「S/4HANA」に移行すべきか? “2027年問題”の対処法を徹底解説:“3つの移行手法”と代替策
SAPの旧世代ERP製品が2027年にサポート切れを迎え、ユーザー企業は次世代ERP「S/4 HANA」への移行を迫られている。本稿は「なぜ移行すべきか」「移行すべきかどうか」「どのように移行すべきか」という問いに答える。
SAPの主力製品「SAP S/4HANA」(以下、S/4HANA)は、同社の最新世代のERP(統合基幹業務システム)だ。SAPはS/4HANAを「ユーザー企業の未来を支えるプラットフォーム」と位置付け、同社が開発に力を入れるクラウド技術やAI(人工知能)技術などを取り入れている。
ユーザー企業がSAP S/4HANAへの移行を検討すべき理由は幾つかあるが、最大の理由は、従来のERPの保守サポート切れだ。SAPはS/4HANAへの移行を促すため、「SAP Business Suite」や「SAP ERP Central Component」(以下、ECC)、その前身「SAP R/3」の保守サポートを2027年12月末に終了すると明言している。
一部のユーザー企業はS/4HANAに移行するメリットを認識しており、移行を検討中または計画中だ。しかし調査会社Gartnerによると、S/4HANAへの移行は順調には進んでいない。2024年9月時点のデータによると、SAP ECCのユーザー企業の63%が、まだS/4HANAのライセンス契約を結んでいない。時間が経つにつれ、ユーザー企業が期限を守れないリスクは高まっていく。
ユーザー企業が移行に慎重な姿勢を取るのは理解できる。S/4HANAへの移行は、以下の課題を伴うからだ。
- 膨大な時間、予算、人材の投入が必要になる。
- 技術的なリスク、運用上のリスク、財務的なリスクがある。
- 既存の慣れ親しんだシステムを新しいシステムに置き換えることに不安がある。
S/4HANAへの移行を成功させるには、移行プロセスの全体像を把握し、計画的に実施する必要がある。本記事は、S/4HANAへの移行のメリット、課題、具体的なステップを解説する。
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S/4HANAに移行すべき理由
S/4HANAに移行するメリットを解説する前に、「移行」の定義を確認しよう。移行とは、単に新しいERPを購入することではない。既存のERPを完全に置き換え、データや業務プロセスを新しいERPに移行することを意味する。あるいは、既存のERPを維持しつつ、一部の業務だけを新しいERPに移行する場合もある。本稿は「なぜ移行すべきなのか」「移行すべきかどうか」「どのように移行すべきか」という問いに答える。
これらの疑問は細分化できる。「移行のタイミングはいつか」「S/4HANAのどのバージョンに移行すべきか」「クラウド型かオンプレミス型か」「全面移行か部分的な移行か」そして「組織が移行に伴う変化にどのように適応すべきか」といった点だ。
2022年、SAPのERP製品の導入を支援しているコンサルティング企業Deloitte、Ernst & Young(EY)、ITベンダーのIBMの専門家にインタビューを実施した。3社が抱える顧客企業がS/4HANAに移行する主な理由は「既存のレガシーシステムがもはや維持不可能になったため」と「最新のERPを活用し、競争力を向上させたいと考えたため」だった。
S/4HANAは、SAP Business SuiteやECCのデータ構造やソースコードに大幅な変更を加え、SAPのインメモリデータベース「SAP HANA」でのみ動作するよう設計された。OracleやIBMのデータベースで動作するSAP Business Suiteと比べると、SAP HANAを基盤とするSAP S/4HANAのデータ処理性能は高い。
S/4HANAは、SAPのアプリケーション群「SAP Fiori」に基づいたモダンなユーザーインタフェース(UI)を採用している。IoT(モノのインターネット)やAI技術を活用した分析機能、サステナビリティー(持続可能性)レポーティングなど、SAPのさまざまな最新機能と親和性がある。
しかし、こうしたメリットよりも、ユーザー企業がS/4HANAへの移行を考える最大の理由は2027年のサポート終了だ。追加料金を支払えば、2030年まで保守期間を延長できるが、S/4HANAへの移行が必須条件だ。
SAPは2023年、クラウド型ERP「SAP S/4HANA Cloud」への移行を支援するサービス群「Rise with SAP」を発表し、最新のAI機能やサステナビリティーに関する機能をS/4HANA Cloudのみに導入する方針を示した。オンプレミス型のS/4HANAを導入したユーザー企業は最新技術の恩恵を受けられず、不満の声も上がった。
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あらためてS/4HANAに移行するメリットを整理すると以下の通りだ。
- リアルタイムなデータ分析による意思決定の迅速化
- 決算処理の高速化
- 予測精度の向上
- UIの改善
- 業務プロセスの自動化
- 業務状況に合わせたシステムの拡張
加えてS/4HANA Cloudの場合、四半期または半年ごとのソフトウェアアップデートの恩恵を受けられる。S/4HANA Cloudのユーザー企業は、サプライチェーン管理システム「SAP Business Network」や他のクラウドサービスと連携しやすくなる他、SAPの生成AIアシスタント「Joule」やAIチャットbot「SAP Conversational AI」なども利用できる。
S/4HANA移行を妨げる課題
調査や事例研究によると、S/4HANAへの移行は時間やコストがかかり、従業員のトレーニングを必要とする。チェンジマネジメント(組織の変革を成功させるためのマネジメント手法)、機能のカスタマイズ、レガシーアプリケーションとの連携、従業員に対するS/4HANAのメリットの啓発などの課題も挙げられる。
移行時の最大の課題の一つは、S/4HANAが自社のビジネスを遂行する上で必要なERPの機能を搭載しているかどうかを判断することだ。調達やサプライチェーン管理、会計といった自社の事業に関連するSAP S/4HANAの機能を検討し、既存のERPで実行してきたワークフローをS/4HANAでも実行できることを確認する必要がある。
システムの統合と大規模なデータ移行も課題だ。レガシーシステムはオンプレミス、プライベートクラウド、SaaS(Software as a Service)が混在し、移行先の新しいERPとデータの連携が必要になる場合がある。英国とアイルランドのSAPユーザーグループ(UKISUG)によると、一部のユーザー企業 は「S/4HANAに移行する際の最大の課題はデータ管理」と回答している。データの重複やサイロ化(データ間の連携が取りづらくなること)、データを活用する従業員のスキル不足に悩むユーザー企業もある。
従来のERPは、企業が必要とする機能を1つのシステムに組み込んだ「モノリシック(一枚岩)なシステム」だった。一方、S/4HANAは、人事やCRM(顧客関係管理)など一部の機能を他のSAP製品やサードパーティーのアプリケーションで代替している。S/4HANAを他のアプリケーションと適切に連携させるため、共通のデータモデル(データの構造や関係性の定義)を整備する必要がある。
これまで自社のニーズに応じてカスタマイズしたレガシーなERPを手放すことに苦心する企業もある。SAPは、同社のアプリケーション開発基盤「SAP Business Technology Platform」(以下、BTP)によってS/4HANAの機能を拡張することを推奨している。
ただしBTPを活用するには、専門知識や高度なスキルが必要だ。BTPのスキルを有する人材を採用するか育成する必要がある。外部コンサルタントに頼ると、追加のコストが発生する。
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オンプレミス型かクラウド型か
SAPは以下のバージョンのS/4HANAを提供している。
オンプレミス型「S/4HANA On-Premise」
S/4HANAが2015年に登場してから約10年が経過し、オンプレミス型のS/4HANA On-Premiseは、SAP Business Suiteと同等のERP機能を備えるまでに進化した。財務、販売・流通、生産計画、調達・購買、サプライチェーン管理などのビジネス機能を網羅するモジュールを搭載する。
機能は同等だが、SAP Business SuiteとS/4HANA On-Premiseには違いがある。従来のカスタマイズした機能を保持するか、それともS/4HANAの標準化された機能や最新機能を採用するかは、ユーザー企業がいずれかを選ぶ上で重要なポイントだ。
クラウド型「S/4HANA Cloud」
クラウド型のS/4HANA Cloudは「S/4HANA Cloud Public Edition」と「S/4HANA Cloud Private Edition」の2種類がある。
S/4HANA Cloud Public Editionは、複数のユーザー企業が同一のシステムを共有するマルチテナントSaaSを採用しているため、さまざまな企業のニーズに応えられるよう汎用的に設計されている。SAPが運用するパブリッククラウドで稼働する。
一方、S/4HANA Cloud Private Editionは、他のユーザー企業とシステムを共有しないシングルテナントSaaSを採用している。Private Editionのユーザー企業は、Public Editionと比べると、より自由に機能をカスタマイズでき、アップグレードのタイミングも調整可能だ。
Private EditionはPublic Editionとは異なり、S/4HANA On-Premiseと同程度のビジネス機能を備える。AWS、Google Cloud、Microsoft Azureなどのハイパースケーラー(大規模データセンターを運営する事業者)がSAPに提供して運用するプライベートクラウド、もしくはSAP独自のクラウドで、Private Editionは稼働する。
S/4HANA On-Premiseを導入する場合は、任意のインフラを選べる。ユーザー企業が自社のデータセンターで運用する以外に、SAPが管理するプライベートクラウドやハイパースケーラーのパブリッククラウドを使用する選択肢もある。パブリッククラウドを使用すれば、ユーザー企業のIT部門はインフラ管理の負担を軽減できる。
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S/4HANAの3つの移行手法
S/4HANAに移行する手法は、以下の3種類がある。
1.グリーンフィールド
グリーンフィールドは、完全に新しいERPをゼロから構築する手法だ。しばしば新しいデータセンターやクラウドで運用される。初めてERPを導入するユーザー企業がこの手法を用いる場合もあれば、従来のERPから乗り換えるユーザー企業が用いることもある。予測分析やAIモデルの構築、業務プロセスの自動化など、S/4HANAのメリットを享受できる手法でもある。
この手法の課題は、既存の業務プロセスをS/4HANAの仕組みに適応させる必要がある点だ。従来のERPからのデータ移行や、新しいERPに関する従業員のトレーニングも必要になる。
2. ブラウンフィールド
ブラウンフィールドは、既存のレガシーシステムの一部を維持しながら、新しいシステムを導入することだ。S/4HANAへの移行の場合、まず会計アプリケーション「SAP S/4HANA Finance」と、グループ各社の会計アプリケーションを一元管理する「Central Finance」を導入し、その他のアプリケーションの移行を後回しにする例がある。
会計業務は定型的なバックエンドの業務なので、部分的なシステムの移行が可能だ。財務や会計の機能を新しいERPに移行するとしても、日々の業務への影響を抑えながら導入を進められる。その後、物流やCRMなどのフロントエンドの業務を順次移行していく。
S/4HANA FinanceとCentral Financeの移行はブラウンフィールドの一例に過ぎない。S/4HANAへの移行において、グリーンフィールドとブラウンフィールドのどちらを選択するかは、ユーザー企業の状況や戦略による。
3.ハイブリッド(ブルーフィールド)
ハイブリッド(ブルーフィールド)は、グリーンフィールドとブラウンフィールドの中間的な手法だ。従来のERPを維持しながら、最も重要なデータのみをS/4HANAに移行することで、S/4HANA導入に伴う業務の混乱を抑えつつ、最新機能を利用できる。
Rise with SAPとGrow with SAP
SAPは、ユーザー企業のS/4HANA移行を支援する2種類のサービス「Rise with SAP」と「Grow with SAP」を提供している。
Rise with SAP
「サービスとしてのビジネス変革」(Business Transformation as a Service)をうたうRise with SAPは、大規模なユーザー企業がS/4HANA Cloud Private Editionと、それにひも付くさまざまなSAPのアプリケーション(調達と購買を管理する「SAP Ariba」、出張や経費を管理する「SAP Concur Travel」「SAP Concur Expense」など)への移行を支援するサービス群だ。
Rise with SAPには、移行のロードマップ策定や移行作業を支援するツール、SAPの専門家によるコンサルティングなどのサービスが含まれる。最低限のソースコードを記述する「ローコード開発」およびソースコードを記述しない「ノーコード開発」ツール「SAP Build」も利用できる。
Capgemini 、Deloitte、EY、IBM、PwCなどのパートナー企業がRise with SAPのコンサルティングや開発を担当している。ユーザー企業はいずれかのパートナー企業と単一の契約を結べば、さまざまなベンダーとの調整をしなくて済む。
これらのパートナー企業は、Rise with SAP以外にも独自のSAP S/4HANAへの移行方法やツールを提供している。ERPのソースコードのテストを自動化し、S/4HANAに移行できるもの、すべきものを判断できるツールを提供し、従来のERPからの脱却を後押しする。
Grow with SAP
Grow with SAPは、グリーンフィールドを選択した中小企業がS/4HANA Cloud Public Editionを迅速に導入し、運用を始められるようにするサービスだ。AI機能やSAP Buildも利用できる。
Grow with SAPは、標準的なソフトウェアをそのまま使用できるユーザー企業を対象としている。本社でECCを運用している企業が、新しい拠点や事業部門にS/4HANAを導入する『2層ERP』にも適する。
Rise with SAPとGrow with SAPはともに、BTPによってS/4HANAの機能を拡張することを前提にしている。2020年代初頭、SAPはクラウドへの移行を容易にするため、システムの基盤となる機能をなるべくカスタマイズせずに標準機能を使用する 「クリーンコア」を促し始めた。
クリーンコアにおける「コア」とは、S/4HANAの運用に必要なプロセスやデータを指す。「コアをクリーンに保つ」とはコアの部分は変更せず、S/4HANAに既に存在する機能と重複する拡張機能は排除し、SAPが提供するAPIやBTP、アプリケーション同士を連携させるツール「SAP Integration Suite」を使用することだ。
S/4HANAの場合、BTPを通じて機能を拡張するため、S/4HANAのアップデートがあってもアプリケーションは影響を受けにくい。一方、オンプレミス型のECCの機能拡張やカスタマイズの場合、ECCとアプリケーションが密接に結び付くため、クラウド移行を妨げる要因になる。
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代替策と延命策
時代遅れになり、コストが見合わなくなったレガシーシステムを使用している企業や、2027年のサポート終了に不安を感じている企業にとって、S/4HANAは唯一の選択肢ではない。SAP以外のERPを導入したり、既存システムを延命させたりする方法もある。
SAP Business ByDesign
S/4HANAへの移行にリスクを感じる中小企業に対し、SAPはSaaS型ERP「SAP Business ByDesign」を提供している。SAP はSAP Business ByDesignのアップデートを継続しており、機能改善のロードマップを公開している。それらを参考にし、高価だが機能が豊富なS/4HANAを導入する前にSAP Business ByDesignと比較、検討することで、時間と費用を節約できる可能性がある。
SAP Business One
SAPは2002年、買収したベンダーのERPを「SAP Business One」という名称に変更し、中小企業向けのエントリーレベルの製品として提供している。SAP Business Oneは機能のカスタマイズが可能で、オンプレミス型、クラウド型を選べる。
しかし中小企業が、他のSAPのオンプレミス型ERPやSAP Business ByDesignではなく、SAP Business Oneを導入するメリットは挙げにくい。SAPはS/4HANA以外のERPに最新機能を追加するのを控える方針を示唆していることから、各製品のロードマップを注視する必要がある。
その他のERPベンダー
必ずしもSAPから優先的に購入する必要がない場合、S/4HANAの代替製品を検討する価値がある。SAPの競合であるOracleの主力製品「Oracle Fusion Cloud ERP」は、さまざまな機能を備えたクラウド型ERPの一つだ。Oracleの他の製品には、中小企業向けのクラウド型ERP「Oracle NetSuite」、製造業のユーザー企業が導入しているオンプレミス型の「JD Edwards EnterpriseOne」がある。
他のSaaSベンダーだと、WorkdayのERPは人事・財務分野に特化しており、サービス業の企業向けの製品となっている。一方、製品業の企業にとっては、サプライチェーン管理機能を備えたMicrosoftのERP「Microsoft Dynamics 365」が選択肢となる。
保守サポートを延長する方法
ECCのユーザー企業は、S/4HANAへの移行を条件に追加料金を支払えば、保守サポートを延長でき、2030年末まで従来のシステムを使用できる。
SAPやOracleがサポートを終了した後、代わりにサポートをする専門の企業もある。代表例であるRimini StreetやSpinnakerは、ECCの寿命を延ばし、拡張機能の開発を支援している。
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移行を成功させる重要なステップ
SAPとそのコンサルティングパートナーは、移行手法を決めるために要因を探るプロセス「フェーズゼロ」を提唱している。主要なステップは以下の通りだ。
- 現行システムの評価
- 検出評価または準備評価とも呼ばれ、既存のERP、そのデータ、影響を受ける業務プロセスを評価する。SAPの評価ツール「SAP Readiness Check」を使用すれば、評価を迅速化できる。ライセンスの料金やメンテナンスのコストも考慮する。IT部門はカスタムコードのインベントリ(一覧)を作成したり、マスターデータを分析したりする。
- アーキテクチャの見直し
- 既存のERPのモジュールをS/4HANAのモジュールで代替可能かどうかを検討し、どのモジュールを残すかを決定する。
- 将来像の具体化
- 従業員、部門長、経営陣、その他の関係者から収集した要件に基づき、新しいERPに求める機能を検討する。ERPの刷新によるコスト削減など、具体的な効果も試算する。これらの情報は、ビジネスケース(投資の妥当性を説明する資料)の作成に活用できる。
こうした初期段階の評価は、主にデータに焦点を当てる。現行のERPのデータを分析し、以下の通りに分類することが重要だ。
- ホットデータ
- 頻繁に使用するデータ。最初に移行し、S/4HANAのインメモリデータベースに格納する。
- ウォームデータ
- 使用頻度は低いが重要なデータ。S/4HANAのディスクストレージに移行する。
- コールドデータ
- ほとんど使用しないデータ。アーカイブする。
次に、データの重複やエラーを修正するデータクレンジングを実施する。SAPとそのコンサルティングパートナーが専用のツールや支援のためのサービスを提供している。
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移行パートナーの選び方
適切なパートナー企業を選ぶには、慎重な評価が必要だ。業界アナリストやコンサルタントは、導入パートナーに以下の内容を確認するよう助言している。
- 移行方法に関するノウハウや、データ移行ツールが充実しているかどうかを確認する。
- プロジェクトに何人を割り当てるか、そのうち専任で担当するのは誰かを確認する。
- S/4HANAの実装経験を示す認定資格を取得しているかどうかを確認する。
- 可能であれば同業種で、類似のプロジェクトの実績があるかどうかを尋ねる。
- 新しいシステムの稼働後のサポート内容と追加費用の有無を確認する。
- プロジェクトの遅延や予算超過が起きないことの保証を求める。
ロードマップに基づき、ユーザー企業の社内プロジェクトチーム、SAP、パートナー企業が密接に協力することで、S/4HANAへの移行を成功に導くことができる。
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