Microsoftのソースコードエディタ「Visual Studio Code」【前編】
無料エディタ「Visual Studio Code」大人気の理由 “新世代のEmacs”か
月間1400万ユーザーを誇るソースコードエディタ「Visual Studio Code」。なぜ人気なのか。ユーザーの声を基に、その理由を探る。
Microsoftの「Visual Studio Code」は、「Windows」「Linux」「macOS」向けソフトウェアの開発者が使う人気のソースコードエディタだ。Microsoftによると、2020年にVisual Studio Codeは新規に500万ユーザーを獲得し、現在月間1400万ユーザーが利用している。Visual Studio Codeの人気が高いのは、さまざまなOSや目的で利用できることによる。
Visual Studio Codeは“新世代のEmacs”か?
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「Visual Studio Codeは一夜にして成功したと思われがちだが、開発は10年がかりだった」。Microsoftの技術フェローでVisual Studio Code開発者のエリック・ガンマ氏は、2021年1月開催のオンラインイベント「Visual Studio Code Day」でそう語った。ガンマ氏がMicrosoftに入社したのは、同社の統合開発環境(IDE)「Visual Studio」と同様の成功を収める、Webブラウザベースの新たな標準開発ツールの構想を描いていたことによる。
Visual Studio Codeはさまざまな開発者に役立つ。データサイエンスやサイトリライアビリティエンジニアリング(SRE:大規模システムを高い信頼性で運用する方法論)といった比較的新しい分野の開発者だけでなく、一般的なソフトウェアの開発者に役立つ。
調査会社Forrester Researchのアナリスト、ジェフリー・ハモンド氏はVisual Studio Codeを高く評価する。「Visual Studio Codeはユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー経験価値)が良く、無料でさくさく動く。高性能かつ複数のOSで使え、拡張もしやすい。さまざまな工夫で開発者の生産性を高めている」(ハモンド氏)
住宅ローン金融会社Quicken Loansの技術文化担当ディレクター、テッド・ニュワード氏は、Visual Studio Codeを「一言で言うと、新しい世代の『Emacs』(開発者や研究者の間で広く使われているテキストエディタ)だ」と表現する。Visual Studio Codeは「オープンで拡張性が高く、主要ベンダーが排他的にならずに支持していて、主要なOSで使え、比較的高速だ」とニュワード氏は評価。無償という点も「有力ユーザーの心をとらえた」と分析する。
他の開発者もニュワード氏の見方に同調する。エクササイズアプリケーション「Sworkit」を開発するNexerciseのユーザーエクスペリエンスエンジニア、コリー・マッカーサー氏は、Visual Studio Codeが無償であり、開発者が定期的に新しいプラグインを開発していることから「とても簡単に機能を追加でき、しかもシンプルだ」と語る。
2020年10月、Adobeはユーザーインタフェース(UI)デザインツール「Adobe XD」のVisual Studio Code用拡張機能を提供開始した。デザイナーはこの拡張機能を使うと、Adobe XDで開発したUIデザインを、Visual Studio Codeで開発中のアプリケーションに組み込みやすくなる。
Visual Studio Codeの代替には、JetBrainsの「WebStorm」やSublime HQの「Sublime Text」、Panicの「Nova」の他、オープンソースのEmacsや「Vim」「Atom」などがある。
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