サービスへの移行を明確に示したMicrosoft
オンラインOfficeスイートをめぐるMicrosoftとGoogleとIBMの戦い
クラウド型Officeスイート分野でGoogleに後れを取ったMicrosoftの強みは、Googleよりも企業の心情を理解でき、Googleには提供できないものを提供できる点だ。
Microsoftはこのほど米ミネソタ州政府を顧客として獲得した。これで2つのことが確実になった。すなわちGoogle Appsの担当者は胸が焼ける思いをし、Microsoftは冬にはマイナス25度になる地に誰をサポート要員として転勤させるかでくじ引きをする。これは、Microsoftに提供できてGoogleには提供できないもの──つまり大規模ネットワークとそのデータセンター施設との、インターネットを離れたセキュアな接続──の提供という点で重要だ。この「エンタープライズクラス」のセキュリティこそ、Googleがつかもうとして苦労しているもののようだ。
Microsoftがエンタープライズで一勝
ただしここで一勝を挙げても、Microsoftが獲得しているオンラインユーザーは、GmailとGoogle Appsのユーザーに比べればほんのわずかにすぎず、Microsoftはデスクトップからクラウドへの移行で多くの成功を収めてきたGoogleに追い付こうと必死だ。そこでBusiness Productivity Online Services(BPOS)の評判を上げるため、MicrosoftはSunoco、Volvo、Coca-Cola、DuPontといった真の国際大手を含む多数のBPOS新規顧客を発表することにより、作られた栄光に身を包んだ。
Microsoftはエンタープライズで金脈を掘り当てたというのも1つの見方だが、別の見方をすれば、前述のGoogle Apps担当者の胸焼けは、恐らく異例の速さでかいようへと進行したはずだ。
Microsoftは20代そこそこのJavaプログラマー集団よりも、顧客企業の心情をよく理解している。従って今回の勝利にはさほど意外性はないが、Microsoftのクラウド推進について、同社がBPOSで素早い動きが取れることを示すものではある。Microsoftはここで明確に、直接的なライセンス販売モデルからサービスへと移行する姿勢を示し、それをうまくやってのけた。栄光であれ何であれ、これでもまだWindows Meの埋め合わせにはならないのだが。
IBMの反応は
ところが、関連ニュースがIBMから出てきた。同社の新サービスLotusLiveは、2009年1月に控えめな宣伝を行って幾つかの大手顧客(米一般調達局、パナソニック)向けに提供を開始したものだが、同サービスに強化型の文書管理、Lotus Notes機能、新しいセット価格などを盛り込んだパッケージが発表された。これがソーシャルコラボレーションのはやり言葉を並べ立てたものであるのは確かだが、実際のところニュース性はない。なぜIBMはわざわざ、Microsoftの大掛かりな自画自賛の後でニュースを出そうとしたのだろうか。
Microsoftによれば、BPOS顧客の70%は競合するプラットフォームからの乗り換えであり、大半はIBM Lotus Notesからだという。
なるほど、これで説明がつく。MicrosoftはオンラインOfficeコラボレーションの分野でIBMの皿に食いつき、Googleは非エンタープライズのオンラインOfficeコラボレーション分野でMicrosoftの皿に食いついた。競争で脅かす輪が出来上がったというわけだ。
本稿筆者のカール・ブルックス氏はSearchCloudComputing.comの技術ライター。
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