週に1度のアップデートでExcel連係を強化
“Excelの兄”ともいえる分析ツール「Power BI」の成長が止まらない(1/2 ページ)
Microsoftのクラウド型BIツール「Power BI」には、データをExcelで分析する機能など、新しいデータ視覚化機能が次々と追加されている。
Microsoftのクラウド型ビジネスインテリジェンス(BI)ツール「Microsoft Power BI」の開発とリリースのサイクルは、Power BI長期ユーザーの予想を超えるスピードで進んでいる。
全てのデータ視覚化コードをオープンソース化したことも幸いし、この新しいクラウド型BIツールは急速に成長しており、MicrosoftはPower BIを毎週更新している。
関連記事
ExcelとPower BIを知る
セルフサービスBIの潮流
ビッグデータ活用について
2016年3月には、行レベルのセキュリティや、Power BI管理センターの新しいコントロールの他、特に要望の多かった「Microsoft Excel」との統合強化が追加された。Microsoftは2015年7月にこの新バージョンのPower BIをリリースして以来、ユーザーからの要望の多いものを中心に、現時点までに256件もの新機能をPower BIに追加してきた。
的確な提案に迅速に対応することは正しい方向だが、MicrosoftとPower BIユーザーの両方にとって、このペースは持続可能なのか、疑問視する声もある。
「クラウド版の更新が週1回、デスクトップ版の更新が月1回というのは、かなり高密度のスケジュールだ。しかも、多くの更新では、バグ修正だけでなく、新機能が含まれている」。そう話すのはソフトウェア会社勤務のジャスティン・スタンリー氏だ。多様なソースからデータを収集して解析する技術運用管理者の支援を担当している。
このペースの更新は持続可能か
「もしもどちらかに賭けるとしたら、製品が成熟してリリース間隔が長くなるという予想に賭ける」とスタンリー氏は話す。同氏はMicrosoftが2015年3月に米国で開催したイベント「Data Insights Summit」に参加。このペースで進めば、翌2017年までには、追加すべき機能はあまり多くなくなると予想する。
実際、Microsoftはこのデータ視覚化ツールを次々と強化し、既に「Tableau」や「Qlik」と並ぶセルフサービスBI製品のトップに入っている。少なくとも、調査会社のGartnerとForrester Researchは、BIツールの最新ランキングでMicrosoftをトップベンダーの1つと認めている。
Forresterのアナリスト、ボリス・エベルソン氏は「Forrester Wave: Agile Business Intelligence Platforms, Q3 2015」という報告書において、MicrosoftはBIプラットフォームとしても世界で最も広く使用されているExcelによって市場を支配しており、それは今後も続くと述べる一方、「Microsoft Office」「Microsoft Office 365」「Microsoft SharePoint」「Microsoft SQL Server」を既に導入している大企業は、Power BIソフトウェアが更新されるたびに、企業向けBIプラットフォームとしてPower BIを検討せずにいられなくなる、と述べている。
前出のスタンリー氏もまさにその一例であり、これまでは大部分の仕事をExcelと「PowerPivot」(Microsoftのスプレッドシート用データ分析アドイン)で行っていたが、今回の「Data Insights Summit」以後、クラウドベースPower BIの導入を計画している。
慣れ親しんだExcel UIや、PowerPivotの高速インメモリアーキテクチャ、ハイブリッド展開サポート、データソーシングからビジュアルストーリーテリングに至るまでの各種BI機能に加え、低コストであることもPower BIの強みだとエベルソン氏は指摘する。
確かにPower BIの料金設定は魅力だ。クラウドサービスなので、ソフトウェアやハードウェアやサポートの初期コストは発生せず、「Power BI Pro」の1ユーザー当たりの月額料金は9.99ドル。一方、「Tableau Online」は1ユーザー当たり年額500ドルで、月額に換算すると約42ドルとなり、もう1つの主要セルフサービスBIツール「Qlik Sense Cloud Plus」は1ユーザー当たり月額20ドルだ。
2015年夏に新版Power BIがリリースされたときには、1ユーザー当たり月額39.95ドルで、「Office 365」のサブスクリプションが必須条件だった。サブスクリプション要件を廃し、料金を下げ、次々と新機能を追加することで、Power BIの導入は加速するとアナリストたちは見ている。
Microsoftによると、現在20万社がPower BIを利用しており、サブスクリプション数は500万人を超えるという。当然ながら、短期間にここまで成功した要因として、Microsoftには膨大なユーザーベースがあることや、広く普及している他のMicrosoft製アプリケーションとの親和性が高いことも挙げられる。
そうしたアプリケーションの1つであるExcelとの連係が、今回さらに強化された。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[スパイスファクトリー株式会社] レガシーに消えるIT予算8割 「刷新か延命か」をAIと人で見極めるための手順 -
製品資料
[JetBrains s.r.o.] ソフトウェア開発は「コーディングエージェント」でどう変わるのか? -
事例
[テクバン株式会社] 太陽ホールディングスは国内外拠点の端末5000台をどう管理しているのか? -
事例
[株式会社キーエンス] PCが苦手でも自動化できる ポポラマーマなど4事例に学ぶ「ナビ搭載型RPA」活用 -
製品資料
[株式会社キーエンス] 自分ひとりでデスクワークを効率化 「AI&ナビ搭載RPA」で実践する業務自動化
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHPはそもそも必要か? 脆弱性で問われる自社サイト安全性と保守負担のバランス
-
2
Microsoft 365侵害企業の9割はMFA導入済み 1002人調査で見えた盲点
-
3
「Copilot」がIT予算を食いつぶす? 高額請求を招く課金体系と節約術
-
4
PHP2Shellの「事前の情報流出」でパニックに パッチ公開を巡る“混乱劇”
-
5
Microsoft 365導入後も稟議は「Excelをメールで回覧」 承認が止まる理由
-
6
米国防総省で300万人分の個人情報が流出 その「意外な原因」と教訓
-
7
京王電鉄・東京メトロの被害から学ぶ境界防衛 ITの侵害はどこまで波及するか
-
8
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
9
MS&ADグループの目指す「AX」の全貌 本山CDOが語る変革の本質
-
10
「データ活用とAI活用の実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
3
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
4
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
5
SCS評価制度時代の「SASE選定」ガイド
-
6
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
7
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
8
「EDR」選定ガイド:比較・検討フェーズで整理すべきポイントを解説
-
9
MDMだけでは防げない? Appleデバイスに潜む5つのセキュリティギャップ
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー