データ分析がより身近なものに
「Watson」だけが目立つ時代は終わった、5つの2016年分析トレンド予測(1/2 ページ)
「Watson」の応用進展やビッグデータ活用の普及など、動きが激しいデータ分析市場。2016年の分析市場はどのように動くのだろうか。
米調査会社International Institute for Analytics(IIA)は、2016年の分析トレンド予測リストを発表した。最近同社が実施したオンラインセミナーでは、IIAの共同創立者であり、米バブソン大学で情報技術と管理の特別教授を務めるトム・ダベンポート氏と、同社リサーチ部門のトップを務める元分析官のダン・マジェストロ氏が、分析トレンド予測リストについて議論した。進行役は同社で分析コンサルタントと研究員を務めるロバート・モリソン氏が務めた。
「このディスカッションには複数の企業や業界のリーダーと実務家が参加し、多くの共通する話題や緊急性の高いニーズを聞くことができた。このオンラインセミナーは、私たちが把握している分析トレンドに関する簡単な考えを示す絶好のチャンスだと思った」とマジェストロ氏は語る。
分析トレンドは年次を跨ぐ可能性がある。「人気の技術は、実装にも結果が出るのにも時間がかかるからだ」とダベンポート氏は言う。
IIAが発表した5項目の分析トレンドリストには、最新技術と未来予測が混在している。その内容は、2016年には分析がより一般的で日常的なものになることを示唆する。「分析をより日常的なものだと捕らえることは、分析が成熟していることの現れだ」とモリソン氏は自身の見解を示す。
IIAが発表した分析に関する5つの予測は以下の通りだ。
その1:コグニティブテクノロジーには自動分析が含まれる
最高情報責任者(CIO)は、過去の結果に基づいて分析する「自動分析」を「コグニティブテクノロジー(認識技術)」とは別のものだと考えるだろう。コグニティブテクノロジーは、米IBMの「Watson」に関連付けられることが多い。だが、2016年にはこの2つの区別が曖昧になっていくとダベンポート氏は見ている。
この2つを隔てる垣根は、既にかなり低くなっている。コグニティブコンピューティングの基盤となる、ロジスティック回帰やディープラーニング(深層学習)といった多くの分析に関するテクノロジーは、既に分析の専門家にもよく知られている。コグニティブテクノロジーは、企業が必要としている多くの機能と多くの分析に関するテクノロジーを組み合わせる方法である。「コグニティブテクノロジーの目的は、知識のボトルネックを軽減し、人間が実際に理解できるよりも多くの情報を活用するためだ」とダベンポート氏は言う。
この予測はCIOや分析の専門家にとって朗報となるだろう。ほぼ全ての企業でデータは大きな役割を果たしているものの、経営陣は今でも物事の決定時に分析結果以外の基準に依存する傾向にある。コグニティブテクノロジーにより自動意思決定機能を備えた複数のツールを組み合わせ、その実力を示せば、経営陣は分析結果を避けることができなくなるとダベンポート氏は指摘する。
その2:プロセスに組み込まれた分析のマイクロサービス
従来、分析は機能のパッケージとして考えられることが多かった。だが、徐々に1つの特別な分析技術が、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を通じてシステムやプロセスに組み込まれることが増えている。この分析トレンドは2016年も継続するとダベンポート氏は予想する。
「Watsonに関心のある人は、WatsonがQ&A方式のアプリケーションではないことをご存じだろう」とダベンポート氏は語る。現在、Watsonは、テキスト分析、テキスト翻訳、採点など、32個のAPIを提供している。
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