BIをCEOに売り込む“提案者”が重要に
「脱Excel」を阻んできた“真犯人”は誰なのか?
会社の幹部や他の社員にビジネスインテリジェンス(BI)ツールの導入を納得してもらうのは、今でも驚くほど困難な作業だ。その原因の1つは、BIのメリットを社内にうまく売り込めていないことにある。
ビジネスインテリジェンス(BI)やデータ分析は、企業における効果的な意思決定の強力な決定打として広く見なされている。最近では、ビジネス部門のマネジャーや社員が分析できるようにするセルフサービス型のBIツールが流行中だ。セルフサービス型のBIツールは、対話型のダッシュボードを内蔵しており、静的なレポートを出力する。
こうした状況を踏まえると、BIツールの導入促進は大半の企業にとって何ら問題なく進んでいるのではないかと考えるのは、至極当然のことだろう。だが、そこには落とし穴がある。
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成長する「セルフサービスBI」
思った以上に進んでいないBI導入
多くの企業ではBI導入に関わる争いが今も続いており、それは各所で難航している。TechTargetのSearchBusinessAnalyticsとコンサルティング会社のEckerson Groupが2015年12月に共催したBI関連イベント「BI Leadership Summit」では、コンサルティング会社でITマネジャーを務めるある参加者(匿名希望)は次のように語った。「当社は、どちらかと言えば保守的な企業だ。経営幹部はBIツールで実現できることについてなじみがなく、別々のサイロに隔離されたデータを共有する価値を理解していない」
米オレゴン州グランツパスで2015年に開催されたBIイベント「Pacific Northwest BI Summit」のセッションでクラウディア・アンホフ氏が指摘したところによると、企業における市販BIツールの平均使用率は全社員の約20~25%前後を推移していることが調査で明らかになっているという。「この状況は、私がこの業界で働き始めてから変わっていない」と、同氏はため息混じりに述べる。
こうした統計は、カジュアルなBIユーザーを考慮に入れているとは限らない。例えば実際に何が行われているか分からないまま、業務アプリケーションに組み込まれた分析ツールを使用している経営幹部もいる。また、全社員がBIツールの賛同者となるわけでもない。
だがコンサルタントやBIベンダーが集まったPacific Northwest BI Summitでは、アンホフ氏を始めとする参加者は、「利用率はもっと高いはずだ」と口をそろえた。
BI Leadership Summitでも同じ見解が見られた。筆者は、BI導入推進時に直面する最大の問題を6人の参加者に聞いてみた。そのほとんどは、まだBIツールの導入初期段階にあるとして、Microsoftの表計算ツール「Microsoft Excel」のスプレッドシートや手作業のプロセスの存在、データドリブンなビジネス文化の欠如を主な障害として挙げていた。
ただし、BIツールの潜在的なメリットを認識できず、依然としてExcelに頼っていることの全責任を従業員に負わせるわけにはいかない。意思決定における知識や洞察についても同じことがいえる。BIマネジャーを含む提案者はオフィスから足を踏み出し、経営幹部と向き合わなければならない。
提案者にはエバンジェリストの要素が必要になる。BIツールを導入する見込みのある経営幹部に、BIツールがどう役立つのかを気付かせる適任者は、提案者をおいて他に誰がいるだろうか。
BI Leadership Summitの講演者の1人で、ダラス・フォートワース国際空港のBIマネジャーを務めるドウェイン・ワシントン氏は、空港での業務の様子を理解できるように、“ユーザー”が座る場所に同氏のチームを座らせるという。さらに、ビジネス部門のマネジャーと一緒に昼食を取るなどの活動も進んでしている。
どちらのやりとりも、ワシントン氏や彼の部下が、ビジネスニーズに加えてBIツールがどのように役立つかを理解する一助となる。さらに、同氏は面と向かって話すことで、ExcelからBIツールへ移行して得られるメリットを現場のユーザーに納得してもらう機会を手に入れることができている。
十分な資金のある大企業の中には、BI戦略を促進するために個別のチームに投資して、ユーザーが分析スキルを磨くためのサポートを提供している企業もある。ただし、分析の専門チームを実現する資金的な余裕がないからといって、失望する必要はない。人間的な触れ合いは、BIの評判やうわさを広める上で大いに役立つからだ。
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