まだ成熟していない分散型台帳技術(DLT)
ブロックチェーン技術の実装に役立つ「Unified Rules Model」(URM)とは(1/2 ページ)
ブロックチェーン技術はガバナンスプロセスの効率を上げるのに役立つ。だが分散型台帳技術(DLT)を最大限に生かすには、幾つかの課題を解決する必要がある。
数世紀にわたり、商取引の完全性は、その取引に関与した当事者全員がその取引をの記録を作成し、複数のコピーを管理するという原則に基づいて成り立っている。だが複数のコピーを作成することで、情報の競合や対立について複数のリスクが生まれる。同時に、悪意のある行為者が、価値の高い、競争力のあるビジネス上の機密情報にアクセスできる側面が複数浮かび上がる。その結果として、情報セキュリティへの投資の多くが、企業記録の完全性を確保することを最優先に集中して行われることになる。
ブロックチェーン技術は、ビットコインなどの仮想通貨を進化させているプラットフォームだ。この技術は、重複する冗長な帳簿や記録を、サプライチェーンや取引システムの当事者全員が接続できる単一の分散型台帳に置き換えることで、これまでの仕組みを全く変えてしまう。ブロックチェーンのこの新しい実装は、まとめて分散型台帳技術(DLT)と呼ばれている。DLTは、ID管理、情報ガバナンス、規制順守にまつわる効率性を向上し、コストを削減する大きな可能性を提供する。
簡単に言えば、DLTを使用することで、既存の暗号化機能を使用して数学的に証明される最高の情報セキュリティ属性を全て備えた単一の記録を作成できる。この単一の記録は取引のライフサイクル全体にわたって信頼可能だ。この記録があれば、コンポーネントやビジネスプロセスを順番に進めることができる。そして、この記録には、取引に付き物の時間的遅延、無駄な検証、複数のネットワーク間での情報統制を管理、監査するコストがかからない。
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ブロックチェーンの動向
新しい技術の多くがそうであるように、ブロックチェーンも大きな熱狂を引き起こしている。『Harvard Business Review』では、ブロックチェーンを経済と社会の構造を進化させる基盤技術と位置付けている。ただし、新しい技術は、表舞台で実績を築かないうちに熱狂によって投資があおられると、欠陥、失敗、誤りといった烙印が押されることが多い。
DLTの実装はまだ成熟していない。だが、早期段階の実装で見過ごされていた欠落したリンクから既に多くのことを学んでいる。ここからはDLTを前に進める第一歩を確実に成功させるために問い掛ける2つの重要な疑問を取り上げる。この2つの疑問に答えるには、IT、セキュリティ、通信、法務、コンプライアンスなど、組織全体の各チーム間の完全なコラボレーションが必要になることがすぐに分かる。
記録を所有するのは誰か
DLTは取引記録を分散する。各当事者がそれぞれのファイアウォール内に重複する冗長なコピーを管理する必要はない。だが、ブロックチェーンを導入する以前に、多くの商業協定は実際の記録自体を誰が所有し、誰が管理しているかについて対処できていない。当事者が分散台帳に移行したら、記録そのものに対するその当事者の権利を関連協定内で規定し、表明することが重要になる。どのような暗号化を採用するにしても、記録を完全に保護するには十分ではない恐れがある。そのため、契約内で表現する追加の管理が非常に重要になる可能性がある。
ルールはどうなるか
初期の暗号通貨は、契約やガバナンスを必要としないプラットフォームとして売り込まれた。だが、この主張は単純にはDLTに当てはまらない。逆に、その成功は、複雑なルールと要件を、一貫性があり 正確で自動化した手順として実行することに大きく依存する。だが新しく実装する場合は、全てのルールの特定、検出、マッピングが課題になる可能性がある。この課題の大部分は、結び付きのないさまざまなソースからDLT製品のルールを導き出さなければならないところにある。
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