ある設計会社の取り組み
デジタルリーダーを育てるためにIT部門は何をすればいいのか(1/2 ページ)
Arcadisは建設業界の顧客にとってのデジタルリーダーを目指している。そのためには、IT部門とビジネス部門にはどのような連携が必要だろうか。その点について、同社のCIOジャスティン・ライト氏に話を聞いた。
ジャスティン・ライト氏はArcadisで北米と中南米地域を担当するCIOだ。同社は、設計やコンサルタントを行う一流のグローバル企業で、その収益は35億ドルを超える。同氏は建設業界におけるArcadisの顧客がデジタルディスラプターに対応できるように備えなければならないと主張する。高度なテクノロジーを使用して、コスト超過や資材不足など、業界の弱点に対処する必要があるというのだ。また、拡張現実やドローン、センサーのようなデジタルテクノロジーが建設業界にもたらすビジネスチャンスについても語っている。
ライト氏がArcadisに入社したのは2007年だ。それ以降、2018年1月にCIOに就任するまで、マーケティングや顧客開発など、業務に直結する分野で、さまざまなディレクターレベルや幹部の職務を経験してきた。また、アリゾナ州立大学のW.P.キャリー・スクール・オブ・ビジネスでMBA(経営学修士)を取得している。
Arcadisでは、グローバル設計において顧客のデジタルリーダーになる取り組みを行っている。本稿では、90人のスタッフを抱えるライト氏のIT部門がその取り組みの進展と実現をどのように支援しているかについて話を聞いた。
編注:このインタビューは抜粋になります。
IT部門はデジタル戦略をサポートする態勢を整えなければならない
――Arcadisではデジタル変革にどのように取り組んでいますか。
ライト氏 当社には、イノベーションの実現と新しいテクノロジーの創生に専念する主導的立場の人材がいる。こうした人材はIT部門とは別のチームで活動しているが、扱うのはテクノロジーだ。多くの企業と同様、デジタル化の優先度は高い。そのため、個々のチームが個別の戦略を立てている。私が直接率いる90人のスタッフが、他国に在籍する他のIT担当者や、テクノロジーのイノベーションに重点的に取り組む他のスタッフと連携を図っている。全員が連携することで当社の戦略を推し進めている。
――このイノベーショングループの活動とIT部門の関係性を教えてください。
ライト氏 こうした取り組みは重点的戦略として行っている。そのため、Arcadisにはグローバルデジタルリーダーがいる。グローバルデジタルリーダーのチームは各地域のデジタルリーダーで構成され、地域のデジタルリーダーのチームは特定分野に重点を置いたスタッフから構成される。例えば、チーフデータサイエンティストやイノベーションリーダーといった肩書を持つスタッフだ。会社がリーダーシップに投資することこそが、デジタル目標を推進する。
IT部門はデジタル戦略をサポートする態勢を確実に整えなければならない。IT部門は接続性、ハードウェア、ソフトウェアに重点を置く。だが、今後社内で必要になるツールやサービスについて前もって考えておくことも必要だ。それがIT部門との連携となる。
私は、同じ立場にいるデジタル化の北米責任者と毎週ミーティングを行っている。IT部門とデジタルチームが足並みをそろえて正しい方向へ進んでいることを確認し、スタッフ同士が意見を交換できるようにするためだ。また、必要になることを予測し、そのための予算確保も行えるようにする。IT部門はデジタルチームと連携して環境を用意している。新しい製品、プラットフォーム、サービスの開発という点では、IT部門がデジタルチームに協力してそれらを実際の製品へと変え、通常業務としてそれらを運用する。
――IT部門がイノベーションを担当しているわけではないのですか。
ライト氏 イノベーションはIT部門の主な役割ではない。当社が投資するのはデジタルリーダーチームで、IT部門はサポートの役割を果たす。製品開発に関してはIT部門が最も重要な役割を担う。
――会社のデジタル変革の取り組みをサポートする中でのIT部門の役割は何ですか。
ライト氏 IT部門には、この業界でデジタルリーダーになるための準備を進めるように伝えている。デジタルリーダーになるために動くということだ。テクノロジーを利用してArcadisの顧客が抱える最大の問題を解決できるようにすることで、そうした取り組みを行う。だが、明かりが消えないようにすることも必要だ。例えば、Microsoftの「Skype」のような基本的なサービスを用意することで、世界中の従業員同士がつながりを維持できるようになる。
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