そのセキュリティ製品、“あの製品”で代替できるかも?
「投資ゼロ」でもセキュリティ対策はここまでできる
セキュリティ対策はセキュリティ製品を導入しないとできない――。本当にそうだろうか。一般的なネットワーク製品の機能を生かせば、セキュリティ製品に余計な投資をする必要はないかもしれない。
市場には多数のセキュリティ製品が出回っている。ただし、本当に必要なツールは既に導入している可能性が高い。セキュリティアドバイザーのミシェル・チュビルカ氏がセキュリティ製品について説明する。
ある程度の人数の専門家にセキュリティ製品について質問すると、ほとんどの人が仕事に十分、または適切なセキュリティ製品を導入していないと答える。一方、IT業界はセキュリティ製品で溢れている。
事実、情報セキュリティの仕事は、問題を解決することよりもセキュリティ製品を管理することに比重が置かれているのが実情だ。その結果、もともと困難な仕事が手に負えない状態になっている。
社内は既に“セキュリティ製品”であふれている
カンファレンスや博覧会の会場はセキュリティ製品で埋め尽くされている。予算に限りのある参加者は、自社の問題を解決するのに必要な全てのセキュリティ製品を一体どうやってそろえることができるのか、疑問に思わざるを得ない。だが真実はというと、企業は必要なセキュリティ製品のほとんどを既に導入している。
「信じられない」と考える人もいるだろう。そのような人のために、標準的なネットワーク機器に備わっている幾つかのセキュリティ機能を紹介する。
アクセス制御リスト(ACL)を考えてほしい。ファイアウォールベンダーは、回線速度や1秒当たりの接続数について説明することを好む。だが実際のところ、旧式のルータほどパケットの伝送速度が優れた機器はない。また、一般的なルータはACLを使用してトラフィックを処理する機能を搭載している。
2つのファイアウォールに挟まれた標準的な非武装地帯(DMZ)を設計する際には、外部からどのサービスへアクセスさせるのかを自問するのがよいだろう。外部からアクセスさせる主なサービスがHTTP/HTTPSベースの場合、DMZではACLやホストベースのファイアウォール、侵入検知システム(IDS)を併用することをお勧めする。
魅力的なセキュリティ機能を備えたロードバランサ
最近の次世代ファイアウォールが搭載する高度な機能は素晴らしい。だがその機能が、外部に公開しているアプリケーションへの侵入を必ず防止すると断言できるだろうか。多くの高度な検査手法は、ファイアウォールのファストパス(パケットを高速転送する仕組み)で機能しない可能性すらある。
ロードバランサは、1秒当たりに処理できる接続数が多く、かつ確実に処理できる。そのため、最新のファイアウォールよりもロードバランサのセキュリティ機能を使用する方が理にかなっている。
多くのロードバランサは、サービスの正常性を確認する高度な機能を備えており、コンテンツの検証もできる。攻撃者がWebサイトを改ざんすると、ロードバランサはバックエンドにあるサーバの状態が「サービス停止」になったと判断する。アプリケーションの手前にロードバランサを配置すると、ネットワークの外部からサーバへ直接アクセスすることが難しくなる。
他にも、ロードバランサには、サービス妨害(DoS)攻撃の一種であるSYNフラッドを回避する「SYNクッキー」、サービス接続調整、プロトコルのチェック、分散型サービス妨害(DDoS)攻撃の警告といった機能もある。
もちろん、DDoS対策サービスを利用したり、コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)を使用することも可能だ。だが米New York Timesのようにデータセンターに対して否定的な態度を取っていない限り、Webアプリケーションは恐らく自社のデータセンターにホストすることになるだろう。外部に公開しているアプリケーションを保護して提供するためにDMZの境界に導入するテクノロジーとしては、ロードバランサを推奨する意見が大半を占めるだろう。
本当のメリットを見つけるには1歩引いて考える
技術者はテクノロジーを愛してやまない。これは技術者の性(さが)だろう。そのため、最新のアプリケーションやハードウェアを使用したがり、最新製品に関するベンダーの甘い言葉によく引っ掛かる。もちろん、この情熱が革新的なソリューションを生む可能性はある。だが高価なハードウェアを購入するのが本当によいのかどうか、既存のツールで対応できるのかどうかを1歩引いて評価することが重要だ。
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