医療現場で役立つiPad/iPhone対応システム:ユー・アイ・エス
問診入力を楽にするiPad対応問診システム「Medical TQ」
医師が診断の手掛かりを得るため、診察前に患者は現在の病気の経過や状況、家族の病歴などに関する問診票に回答する。大切なことだとは分かっているものの、その記入を面倒だと感じたことはないだろうか。
医療の現場では、在宅医療や救急医療などの院外診療にも対応する携帯電話やスマートフォンといった汎用的なモバイル端末が導入されつつある(関連記事:スマートフォンの利用で患者治療の効率はどう改善されるか)。また、電子カルテシステムにはモバイル端末と接続が可能な製品も登場している。その中でも、特にiPad/iPhoneを利用する医療現場が増えている。現在、iPad/iPhone用医療関連アプリケーションは患者情報や医療画像、医学教育、薬剤参照など4000種類以上存在する。
本連載では、そうした医療現場で使えるiPad/iPhone対応システムやアプリケーションを紹介する。今回はユー・アイ・エスのiPad対応問診管理システム「Medical TQ」を取り上げる。
問診に関するさまざまな負荷を軽減
Medical TQは、2011年6月に販売を開始したクリニック向け問診管理システム。来院患者の受付から問診票の回答、医師への回答結果の情報伝達までを電子化することで、一連の業務の効率化を支援する。
ユー・アイ・エス 取締役 企画・営業担当 伊藤則幸氏は「従来の紙ベースによる問診業務の負荷を軽減することを目的として開発した」とし、問診業務では以下のような課題があると説明する。その上で「Medical TQを導入すると、クリニックの問診業務における作業負荷と来院患者の入力負担などを減らすことができる」と語る。
紙ベースの受付問診業務における主な課題
- 問診用紙の印刷コストや手間
- 保管スペースの問題
- 質問事項のフォーマット変更の手間が掛かる
- 用紙の文字が見づらいと感じる患者への負担
- 問診内容を電子カルテに手入力で転記する作業
- 診察室に案内するまでに時間がかかる
クラウドベースの問診システム
Medical TQを導入した場合の問診業務の流れを紹介しよう。まず来院患者の受付時にiPadを貸し出し、患者自身が問診項目に回答する。その問診結果はクラウドサービスのデータセンターに保存され、インターネットに接続した端末の管理用Web画面で問診結果を表示したり、貸し出したiPadの管理などを実施する。医療スタッフは問診結果をシステムに転記するといった作業の手間が省ける。また、問診票の内容をPDF形式で出力したり、電子カルテなどの他システムに連動させることで診察室にいる医師と情報共有を行う。
iPadならではの操作性
Medical TQによる問診回答では、基本的に患者自身が1ページに付き1問ずつ回答する形式を取る。小児の患者の場合は付き添いの父母が入力し、年配の患者の場合は看護師が入力を補助する運用を想定している。また、問診回答は画面に表示された症状や既往歴などの項目、シェーマ図を用いた部位を選択するなど画面をタッチすることで完了する。
さらにキーボードやペンによる文字入力も可能で、住所入力では郵便番号検索などの補助機能を搭載している。
Medical TQの特徴として、伊藤氏は「本人自筆入力が可能な点」を挙げている。インフルエンザの予防接種同意書などの各種書類作成に利用できる。
診療科目ごとの問診テンプレートを提供
Medical TQでは、診療科目ごとに使用頻度の高い質問事項をまとめた9種類の基本テンプレートを用意している。
Medical TQの基本テンプレート(9種類)
内科、整形外科、皮膚科、婦人科、小児科、耳鼻咽喉科、耳鼻咽喉科(花粉症)、脳神経外科、糖尿病外来
テンプレートの質問数は10~15問あり、それを基に質問内容や回答候補の設定変更などのカスタマイズが可能だ。例えば、プルダウンメニュー内の項目や複数回答、自由記述といった記入方式、質問項目の並び順などの設定変更を実施できる。また、問診票には既往歴などの情報も病名、薬剤、アレルギーなどを登録でき、初診用、再診用といった問診票の種類も追加できる。
問診データを他システムと連携
Medical TQの問診結果はPDF形式で出力する。また、XML形式のデータ出力もでき、電子カルテやレセコンなどの他システムにデータを反映させることも可能だ。現在、シィ・エム・エスの電子カルテシステム「Doctor's Desktop」に直接データを取り込むことができ、シームレスな連携を図っている(関連記事:国際モダンホスピタルショウで見た、ITが変える医療の未来像)。ユー・アイ・エスでは今後はさらに連携対象となる電子カルテを拡張していく予定だ。
電子カルテ関連コンテンツ
問診業務のクラウド化
Medical TQの導入に関しては、iPadとインターネット接続環境があれば専用サーバを設置する必要がない。また、データはクラウド上で管理し、iPadやクライアントPCにはデータが残らない(関連記事:なぜ、医療クラウド市場は急速に拡大しているのか?)。管理画面以外で閲覧する場合は、パスワード付きPDF形式で情報をやりとりする。
伊藤氏は「クリニックによってはインターネット接続を許可していなかったり、導入している電子カルテがインターネット利用を制限している場合もある。その場合には、自社サーバの設置や電子カルテとの連携インタフェースの提供などのサポートを行う」と説明する(ただし、システム構成によっては別途費用が発生する可能性がある)。
Medical TQの初期導入費は不要で、1テンプレート当たりの月額使用料が3000円から。自院でiPadなどのハードウェアを用意しており、基本機能のみを導入する場合は、申し込みから3営業日以内で運用可能だという。
システム連携機能を強化
今後の展開について伊藤氏は「PDFやXML以外のデータ形式にも対応し、連携する電子カルテやレセコンの種類を増やす。また、予約システムといった関連システムとの連携機能も搭載していきたい」と話す。
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医療現場で役立つiPad/iPhone対応システム
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