ホワイトペーパーレビュー
「人材不足……」と嘆く前に読みたい3つのホワイトペーパー
企業の成長を左右する人材。優秀な人材を採用し、企業戦略に合わせて育成、効率的に管理するにはどうすればいいのか。人材不足を悩む企業にお薦めする人材管理関連のホワイトペーパーを紹介する。
言うまでもなく人材は企業が競争力を高めていくための鍵である。優秀な人材はリーダーシップを発揮し、新しい製品やサービスを開発し、パートナーシップを広げていく。しかし、人材の質は数値化が難しく、企業の人事部門は優秀な社員の獲得や育成に悩み続けているのが現状だ。特に最近は企業の海外進出や人材の多国籍化が進み、人材管理がさらに難しくなってきている。人材管理を高めるポイントの1つは人材管理システムの活用だ。人事業務を効率化するだけではなく、優れた人材活用を行うにはどうすればいいのか。人材不足解消のポイントを解説するホワイトペーパーを3つ選んだ。
タレントマネジメントで向上する企業業績
人材は英語で「ヒューマンリソース」という。人材管理システムは、この人というリソースの価値をどう高めて、社内に最適に配置するかに注力している。その中で最近のトレンドは「タレントマネジメント」。社員ごとに最適な育成計画を策定し、リアルタイムにモニタリングをして、企業戦略の方向性に合致した人材に育てていくことを目指す機能だ。
ここで紹介するホワイトペーパーは世界の233社に対して行った人材管理についての調査結果を説明する内容だ。調査対象の企業を「優良」「業界平均」「下位」の3つに分けて、人材管理システムの活用が業績にどのように反映されているかを調査した。優良企業の83%には、今後どのような人材が必要になり、どう育成をしていくかという人材計画がある一方で、下位企業では13%だった。また、優良企業では1.09日で全社の正確な社員数を把握できるのに対して、下位企業では5.36日かかった。人材管理システムが全社網羅的ではなく、部分的しか使われていないことがうかがえる。
ホワイトペーパーでは調査結果から優良企業の特徴を挙げている。その1つは「組織の将来のニーズを理解するため、人事およびタレントマンジメントデータを他の組織データと統合し、ツールを活用してギャップ分析を行い将来のシナリオのモデルを作成することが可能」という内容。企業戦略と人材戦略の一致、人材の戦略的な育成の重要性を指摘している。
サイゼリヤのパート、アルバイト従業員管理
人材管理のトレンドはもう1つはある。それはパートやアルバイト従業員の増加だ。特にサービス業や流通などの現場では欠かせない戦力になっている。一方、パートやアルバイト従業員は正社員とは異なる就業、給与スタイルとなっていることが多く、人材管理システムとしては応用が求められる。ここで紹介するホワイトペーパーは、サービス業や流通業における人材管理システムの事例を多く紹介している。パート、アルバイト管理における課題とその解決策を示す。
イタリア料理レストラン「サイゼリヤ」を運営するサイゼリヤの課題はパート、アルバイトを含む約2万3000人の業務処理をいかに少人数で効率的に行うか、ということだった。また、労務管理におけるコンプライアンスの確保のために人材管理体制の高度化も必要だった。この課題を解決するために人事管理パッケージを導入。人事業務が簡便になり、少人数による管理が可能になった。また、システム化をすることでコンプライアンス体制も整備されたという。
スーパーマーケットチェーンを展開するライフコーポレーションの課題は大阪と東京で別々の給与管理システムを使っていて、情報の一元化や人材の統合的な管理・活用ができていなかったことだった。人事給与パッケージを導入することで、この問題を解決。人事管理の業務が効率化されたことで、店舗での人事管理についての負担が減り、販売に集中できるようになった。
人材のライフサイクル管理を可能に
ITシステムと同様に人材管理においてもライフサイクルに基づく管理が重要といわれる。つまり、人材の採用から配置、必要な権限付与、給与支払い、育成、昇進、退職と、1人の従業員が社内で経験する人事関連の業務プロセスを一貫して管理することが求められているのだ。これは人材という貴重なリソースを効率的に業務に活用すること、そして情報漏えいなどセキュリティ上の事故を防ぐ上でも必要といわれている。ただ、現状、多くの企業では採用や配置、権限付与、育成などが別々のシステムで行われていて、統合的に人材が管理されていない。これでは社内に優れた人材がいても、その適材適所が分からず、活用されない可能性がある。
このホワイトペーパーでは、人材のライフサイクル管理を構築していない企業が、BPM(ビジネスプロセスマネジメント)に基づく人事業務のプロセス管理製品を導入し、各業務を効率化した事例を紹介する。BPM製品を導入したのは3万2000人の従業員がいる大手食品店チェーン企業で、北米と英国に166店舗を展開している。
この企業は急速に成長しているために人材の新規採用が増大し、その採用プロセスの効率化が課題になっていた。具体的には実際の採用業務は店舗マネジャーが行うにもかかわらず、分断されたシステムを使っていたために、本社の人事部門が人事業務の細かな処理まで行う必要があり、処理に時間がかかっていた。また、人事業務に関連する本社と店舗のコミュニケーションはファクスで行う必要があり、作業ミスも発生していた。
この大手食品店チェーン企業はBPM製品を導入することで、人事業務のセルフサービス化を実現。本社の人事部門に依頼しなくても、現場スタッフが自ら人事業務を申請できるようにした。導入したBPM製品は入力された情報の自動チェック機能もあり、作業ミスも減ったという。入力された申請がどのような承認状態にあるのかというステータス管理もリアルタイムで行えるようになり、本社の人事部門にとっても統合的な管理が可能になった。ホワイトペーパーによると、人事業務の処理時間を従来と比較して90%削減できたという。
BPMについての関連記事
人事業務のプロセスが分断されているのは、これまでプロセスを横断して管理できる製品がなく、採用、給与、学習管理などのポイントソリューションしかなかったためだ。しかし、全社員を管理できるERPパッケージやBPM製品が登場し、人材管理のかつての常識は大きく変化している。「わが社の武器は人」といいながら、人材管理システムに投資をしていない企業は多い。限られたリソースを最大限生かすためにもシステムによる統合的な管理は必要だろう。
人材管理に関連する他のホワイトペーパーはホワイトペーパーダウンロードセンターで読むことができるので、参照してほしい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ホワイトペーパーレビュー
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー