「SSHD」と「SSD」の違い【後編】
HDDとSSDを融合させた「SSHD」を無駄にする“駄目な使い方”とは?
「SSHD」はHDDとSSDの特性を併せ持ち、用途によっては大きなメリットが期待できる。だが注意点もある。用途を間違えると無駄な投資に終わってしまう可能性があるからだ。何に注意すべきなのか。
「SSHD」(ソリッドステートハイブリッドドライブ)とは、HDDにSSD(ソリッドステートドライブ)を組み合わせたストレージだ。SSHDの構成は複雑ではなく、SSD部分はキャッシュとして機能する。ほとんどのSSHDは最適化機能を搭載しており、どのデータをSSDで読み書きすればパフォーマンスを向上させられるのかを自律的に判断する。
併せて読みたいお薦め記事
「SSD」導入時に考慮すべきポイント
「SSD」と「HDD」の比較
コストはHDDに近く、データ読み書き速度はSSDに近いというのがSSHDの特性であり、メリットだ。使用するアプリケーションによってはSSDよりも、HDDよりも適した選択になる可能性がある。ただし企業がSSHDを導入する際、注意しなければならない点がある。
SSHDを無駄にする“駄目な使い方”
バックアップベンダーCobalt Ironのグレッグ・テービス氏は「アプリケーションがSSDを効率的に利用できるように設定しないままSSHDを使うと、過剰なコストを支払うことになる」と指摘する。SSHDはアプリケーションごとにHDDとSSDの使用を割り当てることが可能だ。ただし適切に設定することは簡単ではない。「ストレージに関する深い専門知識が求められる。場合によっては管理が複雑になり、運用負荷が増える可能性がある」とテービス氏は警告する。そうなればデータ読み書き速度が速いSSDへの投資効果も減じてしまう。そのため一般的にはSSHDドライバーを使って、自動的にSSDとHDDの使用をコントロールすることが望ましい。
長期的には深刻な問題にはならないものの、新たにSSHDを利用する場合に混乱を引き起こしかねない注意点もある。利用開始の初期の段階では、SSHDはHDDと同程度のデータ読み書き速度でしか稼働しない場合があることだ。SSHDには“慣らし”の稼働期間がある。SSHDは、その間にファイルやプログラムの使用頻度を学習する。使用頻度が高いファイルやプログラムは、SSDに移動させてデータ読み書きを高速化できるようにする。各種マネージドサービスを手掛けるOffice1のエンジニア、カーティス・バークール氏は「SSHDがファイルやプログラムの利用頻度を学習すれば、一般的なHDDよりもはるかに高速で稼働するようになる」と説明する。
どのようなIT製品にも共通するポイントだが、SSHDは複数の技術を併用しているため、複雑性が増大しやすいデメリットもある。「たとえパッケージ化された製品であっても、設定したり、モニタリングしたりする項目は増える。不具合の可能性も高まり、習得すべき新しいスキルも増える」と、運用管理ベンダーSolarWindsのパトリック・ハバード氏は説明する。
導入効果の実証
SSHDとSSDを比較してどのようなメリットとデメリットがあるかは、利用する組織によって異なる。SSHDを利用する上で重要なのは、使用状況とパフォーマンスをモニタリングすることだ。費用対効果(ROI)を証明するには、判断基準を設定して、それに従ってモニタリングを実施することが欠かせない。
特にSSHDのように、HDDやSSDなど一般的なストレージの常識とは異なる製品を導入する場合は、組織独自の利用目的と判断基準が重要になる。ハバード氏は「パフォーマンスの向上と、アプリケーションへの適合性を証明するデータがあれば、SSHDの導入効果を実証するための有効な材料になるだろう」と話す。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[ネットアップ合同会社] 金融庁ガイドラインから読み解く、「次世代データレジリエンス」の在り方 -
製品資料
[ネットアップ合同会社] 製造DXでデータ活用ニーズが拡大 分散データ活用とAI活用をどう実践する? -
製品レビュー
[ネットアップ合同会社] AIで使いたいデータが内外に点在、研究におけるAI活用を阻む“真の課題”とは -
製品資料
[株式会社kickflow] 稟議・承認作業の「脱オンプレ・脱Excel・ペーパーレス化」を一気に進める方法 -
製品レビュー
[株式会社kickflow] ワークフローシステムのクラウド化 “みんなが不幸になる”事態を避けるには?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「年1回の外部診断」が限界に 大手小売が脆弱性管理を内製化・一元化した方法
-
2
「契約業務のAI活用」に関するアンケート
-
3
シャトレーゼを悩ませる偽メール 混乱なしでBIMI導入とDMARC強化を実現した方法
-
4
なぜ人はいるのにDXが進まない? ライオンも直面した“老害”レガシーシステム
-
5
「IBM i(AS/400)はクローズドなシステム」という誤解 DXに寄与する一歩
-
6
障害対応に「余裕なし」が9割超 運用担当316人調査で見えた「運用赤字」
-
7
IT製品の導入に関するアンケート「PC&デバイス」編
-
8
そのアプリ危険かも? “野良アプリ”から「Android」「iOS」を守る防御策
-
9
「Windows 10」を使い続ける“Windows 11未移行ユーザー”に残された最終手段
-
10
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー