「国際福祉機器展」イベントリポート【前編】
介護・福祉の現場を支えるWindows 8/RTデバイスの強みとは?
介護・福祉の現場でスマートデバイスを利用する動きが進んでいる。iPhone/iPadなどiOS端末が先行している印象もあるが、Windows 8/RTデバイスも充実してきた。その理由とは?
高齢者や障害のある人を支える介護・福祉の現場では、よりよいサービスの提供を支援するIT化が進められている。特に、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスを導入する動きが目立つ。
これまで訪問看護師や居宅介護スタッフなどに負担を掛けていたのは「看護やケアサービスの記録入力作業」だった。看護/ケアサービスの利用者宅ではバイタルサインや看護ケア、介護サービスの実施状況などを記録し、事業所に戻ってからはカルテや報告書、請求書などに重複する内容を転記する必要があった。また、利用者の状態や申し送り事項などの情報共有については、利用者宅に置いた連絡ノートに記入し、それをスタッフ間の情報伝達に利用。しかし、利用者の状況によって訪問予定が変更することが多く、外出中のスタッフへのタイムリーな連絡が難しいという課題もあった。
その解決方法として、現場スタッフがスマートデバイスを携帯し、事業所にある介護/福祉業務支援システムとリアルタイムに連携するシステムの採用が広がっている。多くの機器を持ちながら利用者宅に赴き、限られた時間内で処置を行う現場スタッフにとっては、携帯性に優れたスマートデバイスが適しているのだ。
2013年9月18日から20日まで東京ビッグサイトで開催された「第40回国際福祉機器展2013」では、そうしたスマートデバイス対応のIT製品/サービスが多く出展されていた。
医療分野では根強いファンが多いiPhone/iPadなどiOS端末の導入が先行している。今回のイベントでもiOS関連の製品/サービスも展示されていたが、Windows 8/RT関連の展示も目立っていた。本稿ではその一部を紹介する。
Windows Azureベースのクラウド型 「Blue Ocean Tablet」(ブルーオーシャンシステム)
ブルーオーシャンシステムは、福祉・医療分野向けSaaS型記録システム「Blue Ocean Note」のオプション機能として「Blue Ocean Tablet」を展示。Blue Ocean TabletはWindows 8/RTタブレット向けアプリケーションで、Windowsストアから無料でダウンロードできる。ただし、利用には別途購入したライセンスキーの入力が必要。
Blue Ocean Tabletでは、ケア記録の入力や照会を行う「フローシート」、チェック表形式で記録を一括作成・管理できる「チェック表」、各種アセスメントやリポート、評価票などの作成・照会を行う「レポートエディター」、温度板や食事・水分摂取グラフ、排せつチャートなどを表示する「グラフチャート」といった機能を搭載している。
入力データは「Windows Azure」を基盤とするクラウドサービスのデータセンターに保存される。写真や動画などの大容量のファイルも保存可能。また、Blue Ocean Tabletの記録内容はBlue Ocean Noteの申し送りや業務日誌、連絡ノートなどに自動的に転記され、重複入力の作業が不要となる。
1台で現場/事業所で切り替えて使用可能 「絆 介護情報タブレット入力オプション」(内田洋行)
内田洋行は、介護・福祉事業者向け業務システム「絆 高齢者介護システム」の入力オプションとして、Windows 8タブレット専用アプリ「絆 介護情報タブレット入力オプション」を提供している。このアプリは、介護現場ではタッチパネル操作で介護情報を入力できるタブレットアプリ、事業所ではキーボードやマウスを用いて高齢者介護システム本体の機能を活用できるデスクトップアプリとして切り替えて使用できる点が特徴だ。
絆 介護情報タブレット入力オプションでは「利用者別介護情報入力」画面で介護・福祉施設の利用者ごとの食事やケアといったサービス実施内容をタッチ入力で記録する。記録内容は絆 高齢者介護システムにリアルタイムに反映され、事業所における各種データの詳細な入力や請求書の出力などに利用できる。
絆 介護情報タブレット入力オプションは、Windowsストアから無償でダウンロードして有償のライセンスキーを入力した後に利用できる。絆 介護情報タブレット入力オプションで利用する絆 高齢者介護システムの機能については、事業所ごとに必要な機能を組み合わせて提供する。
その他、iPadでケア記録の入力が可能な「絆 高齢者介護システム 介護情報総合記録シート」や、デジタルペンで専用紙に手書きした情報を電子化して高齢者介護システムに反映できる「デジタルペン」など、絆 高齢者介護システムと連携する入力ソリューションが用意されている(関連記事:緊急医療に使えるデジタルペンは医療業界に浸透するのか?)。
ボタンタッチで入力が完了 「Care Online」(Care Online)
SJIのグループ企業であるCare Onlineは、介護記録/レセプト請求を一元管理するASPサービス「Care Online」において、Windows 8/RTデバイス向けタッチパネル入力機能を搭載した。
Care Onlineでは、事前設定した介護記録用テンプレートに従ってボタンを選択することで介護記録の入力が完了する。また、同社はタッチパネル専用端末も用意している。
Windows 8/RT対応デバイスの優位点
Windows 8/RTデバイスへの対応理由について、各ブースの担当者は「基幹となる業務支援システムがWindowsベースであり親和性が高い」「耐久性や防水性に優れていたり、ディスプレーを回転させてタブレットに変形できるなど端末の種類が多様であるため、用途に応じて最適な端末を選べる」点などを挙げている。
後編ではiOS、Android、デジタルペン関連の展示内容を紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選 -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] 無自覚なリスク 秘伝Excelファイルが監査の壁、不正・ミスの温床となる理由 -
製品資料
[日本オラクル株式会社] 戦略的経理の第一歩 失敗のない「脱Excel」を実現する秘訣とは? -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] いまさら聞けないオンプレERPとクラウドERPの違い 最適な製品をどう見極める? -
事例
[株式会社ビザスク] 連結売上高が約2倍に成長、富士フイルムが実践した新規事業創出の戦略とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
4
エンジニアの生産性はどう測る? マネジメントに不可欠な可視化の実現方法とは
-
5
「0.3秒のスピード顔認証」の入退室管理が社員に好評 事例に学ぶオフィス改革
-
6
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
7
「IoT通信環境の構築・運用」に関するアンケート
-
8
ただなのに「12時間以内の復旧」も要求 無償OSSに商用レベルを求める企業の末路
-
9
アラート疲れと手動対応を解消 EDR、SIEM、SOAR統合で注意すべきポイント4選
-
10
大阪証券取引所がHiRDBで実現した「世界トップレベルの応答速度」を誇る新売買システム
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
9
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー