大学が企業向けIT製品を教える訳【後編】
大学の「RPA」「BI」講義に学生からは高評価 その納得の理由
大学やベンダーが業務自動化ツールやデータ分析ツールなどの使い方を教える講義を開講し始めている。実際に講義を受けた学生の評価は。
前編「UiPath、Power BI、Tableauを講義で勉強――大学が『RPA』『BI』を教える理由」は、カリフォルニア州立大学フラトン校(CSUF:California State University, Fullerton)が、「ロボティックプロセスオートメーション」(RPA)ツールなどの業務自動化ツールや、「ビジネスインテリジェンス」(BI)ツールなどのデータ分析ツールについて教える講義を開いていることを紹介した。後編は、講義事例と、講義に対する学生の評価を紹介する。
CSUFで会計学を教えるエイプリル・モリス教授の講義ではゲスト講師を招き、学生がIT製品について学ぶ上で役立つ実例や利用例を紹介してもらっている。CSUF4年生のヘザー・ビディンガーさんは、2020年初頭にコンサルティング会社PricewaterhouseCoopers(PwC)でインターンシップを修了した。ビディンガーさんにモリス氏の講義を受講するよう薦めたのは、このPwCのチームメンバーだった。インターンシップ自体は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でオンライン受講になり、期間が短縮されたものの、卒業後のPwCでの職を確保できたとビディンガーさんは話す。
インターンシップによってビディンガーさんはPwC入社の内定を得た。いずれそこで仕事を始めることになるが、その際にモリス氏の講義が助けになることは「間違いない」とビディンガーさんは話す。
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PwCの経理担当者は、顧客のためのデータをスクレイピング(抽出)したり、クリーニングしたり、プレゼンテーションしたりする仕事を任されることがよくある。ビディンガーさんはこうしたスキルの基礎をモリス氏の講義で習得した。講義で身に着けたことは、PwCで担う仕事に向けた良い準備になる。「こうした経験を履歴書に書けるのは本当に素晴らしいことだ。雇用者は間違いなくこうした経験を求めている」(ビディンガーさん)
UiPath以外にも大学などの高等教育機関と提携する技術ベンダーはある。GoogleやAmazon Web Services(AWS)、Microsoft、IBM、Tableau Software、DataRobotなどのベンダーは、大学と密接に連携することで、自社製品を紹介し、学生に新しい技術を教えている。
コロラド大学ボルダー校(University of Colorado Boulder)で情報システム学部の講義を受け持つカイ・ラーセン准教授は、DataRobotの製品を取り入れた学部生向けのビジネスアナリティクスの講義を担当している。DataRobotは、「AutoML」(自動機械学習)を専門とするAI(人工知能)ベンダーだ。
この講義で、ラーセン氏はDataRobotとAlteryxの同名データ抽出ソフトウェアを使用したデータ分析の準備方法を学生に教えている。CSUFと同様、コロラド大学ボルダー校の講義では、学生に製品を無料で提供するとともに、業界の専門家を招いて実情を垣間見る機会を学生に与えている。
ラーセン氏によると、受講者にはビジネス、金融、情報管理などを専攻する学生も含まれる。これらの学生は工学系ではなく、プログラミングの訓練を受けていないと同氏は話す。「こうした学生がプログラミングに多くの時間を費やすことなく、工学部の学生と競えるよう備えさせなければならない」(同)。CSUFのモリス氏の講義と同様、ラーセン氏のビジネスアナリティクスの講義もプロジェクト方式だ。
コロラド大学ボルダー校ではIT製品の採用が着実に進んでおり、それらの採用と就職した卒業生の割合には「相関関係があるように見える」とラーセン氏は話す。「IT製品の採用を増やすほど、就職率も上がっている」(同氏)
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