予実集計・分析工数を約50%削減
“脱表計算ソフト”で深夜作業を解消 JTOWERが取り組む経営管理DXの裏側
JTOWERは、経営管理プラットフォーム「Diggle」を導入した。同サービスの導入に至るまでに同社が抱えていた課題はどのようなものだったのか。サービス選定の決め手は。
商業施設やスタジアムなどの屋内通信設備や、屋外通信鉄塔を複数の携帯キャリアで共用するインフラシェアリングを手掛けるJTOWERは、経営管理プラットフォーム「Diggle」を導入した。2026年9月10日、Diggleを提供するディグルが発表した。
予実集計や差異分析にかかる工数を約50%削減するとともに、事業部主体の損益管理体制を構築した。設備投資先行型の事業特性に合わせ、事業別EBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)に連動した賞与制度の適正な運用も開始した。JTOWERはどのような課題を抱え、Diggleの導入を進めたのか。
Diggleを選んだ理由は
JTOWERが受注する案件は大型案件が多く、設備投資が先行する。そのため、工事の進捗(しんちょく)や契約内容による予実の変動が大きく、精度の高い投資判断と予算管理が求められていた。
同社は従来、経営企画がトップダウンで予算を作成していた。その結果、現場の実態との乖離が生じやすかった。一方、事業部が主体的に予実ギャップの改善に取り組む体制は整っていなかった。さらに、表計算ソフトによる複数ファイルの突き合わせや目視確認に膨大な時間を要しており、差異の要因分析から改善アクションにつなげる機動力を担保できないという課題を抱えていた。
そこでJTOWERは、事業部門が責任を持って予算作成や見込管理を実施する体制を目指し、複数のシステムを比較検討した。Diggleを採用した決め手は、経営企画だけでなく現場部門にとっても直感的に使いやすい画面設計である点や、事業部主体の経営管理体制を目指す開発思想だ。既存の業務フローで利用していた会計ソフトや経費精算システムとの親和性に加え、管理会計の実務に即した具体的な運用提案が得られたことも決定打となった。
Diggleの導入によりJTOWERは、予実差異の原因確認や分析にかかる時間を半減させ、集計や分析工数を約50%削減した。3人体制で深夜まで作業することもあった決算後の分析業務を効率化し、迅速に差異のボトルネックを特定できるようになった。管理基盤を一元化したことで、担当者交代時の引き継ぎリスクも解消できた。
さらにJTOWERは、複数の部門や事業にまたがる費用をそれぞれに適切に振り分ける機能を活用し、事業ごとのEBITDAを基準に賞与額を判断する仕組みを整えた。Diggleで更新した各事業の業績見込みが賞与の支給判断に反映されるため、各部門が自ら数値を確認し、責任を持って最新の見込みへ更新する運用が定着した。社長や副社長が参加する月次予算会議を設け、経営層と現場の部長陣が同じデータを見ながら、事業改善や予算の見直しを議論するようになった。
JTOWERは今後、AIを活用した差異要因コメントの自動ドラフト作成など、さらなる機能拡張による業務負担軽減や管理体制の高度化に期待を寄せている。
(※)この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「JTOWER、管理会計基盤で予実分析工数半減 事業別EBITDA連動の賞与制度も運用」(2026年9月11日)を、TechTargetジャパン編集部で一部編集し、転載したものです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[オーティファイ株式会社] AIでコーディングは加速したのにテストはそのまま? いまQAに必要な進化とは -
事例
[オーティファイ株式会社] QAで開発サイクルを遅延させない 8社の事例に学ぶ「テスト工程」の課題解決策 -
製品資料
[株式会社ガラパゴス] 「AIっぽい広告」の山に埋もれさせない AIマーケで着実に成果をだす秘訣とは? -
製品資料
[株式会社ガラパゴス] 「広告投資」調査レポート2026:勝ち組企業は何に投資しているのか? -
製品資料
[株式会社Helpfeel] 「問い合わせの渋滞」を解消、情シスの負担を軽減する“次世代型AI”活用方法
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
2
9割が頓挫する「AI内製化」 差がついたのはツールより設計力
-
3
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
4
膨らむAIコストに歯止め GitHubのマルチモデルルーターは何が違うのか
-
5
JSONをやめてPythonで送る トークン消費を約7割抑えるAIの設計
-
6
「WhatsApp」の暗号化は万全ではない? E2EEとマルチデバイス機能が生む死角
-
7
技術力だけでは「上に行けない」 シヤチハタCDOが語る、情シスが次の役割をつかむ条件
-
8
「コンテナ型データセンターの検討状況と課題」に関するアンケート
-
9
社内開発×ノーコードで検証速度を4倍にしたエアトリのWebサイト改善術
-
10
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
2
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
6
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
「スクラム」と「カンバン」の違いとは? アジャイル型開発手法を徹底比較
-
9
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
-
10
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー