI(人工知能)エンジンやIoT(モノのインターネット)デバイス、ブロックチェーンの試験運用
など多岐にわたる。
DXの道のりは長い。ITリーダーはその年々の計画と実施に関するさまざまな課題に直面する。DXに取り組み始めたばかりのITリーダーにとっては、IT戦略や優先事項、資金について経営幹部と意思決定者の賛同を得ることが最大課題になりやすい。新しい技術の開発と導入を成し遂げたITリーダーにとっては、新しいシステムの機能を全社に浸透させてレガシーな業務プロセスを廃止する、変革のプロセスをどう進めるかが課題となるだろう。
2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって、テレワークや安全衛生管理を優先させる必要が生じ、企業のリーダーはDX戦略の急激な転換を迫られた。2021年もCOVID-19が拡大する中、働き方の変化に引き続き適応していかなければならない。ただしワクチンの接種が広まれば、別の新しい日常を手に入れられる可能性もある。
ITリーダーの課題は「変わり続ける社会環境で、どの取り組みを優先し、どの技術を選び、どのように従業員を関与させるべきか」だ。2021年に企業が直面するであろうDXの課題と、それぞれの解決策を探る。
課題1.パンデミックが生み出した新たなニーズにどう応えるか
併せて読みたいお薦め記事
コロナ禍でピンチの企業をAIとRPAが救う
新型コロナ以降のIT環境を考える
B2B(法人向け取引)企業もB2C(コンシューマー向け取引)企業もCOVID-19の影響を受けており、それによってさまざまな新しいニーズとビジネスの機会が生まれている。この変化は小売業で特に顕著だ。米国国勢調査局が定期的に発表しているデータでは小売業の総売上高のうちオンライン売上高が占める割合は2020年第2四半期に16.1%に達し、同年第1四半期の11.8%より4.3ポイント増加。2019年第2四半期の10.8%と比較しても大きく伸びた。
計測技術ベンダーShekel Brainweighが2020年4月に発表した消費者調査のデータでは、非接触型のセルフレジ機で安全に精算できる店舗で買い物したいという消費者は87%に上るという。金融機関、医療機関、高等教育機関など他のさまざまな業界でも、製品やサービスに対する需要に大きな変化が起こっている。
2020年には、COVID-19が生み出した過去に例のない顧客ニーズと機会に適したカスタマーエクスペリエンス(CX)を提供できるかどうかがビジネスの成否を左右した。2021年は、顧客の新しいニーズと期待を把握することが課題となるだろう。
次のステップ
マーケティングチームは市場調査を実施して顧客の要望と競争に関する外部の視点を知る必要がある。ITチームはデータ分析ツールのリアルタイムメトリクスや集計分析、ダッシュボードなどを駆使して、収益、製品の使用状況、セールス活動、マーケティング施策、カスタマーサービスに関する社内情報を経営幹部に提供することが必要だ。
企業はどこも、データ分析の能力を高める途上にある。どの能力を優先すべきかは、データドリブンな組織としての総合的な成熟度ごとに異なる。企業は、タイムリーなインサイト(洞察)の獲得とCX向上機会の優先付けをするために、次のようなことを進めようとしている。
- 分析の専門家ではないがデータ分析に取り組む従業員「シチズンデータサイエンティスト」を育成する施策
- Salesforce(salesforce.com)のCRM(顧客関係管理)サービス群「Customer 360」の導入
- データ連携やデータ品質の分野への投資
中編は2番目の課題「技術的な専門知識と技術連携スキルのギャップ」について解説する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] クラウドネイティブ戦略ガイド:8つの主要課題と解決策を解説 -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] プラットフォーム技術者のための「クラウドネイティブ」プレイブック -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] ハイブリッドクラウドでハードウェア価格高騰のリスクを回避する方法 -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] AI時代に必要なインフラモダナイゼーションの考え方とは? -
製品レビュー
[Dropbox Japan株式会社] ランサムウェア対策で見直したい「復旧できるファイル基盤」とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
3
鹿島建設のDXを阻む「10年前のAWS」 安全性と自由度を両立したモダナイズ
-
4
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
9
【基本情報技術者試験】そもそもOSは何をしている? 「ジョブ管理」の仕組みを解説
-
10
NECの「BluStellar」に必要なデータ保護と活用のための技術とは
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
3
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
8
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
9
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー