Google Cloud Platformの機能を拡張
その名も「Andromeda」、GoogleのSDNコントローラーとは?
「Google SDN」が成長を続け、今ではネットワーク、ストレージ、コンピューティングのインフラを「Google Cloud Platform」にオンデマンドで提供できる拡張性を備えるまでになってきた。
米Googleは、社内で開発したOpenFlow/SDNスイッチング技術とコントローラーを自社のデータセンターで採用することにより、SDN(Software-Defined Network)分野を開拓した。そして同社は今、NFV(Network Functions Virtualization:ネットワーク機能仮想化)とSDNを「Google Cloud Platform」内で組み合わせている。これにより、ユーザーは個別の仮想ネットワーク上でコンピューティングとストレージの専用プールのプロビジョニングと管理が行えるようになる。
2014年3月初めに開催された「Open Networking Summit 2014」でGoogleの技術理事を務めるアーミン・バーダット氏は、ネットワーク仮想化/SDNコントローラー「Andromeda」を披露した。このコントローラーは「論理的に一元化されたコントロールプレーンとピアツーピア型分散データプレーン」を使用するという。
商用提供は?
Googleの方式は、仮想ネットワークオーバーレイの上に一元的コントローラーを配備するというもの。このコントローラーは、クラスタ化されたコンピューティングリソースおよびストレージリソースを接続する。仮想化プラットフォームであるAndromedaは、これら全てのリソースの一元的な把握とオーケストレーションに基づくプロビジョニングを可能にする。ユーザーは、例えば、1000個のポートが含まれる独立した仮想ネットワークを構築し、専用のストレージ/コンピューティングリソースを割り当てたり、パフォーマンス特性を個別に設定したりできる。
「われわれが提供するのはインフラだ。コンピューティングとストレージの専用リソースにアクセスするのは現在でも可能だが、最大の課題は、ストレージだけでなく、ロードバランシングメカニズム、サービス妨害(DoS:Denial of Service)攻撃防御機能、その他の各種サービスにもアクセスできるようにすることだ。これらのサービスはパッケージ製品として販売されていない」とバーダット氏は述べた。
Googleのクラウドの基盤にあるのは、ToR(Top of Rack)スイッチに関連付けられたコンピューティングリソースのスタックだ。同社はこれらの物理マシンの上に、仮想スイッチ、ソフトウェアNIC(Network Interface Card)およびクラスタルータを接続するネットワークオーバーレイとスイッチングファブリックを構築する。その中間に置かれるのが、パケットプロセッサ(ミドルボックス)である。バーダット氏によると、パケットプロセッサはQoS(Quality of Service)などのネットワーク機能を指定するタグをパケットに付けることを可能にするもので、ユーザーは「機能を即座に作成する」ことができるという。これらの最上層に位置するのが、オーケストレーションツールとして機能する仮想化プラットフォームのAndromedaで、これにより全面的な可視化とリソースのプロビジョニングを実現する。
Googleはこのインフラを利用して、独立した仮想ネットワークのプロビジョニングを行う。これらのネットワークには、それぞれ個別のIPアドレスとパフォーマンス特性が設定される。このIPアドレスは複数の仮想マシン(VM)に対応するが、Andromedaプラットフォームは各アドレス内のVMを起動/停止できる。
ロードバランシング、セキュリティ、QoSといったネットワークサービスは、ユーザーのニーズに応じて各VMに割り当てられる。バーダット氏によると、Googleは将来的に、パケットプロセッサを利用して、オープンなNFV API(Application Programming Interface)を提供し、必要に応じてユーザーがネットワーク機能を独自に組み込めるようにする予定だという。とはいえ、ほとんどのユーザーが必要とするのは一般的なネットワーク機能とサービスだ。「例えば、われわれがロードバランシング用として提供するサービスは、95パーセントのユーザーのニーズに合致するだろうが、自社で開発する必要があるユーザーもいるだろう」と同氏は語る。
ネットワーク機能のカスタマイズに加え、Googleでは自社のオーケストレーション/コントロールプラットフォームを使って、ストレージ、コンピューティング、ネットワークのプロビジョニングのバランスを最適化することにより、ユーザーのニーズに対応するスケーラブルな仮想環境をサポートする考えだ。このアーキテクチャの一部として、ストレージが切り離され、ブロックレベルのリソースではなくビルディングレベルのリソースとして扱われる。こうすることで、仮想コンピューティング/ネットワークリソースと同様に、ストレージもクラスタから柔軟にプロビジョニングできるようになる。
「仮想コンピューティングインフラを構築することにより、コンピューティング、メモリ、ネットワーク帯域、ストレージ容量をバランスよくプロビジョニングできる」とバーダット氏は説明する。「物理インフラは汎用コンピューティング向けだが、最適なバランスというのはアプリケーションによって異なる。仮想インフラでは、必要な箇所で必要なリソースをプロビジョニングすることが可能だ」(バーダット氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
“攻撃者優位”なサイバーセキュリティ、全ての「穴」をふさぐ方法とは? -
製品資料
実際に悪用される脆弱性は4%前後 優先的に対処すべき脆弱性を把握するには? -
製品資料
HubSpotの機能を拡張する法人データ活用法 -
製品資料
面倒で非生産的な「名寄せ」作業 高精度&高効率に実施するには? -
製品資料
名刺管理には「その先」がある 成果のでない営業活動から脱却する秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
-
2
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
4
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
5
IT業界で相次ぐ人員削減の“隠された理由”
-
6
ライオンが挑む「守りのIT」脱却:Google Cloudで加速させるデータ駆動型経営
-
7
ストレージへの高い投資対効果を目指す「ETERNUS DX S2」シリーズ
-
8
【専門家に聞く】シャドーAIや過剰共有のリスクを防ぎ、安全に生成AIを活用するポイントとは?
-
9
年収700万超エンジニアに共通するスキルと「もっと勉強すべきだった分野」
-
10
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
財務・会計はAI活用でどう変わる? 調査で見えた変革の道筋
-
3
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
「結局、一部の人しか使わない」 AI活用が業務に定着しない根本的な理由
-
7
コスト分析で見る「デバイス復旧」の代償 損失額から導きだされた投資戦略とは
-
8
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
9
ゼロトラストにおける「IDaaSの課題」と補完すべき重要機能とは?
-
10
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー