新型コロナを大学はどう乗り切っているか【後編】
「頻繁な絵文字通知は煩わしい」 コロナ禍のチャットbot導入校に学生が本音
流行の拡大を防ぐため、新型コロナウイルス感染症対策として大学の学生は自宅待機を要求された。対面でコミュニケーションが取れない状況で学生の状態を把握するためにはさまざまな課題がある。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、キャンパスを閉鎖しオンライン教育への切り替えを余儀なくされた大学は少なくない。そうした大学は学生を支援するためにさまざまな技術を導入し、危機を乗り越えている。
大学生の悩みを聞くチャットbot
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新型コロナウイルス感染症と最新技術
チャットbotが職場にもたらす影響
学生と連絡を取り合って状況を確認するために、チャットbotを導入する大学もある。EdSightsはSMS(ショートメッセージサービス)を利用した大学向けチャットbotを提供するスタートアップ(新興企業)だ。このチャットbotは標準ではその大学のマスコットキャラクターとして学生に自身の学業について質問し、得られた回答に応じて情報を案内しつつ、大学全体の学生に関するデータも収集する。
新型コロナウイルス感染症の流行を受け、EdSightsは新型コロナウイルス感染症専用のチャットbotの無償提供を始めた。このチャットbotは、新型コロナウイルス感染症に関連するさまざまな情報や健康管理のヒントを提供するようにあらかじめ設定されている。「新型コロナウイルス感染症流行の学業への影響は」「できなくて困っていることは」といった学生への質問を投げ掛ける。
EdSightsのチャットbotによる質問は絵文字を交えたカジュアルな口調で、友人に話しかけるような体裁だ。「学生の反応はすこぶる良好だ」と、EdSightsの共同創業者で共同CEOのキャロライナ・レッキ氏は語る。
「人に話すより話しやすい」環境
「人に話すよりチャットbotを相手にする方が、学生は自身の状況を打ち明けやすいようだ」とレッキ氏は推測する。同氏によると、学生はチャットbotからの質問に長い回答を書き込み、状況を詳しく述べている。
チャットbotは回答に応じて大学の保健福祉センターなどの学内組織が発信している情報を学生に案内する。新型コロナウイルス感染症の影響で深刻な状況に陥っていることを示す回答があった場合は、大学のスタッフにつなぐかどうかを尋ねる。「チャットbotは学生とのつながりを大規模にする強力な手段になる」(レッキ氏)
EdSightsのチャットbotを利用する大学は全部で約40校あり、25校が今回の無償提供をきっかけに新規導入した。
オンライン講義やチャットbotには課題も
孤立に悩んでいる学生もいる。ブリッジウォーター州立大学(Bridgewater State University)3年生のマディ・モリスさんは、2020年3月から全ての受講科目をオンライン講義に切り替えなければならなかった。「オンライン講義に慣れていないと移行は困難だ。教員とのコミュニケーションが難しくなった」とモリスさんは強調。「会って話をする時間がないので問題を解決できず、とても孤立感がある」と打ち明ける。
ブリッジウォーター州立大学はテキストベースのチャットbotで学生の状況を定期的に確認し、期限の近い手続きについてリマインダーを送信している。新型コロナウイルス感染症の流行が始まってから、チャットbotが発信するメッセージは増えた。だがモリスさんは、これが役に立つとは感じていない。「大学から頻繁にメッセージが届くのは煩わしい。ほとんどは『そろそろ締め切りだ』と知らせる絵文字混じりの通知ばかりだ」と明かす。
新型コロナウイルス感染症の流行は学生や大学に困難をもたらしている半面、大学のシステムを刷新するきっかけにもなっている。大学向けシステムを手掛けるJenzabarでアナリティクス&スチューデントサクセス製品マネージャーを務める、メーガン・トゥルヤニカ氏はこう話す。「大学では新しい技術の導入は遅い傾向にあるが、新型コロナウイルス感染症の影響でAI(人工知能)技術の導入が加速しそうだ。大学は今、厳しい試練を受けている」
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