OSI参照モデルからざっくり解説
いまさら聞けない「VLAN」「サブネット」の基礎 両者の違いとは?
「VLAN」と「サブネット」はどちらもネットワークの基本的な技術だ。両者はどのような技術であり、どのような関連性があるのか。簡潔に説明する。
ネットワーク管理初心者が学ぶべき用語に「VLAN」と「サブネット」がある。VLANとサブネットの価値を理解するには、まず「OSI参照モデル」を理解することが役立つ。OSI参照モデルは、ネットワークを介してアプリケーションが相互通信するルールを定義する。
VLANとサブネットの違いとは?
併せて読みたいお薦め記事
ネットワークの基礎知識
- 「帯域幅」と「スループット」を混同してはいけない“納得の理由”
- 「帯域幅」を計算する簡単な方法は? ユーザー数の上限を把握する方法も
- いまさら聞けない「ハブ」「スイッチ」「ルーター」の基礎 主な違いとは?
新人IT担当者のためのネットワーク機器入門
OSI参照モデルは7つのレイヤー(層)が階層構造になっており、それぞれでパケットのデータ本体である「ペイロード」内のデータを生成したり、送受信先を特定するためのアドレスを指定したり、パケットを送信したりする。IP(インターネットプロトコル)を使ったネットワークであるIPネットワークでは、以下の2種類のアドレスを使用する。
- MAC(メディアアクセス制御)アドレス
- デバイスのNIC(ネットワークインタフェースカード)が備える16進数の固有の英数字列。OSI参照モデルの「レイヤー2」(データリンク層:隣接するデバイスとの通信ルールを規定)で、同一LAN内にあるデバイス間の通信に使用する。
- IPアドレス
- 接続する各デバイスに割り当てる数字列(IPv4の場合は32bit、IPv6の場合は128bit)。OSI参照モデルの「レイヤー3」(ネットワーク層:異なるネットワーク間の通信ルールを規定)で使用する。
VLANは物理的なLANの構成とは別に、論理的なLANを構築する技術だ。VLANで構築した論理的なLANもVLANと呼ぶ。スイッチのポートやMACアドレスなど、さまざまな要素を使ったVLANがある。物理的に単一のLANを分割するだけでなく、複数の物理的なLANを論理的にまとめることも可能だ。
サブネットは主にIPネットワークを分割する技術を指す。サブネットによる分割後のネットワーク断片もサブネットと呼ぶ。サブネットには、外部のネットワークと接続するための出入り口となる「デフォルトゲートウェイ」(通常はルーター)を設置できる。
VLANとサブネットの特徴を生かしてブロードキャストパケットの増加に対処
企業の社内LANに接続するデバイスが増えると、LAN内の全デバイスが受信するパケットである「ブロードキャストパケット」の流量が増加する可能性がある。そうなるとLANが停滞し、パケットを効率的に送受信できなくなってしまう。
ブロードキャストパケット流量の増加問題を解消する方法が、VLANの追加だ。複数のVLANを作成して、ブロードキャストパケットが届くネットワーク範囲である「ブロードキャストドメイン」を分割すれば、LAN全体のブロードキャストパケットの流量を少なくすることができる。
異なるVLAN内のデバイス同士が相互に通信するには、ルーターを経由しなければならない。ルーターはOSI参照モデルのレイヤー3で動作し、通信にIPを必要とする。静的または動的ルーティングプロトコルにより、あるVLANからのパケットを別のVLANに転送できる。
ルーターを介したVLAN間の通信を実現するには、まずVLANごとに一意のサブネットを作成し、そのサブネットにデフォルトゲートウェイのIPアドレスを割り当てる。パケットがVLAN間を移動するとき、パケットはまず送信元VLAN内のサブネットにあるデフォルトゲートウェイに転送される。そこでルーターが経路情報をまとめた「ルーティングテーブル」を参照して宛先のサブネットを探し、該当するデフォルトゲートウェイのIPアドレスにパケットを転送する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[サイボウズ株式会社] DXに必要な「Dスキル」「Xスキル」を持った人材を育成するには? -
市場調査・トレンド
[サイボウズ株式会社] データで見る、DXが「順調に進む企業」と「つまずく企業」の違い -
製品資料
[サイボウズ株式会社] 賛否が割れがちな「Notesからの移行」 新環境への移行を納得してもらうには? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] 農林中金に学ぶ内製開発 処理効率を約2倍に高めAI活用も加速させた方法とは? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] NTTグループのデジタル変革術、17万人が利用する決裁プロセス刷新の全貌
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
2
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
3
MS月例パッチが1000件突破 人手不足の情シスを襲う「月1回メンテ」の崩壊
-
4
サーバ約70台をAWSへ ヤナセが移行前にやった「通信要件の可視化」
-
5
脱VMwareの真実:データセンター大手がNutanixを選んだ「コスト以上の理由」
-
6
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
9
AIインフラの理想形? 「5層のケーキ」を垂直統合するための近道とは
-
10
多品種小ロットの「手書き・配合ミス」を克服 キャニオンスパイスの食品工場DX
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
-
9
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
10
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー