ネットワークの「帯域幅」の要件を求める際、計算式を間違えると大きな影響が出る。十分な帯域幅を確保していない場合は、帯域制限がかかり「スループット」(データ伝送速度)が遅くなるのはほぼ確実だ。逆に、帯域幅のオーバープロビジョニング(過度な配備)は、過剰なコスト負担となる。
どのようにして自社の帯域幅の要件を満たす計算式を求めたらよいのだろうか。このプロセスは、エンドユーザーがどのようなアプリケーションを実行しているのかを把握することから始める。
適切な帯域幅を決定するためには、LAN内のエンドユーザー数だけを考慮に入れるのではなく、エンドユーザーがネットワーク内でどのような動きをするのかを把握する必要がある。200人のエンドユーザーよりも、ネットワークを酷使する3人のエンドユーザーがボトルネックを招くこともあるからだ。ボトルネックの要因は、クライアントサーバの異常な使い方や、高精細のWeb会議など帯域幅を大量に使うアプリケーションの多用などがある。
帯域幅の要件を計算する際、2つの基本的なステップがある。
これらの数値はいずれも「Bps」(バイト/秒)で表すべきだ。次の式を考えてみよう。理論上のスループットが1000Mbps(1Gbps)である1GbE(GbE:ギガビットイーサネット)のネットワークでは、利用可能な帯域幅は1億2500万Bpsになる。これは、1GbEのビット数(10億bit)を8で割ってバイト数を算出したものだ。
10億bps÷8ビット/バイト=1億2500万Bps
利用可能な帯域幅を求めたら、次は各アプリケーションが使用している帯域幅を調べる。ネットワークアナライザーを利用してアプリケーションがネットワークで送信する1秒当たりのバイト数、つまり実効スループットを検出できる。
手順は以下の通りだ。
調査の結果、自社のアプリケーションのユーザー1人当たりの実効スループットが20万Bpsだったとする。その情報から次の計算式ができる。
1億2500万Bps÷20万Bps/人=625人(同時利用ユーザー数)
この場合、数百人がネットワークを同時に使用しても大きな問題は起きない。
100Mbps(1250万Bps)のネットワークだったらどうなるか計算してみよう。
1250万Bps÷20万Bps/人=62.5人(同時利用ユーザー数)
つまりアプリケーションを同時に使用するユーザーが62人を超えると、ネットワークが耐えられなくなる。
帯域幅の計算式を知っておくことは、ネットワーク管理者にとって極めて重要だ。最後に推奨事項を3つ紹介しよう。
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