エネルギー分野での活用が広がるAI【前編】
スマートグリッドを「AI」で強化 データで資源を有効活用
エネルギー分野でのAI(人工知能)技術の活用が広がりつつある。AI技術は既存の技術をどう変え、どのようなメリットをもたらすのか。
多少の抵抗はあったものの、エネルギー分野ではAI(人工知能)技術が、幾つかの大きな課題の解決策を提供するようになった。こうした課題には、エネルギー源へのアクセスとエネルギー供給力の向上、エネルギー源の貯蔵・利用方法の改善、エネルギー源の保護、化石燃料への依存のさらなる低減などがある。
エネルギー分野の膨大なデータは、より自然に優しくコスト効率に優れる技術の開発や、業務の合理化・自動化に役立つ可能性がある。にもかかわらず、最近まで同分野でのAI技術導入はやや低調だった。だが他の多様な分野でAI技術の価値が証明されていることから、エネルギー分野でも、さまざまな課題に対処したり、チャンスを得たりするためにAI技術の導入が急速に進んでいる。
AIが実現するスマートグリッドの強化
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さまざまな産業に浸透するAI技術
電力業界のデータ活用
企業や政府、規制機関が、エネルギーを効率的に利用する方法を模索している。持続可能で信頼性のある主な手法の一つがスマートグリッド(次世代送電網)の導入だ。
エネルギー事業者はより多くのデータを活用することで、適切な意思決定と資源利用を実現できる。顧客情報や地理情報など、エネルギー事業の運用から得られるデータは膨大で、増え続ける一方だ。スマートグリッドは、何百万個ものスマートセンサー(通信機能を持つセンサー)から大量のデータを継続的に収集して、エネルギー源の最適な割り当て方をタイムリーに決定する。
AI技術は、スマートグリッドの強化に役立つ。効率性と収益性を高めた電力取引を実現し、電力消費をより適切に制御できるようにする。人だけでは恐らく不可能な方法でデータの処理や分析、解釈を高速化し、大きな価値をもたらす。エネルギー事業者はAI技術を活用することで、過去の使用状況を基に現在の使用状況を監視して、予測分析を利用できるようになる。それにより将来の消費量を予測し、大惨事が起きる可能性を回避しやすくなる。
再生可能エネルギーや非再生可能エネルギーなど、さまざまなエネルギー源の間で生産の割当を円滑化するために、AI技術を利用する動きが広がっている。エネルギーの供給・生産コストの監視や最適化の他、消費や生産に影響する可能性がある環境要因の調査にもAI技術は役立つ。英国に拠点を置く電力とパイプラインのグリッド事業者であるNational Gridは最近、英国の送電網システムにAI技術を導入した。これにより同社はエネルギー消費を10%削減し、財務と環境の両面でメリットを実現したいと考えている。
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