マルチクラウド管理ツールの選び方【後編】
マルチクラウド管理に役立つ「IaC」「Kubernetes管理」「CASB」とは?
マルチクラウドの運用管理に役立つ「マルチクラウド管理ツール」。コンテナを運用する場合、セキュリティを強化したい場合に向けてどのようなツールがあるかを見てみよう。
前編「『マルチクラウド管理ツール』とは? 主要な5大機能と選定ポイントを解説」に引き続き、複数のクラウドを併用するマルチクラウドを効率的に管理できる「マルチクラウド管理ツール」について解説する。本稿で紹介するのは以下の3種だ。
- Infrastructure as Code(IaC)ツール
- Kubernetes管理ツール
- CASB(Cloud Access Security Broker)製品
Infrastructure as Code(IaC)ツール
ITインフラの構成や設定変更をプログラムで実行可能にするIaCツールを使用することで、ユーザー企業はリソースを自動的にプロビジョニング(利用できる状態に準備すること)し、一貫性のあるインフラでアプリケーションを運用可能になる。IaCツールは、リソースを繰り返しデプロイ(配備)したり、構成のバージョン管理に対処したりできるテンプレートを用意する。
Amazon Web Services(AWS)やMicrosoftのようなパブリッククラウドベンダーは、それぞれ「AWS CloudFormation」「Azure Resource Manager」など自社のパブリッククラウドで利用可能なIaCツールを提供している。こうしたツールは、特定のクラウドサービスのみを使用している企業には有用だが、複数のクラウドサービスを併用するマルチクラウド環境に適しているとは言えない。
サードパーティー製IaCツールは、ワークロード(アプリケーション)をマルチクラウド環境で運用するための機能を提供している場合が少なくない。HashiCorpの「Terraform」はさまざまなクラウドサービスで機能する。Terraformに用意されているテンプレートを使用すれば、マルチクラウド環境でインフラの構成を標準化するのに役立つ。パブリッククラウドベンダー独自のIaCツールとサードパーティー製のIaCツールを評価して、自社のワークロードに適したIaCツールや、それらの組み合わせを検討することが重要だ。
Kubernetes管理ツール
パブリッククラウドベンダーはコンテナオーケストレーションツールのKubernetes用の独自のマネージドサービスを用意している。こうしたサービスの注意点は、マルチクラウド環境を前提にして作られていないことだ。マルチクラウド環境でKubernetesを運用する場合は、サードパーティー製のKubernetes管理ツールを使用するのが適している。
NetAppの「NetApp Kubernetes Service」、Cloudify Platformの「Cloudify」、Rancher Labsの「Rancher」、Red Hatの「Red Hat OpenShift」は、マルチクラウド環境でKubernetesのクラスタ運用に使用できるサードパーティー製Kubernetes管理ツールの一例だ。どのツールにも長所と短所がある。
CASB製品
CASB製品を使用すれば、オンプレミスとクラウドのインフラ間に存在するセキュリティのギャップを埋めることが可能になる。企業のセキュリティ基準を満たすためには認証や暗号化といったセキュリティ機能が重要になる。オンプレミスやクラウドのこうしたセキュリティ機能が十分ではない場合は、CASB製品が補完してくれる。
マルチクラウド環境向けのCASB製品を選定する際、
- プロキシとしてCASBを配置する構成
- クラウドサービスとAPI連携する構成
の2つが主な選択肢になる。API連携は、複数のクラウドサービスによる小さなサブセット(部分集合)で構成するマルチクラウド環境に適している。より複雑でニッチなサービスを利用するマルチクラウド環境には、プロキシの構成が適している。適切なマルチクラウド環境用のCASB製品を選ぶには、その用途と各クラウド環境のセキュリティ要件を特定する必要がある。
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