特徴的なキックスタンドが受けている
あのCMと同じ? 医療業界で「Surface」が選ばれている理由とは
タブレット市場のシェアがまだそれほど高くないといわれる「Surface」だが、医療現場での利用に便利な機能を搭載するなど、特定の市場ではiPadやAndroid端末よりも人気を集めているという。その理由とは?
「Microsoft Surface」の発表から1年7カ月、米Microsoftは、激戦市場への貴重な足掛かりをつかんだ。
成長を続けるタブレット市場では、米Appleの「iPad」と米Googleの「Android」端末の人気が依然として高く、Surfaceはまだ大きなシェアを確保できていない。だが、IT専門家たちによれば、医療分野など特定の垂直市場にSurfaceは向いており、特に「Surface Pro 2」は最適だという。
Surfaceが採用される最大の理由
Microsoftは先日、ヘルスケア分野の新規顧客として、米Aegis Living、米Community Health Accreditation Program、米シアトル小児病院、米海軍海兵隊扶助協会などを獲得したと発表した。
「垂直市場は重要な鍵となるだろう」と米モバイルコンサルティング会社Sepharim GroupのCEOで創業者のボブ・イーガン氏は話す。「Surfaceはおおむね成功しつつある」
SurfaceはWindows RT搭載モデルで混乱を招き、Surface Proに対する不評は、「バッテリー駆動時間が短い」「価格が高い」「“Windows 8”ユーザーインタフェースが分かりにくい「アプリが少ない」といった点に集中している。しかし、一部の垂直市場とそのユーザーに特化した業務では、こうした点はさほど問題にならないようだ。
IT担当者がSurfaceを選ぶ最大の理由は、自分たちの業務で既にMicrosoftアプリケーションを使っているということだろう。また、デジタイザペンやUSBスロット、それにあの特徴的なキックスタンドも、Surfaceが選ばれる大きな要因になっている。
「デスクトップPCではできなかったことがSurfaceなら可能になる。垂直市場ならこの点を“表面(サーフェス)に出せる”ということにMicrosoftは気付いた」と米ITコンサルティング会社Directions on Microsoftのリサーチ担当副社長ウェス・ミラー氏は話す。医療機関で現在使われているWindows機器の多くは、スタイラスやタッチスクリーン非対応だという。
ミラー氏によれば、MicrosoftはSurface ProをデスクトップPCの代わりとして売り込んでいるものの、企業が独自の業務用アプリを開発するためのガイダンスが不足しているとのことだ。
垂直市場で勝機を見いだしつつあるとはいえ、Surfaceはまだタブレット市場でAppleのiPadやAndroid端末に後れを取っているとみられている。
そんな中、Microsoftは間もなくSurface 2製品ラインに新モデルを投入する。2014年の早い時期にSurface 2のLTEモデルが発売される予定だ(編注:米国で3月17日に発表された)。
医療業界でSurfaceが選ばれる理由
米ワシントン州に拠点を置くAegis Livingは、同州とカリフォルニア州の29カ所で支援型高齢者住宅を運営している。同社では、紙ベースで実施していた入居者の投薬管理を、Surface RTタブレットを使う方式へ変えた。ミスの許されない領域だ。
Aegis代表デイビッド・エスケナジ氏によれば、同社が最も懸念したのは、MicrosoftはSurfaceを長期的にコミットするのか、かつての「Zune」のようになる心配はないのかという点だった。ここで引き合いに出されたZuneというデジタルMP3音楽プレーヤー製品は、わずか数年で製造中止になってしまったからだ(訳注:日本未発売)。
これまでのところ、エスケナジ氏はSurfaceの導入に満足しており、Surfaceによる業務効率向上に期待している。実際、職員がSurfaceの操作方法を1日足らずのトレーニングで覚えてしまい、同社のWebベースアプリを使えるようになったのを見て、同氏は驚いたという。
「最も重要だったのは、紙の処理による投薬ミスのリスクや、別の人間の手書きメモ、処方変更によってミスが起こる危険を減らすことだった」とエスケナジ氏は言う。
地域医療機関を認定する米非営利組織Community Health Accreditation Program(CHAP)は、それまで使っていた東芝製ノートPCとDell製タブレットに代わるものを探していた。
CHAPがSurface Proを選んだ理由は、現行のWindowsアプリケーションを使えること、面接中でも書類を書いたり見直したりできること、デジタイザペンを使ってメモを取ったりそれをテキストに変換したりできることだった。
「CHAPが目指したのは、文書化をより効率的で正確な作業にすることだった」と品質情報管理担当上級副社長トレシ・パジェット氏は話す。CHAPはストレージ容量が128GバイトのSurface Proを115台ほど購入し、そのほとんどを外勤スタッフに支給、10~15台のみを社内用とした。
「Surfaceでは当社の業務をそのまま反映させることができ、デスクトップ環境と違って車の中でメモを取るなどやりたい仕事を実現できる」(パジェット氏)
パジェット氏は、2013年のSurface Pro採用決定に先立ち、他のタブレットも調査したが、「開け閉めが滑らかでないタブレット、デジタイザペンが使えないタブレットを使いたいとは思えなかった」という。
デジタイザペンはCHAPにとって、ひいては医療業界全体にとって不可欠だ、とパジェット氏は話す。また、CHAPでは、同社独自のカスタムアプリケーションに対応する手書き文字入力アプリも使っているという。
CHAPのSurface Pro導入は全般に円滑に行われ、スタッフにとっては「Windows XP」からWindows 8への移行が一番大きな転換だったとパジェット氏は語る。Surface Proのハードウェアとソフトウェアに慣れてもらうために、CHAPでは丸1週間のトレーニングを実施したとのことだ。
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