創造性とイノベーションの促進が鍵
データセンターで引っ張りだこになる担当者の条件(1/2 ページ)
データセンターでは、より効率的で信頼できるITインフラの実現に向けて、適応力が高く、的確な問題解決ができる創造的な従業員がこれまで以上に求められている。
米TechTargetが実施した調査「2015 Annual IT Salary and Careers Survey」(2015年度IT職の給与とキャリアに関する調査)によると、データセンターチームは以前からの目標を達成する新しい方法を探しており、2015年には創造性とイノベーションをより重視するようになった。
北米のシステム管理者、ITマネジャーおよび担当役員、データセンター担当者を対象としたこの調査(*)では、予想されていたように、「自分の仕事における成功の基準」として、「ITサービスの信頼性確保」「プロジェクトの予定通りの完了」「ビジネス目標達成への貢献」「サービス提供の向上」「生産性目標の達成」を挙げる回答が多かった(この質問では複数項目を選択可能)。
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だが、2015年度調査で成功の基準として「創造性とイノベーションの促進」を挙げた回答者の割合は、2014年度調査よりも増加し、「プロジェクトや製品・サービス購入におけるROI(投資収益率)の達成」「予算の順守」を上回っている。
成功の基準として「創造性とイノベーションの促進」を挙げた回答者は全体の18%に達し、2014年度比で3ポイント増えた。「予算の順守」を挙げた回答者の割合は6ポイント減少し、1桁台となった。
「創造性は決定的に重要だと思う。応募者に創造性があると思えなかったら、採用しないだろう」と語るのは、米非営利団体のVictor Community Support Services(VCSS)のITマネジャーを務めるジェイミー・ラーベンスタイン氏。VCSSはメンタルヘルスおよび家族支援サービスを提供している。
ITに関する要求に迅速に応えるダイナミックなデータセンターでは、深い技術的なノウハウや専門知識に価値があるが、新しいアプローチやさまざまな集団との共同作業への適応力にも同様に価値がある。
「自分の仕事を見直す必要がある。創造性を発揮したり、イノベーションに取り組んだりしなければ、少ないリソースで大きな成果を挙げることはできない。データセンター技術は今、少ないリソースで大きな成果を挙げることが求められる段階にある」(ラーベンスタイン氏)
創造性やイノベーションと、階層型の論理的なITの世界との関わりは、人々が考えるよりも深いと、人材育成と認定資格制度の運営に携わる非営利のIT業界団体CompTIAのプロダクト担当シニアディレクター、ジェームズ・スタンガー氏は語る。
創造性やイノベーションは、以前から重要な指標であるITオペレーションの信頼性、安定性、効率性の確保に向けて、IT担当者がトラブルシューティングや、アーキテクチャの設計、パフォーマンスの最適化を行う力を向上させる。スタンガー氏はこうした力を、「適切な情報に基づいて良い選択を行う力」と言い換えている。
「“システムとシステムの間を”、つまり自社の環境内のあらゆるものが、どのように相互に連係して機能しているかを理解する力と、使用されているプロトコルや手順についての深い知識を組み合わせることで、IT担当者は、自社のビジネスに最適なアーキテクチャやオペレーションを構築できる」と同氏は説明する。
ラーベンスタイン氏もこう語る。「創造性やイノベーションを欠いていると、IT担当者は何かを見落としてしまうだろう。サーバパフォーマンスの向上や、SLA(サービス品質保証)の改善、ダウンタイムの防止ができたはずなのにできなかったと、悔しがる羽目になる。今までのやり方に従うだけでは、これらのことはできない」
ラーベンスタイン氏はこの1年にそれを経験した。VCSSが米Dellのサーバを米Cisco Systemsの「Unified Computing System(UCS)」ブレードサーバにリプレースし、SSD(ソリッドステートドライブ)とHDDを組み合わせた米Nimbleのハイブリッドストレージと米Condusiv TechnologiesのI/O削減ソフトウェア「V-locity」を導入したからだ。これらにより、従来のやり方とは異なるアプローチが必要になるが、同氏は、パフォーマンスとスペース使用率が改善する効果があると考えている。VCSSが約1000人のエンドユーザーを仮想デスクトップに移行させることが大きな理由だ。
「創造性を生かすことで、企業はコストを節約できる。CIOやディレクターが創造性を求めなければならないのはそのためだ」とスタンガー氏は語る。特に中小企業は、予算の枠内で問題を解決するために、創造的なIT担当者を探しているという。
「とりわけ教育分野では、多くの創造性とイノベーションが必要とされている。リソースに制約があるからだ」と、米イリノイ州ロックフォード学区の技術サポートスーパーバイザーを務めるロス・エバリー氏は語る。ITに関する要求の変化を受けて、要件に合わせた新しいターンキー製品(必要なハード/ソフトウェアがパッケージ化され、すぐに稼働開始が可能な完成品)を購入する予算はないが、それでもエンドユーザーをサポートしなければならないと、同氏は付け加える。
ITとビジネスの新しい関係も形作られている。ITサービス分野は採用が活発で、ソフトウェアエンジニア、アナリスト、アーキテクト、プログラムマネジャー、プロジェクトマネジャーなど、ITとビジネスの両方に精通している必要がある職種が、従来のITインフラ担当者を上回る規模で重点的に採用されていると、米調査会社Foote Partnersは調査報告書で述べている。
「バックエンド業務には起業家精神が必要だ」と、小売り大手の米TargetでrAPId Infrastructure Services担当グループマネジャーを務めるジェフ・アインホーン氏は語る。
サービスマネジャーが安定性と効率性を考慮しつつ、変更を実行できるような環境を整えなければならない。さもないと、ビジネス部門はパブリッククラウドサービスを勝手に利用するシャドーITによって、自由裁量と目先の効果を求めるかもしれないと、アインホーン氏は説明する。
会社や組織がイノベーションや創造性を尊重することは、従業員の仕事満足度の向上にもつながる。2015年度調査では、IT部門の雰囲気を「楽観的」と考えるデータセンター担当のIT幹部の中で、その理由として、イノベーション的な考え方が重視されていることを挙げた人は2番目に多かった。データセンターに関わる回答者の33%が、IT部門の雰囲気を「楽観的」と答え、これらの回答者のうち45%が、自社のIT部門で「イノベーションが奨励されている」としている。
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