ニッチな市場がターゲット?
サーバ仮想化の専門家4人が語る、クライアント版Hyper-Vの価値
Hyper-VはWindows 8にも搭載される。米TechTargetのサーバ仮想化アドバイザリーボードのメンバー4人が、このHyper-Vのメリット/デメリット、使い方の可能性について考察する。
Hyper-Vクライアントハイパーバイザーは、米Microsoftが9月にDeveloper Previewを公開した次期Windows(コードネーム:Windows 8)の最も話題になっている新機能の1つだ。
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Hyper-Vクライアントハイパーバイザーにより、ユーザーはWindows 8マシンでレガシーOSやアプリケーション(以前のバージョンのInternet Explorer:IEを含む)を実行できる。アプリケーションの非互換性は、Windowsの新バージョンへのアップグレード時に顧客が直面する大きな問題の1つだが、Hyper-Vクライアントハイパーバイザーは、この問題の解決に威力を発揮すると期待されている。
しかし、Hyper-Vクライアントハイパーバイザーには懸念材料もある。ライセンシングの複雑さやコスト、ハードウェア要件、パフォーマンスの問題が、企業IT環境でこの技術を使用する上でネックになるかもしれない。
以下では、米TechTargetのサーバ仮想化アドバイザリーボードのメンバー4人が、Hyper-Vクライアントハイパーバイザーのメリット/デメリット、使い方の可能性について述べる(同アドバイザリーボードは、サーバ仮想化技術の専門家であるシステム管理者とコンサルタントで構成されている)。
Hyper-Vクライアントハイパーバイザーが仮想化管理者にもたらす影響
Hyper-Vクライアントハイパーバイザーは、仮想化管理者にとってどう役立つか、仮想化市場におけるMicrosoftの全体的な地位にどう影響するかを考察した。
ロブ・マクシンスキー氏(Dartmouth-Hitchcock Medical Center勤務)
最大のポイントは手近さだ。業界専門家が行うであろう機能やパフォーマンスの綿密な比較の結果を知ることは重要だが、サーバ側のHyper-Vと同様に、Hyper-Vクライアントハイパーバイザーの最も重要な特徴は、OSに搭載されることだろう。Webブラウザで多くのユーザーがIEを使う理由も、OSに用意されているからだ(MicrosoftがHyper-VをWindows 8に搭載しても、独禁法違反に問われないことを願おう)。
Windowsデスクトップは至るところで使われている。Windows 8の普及が進むとともに、Hyper-Vクライアントハイパーバイザーは、管理者がダウンロードや追加の出費なしで自由にアクティベートできることから利用が広がるだろう。それに伴って、Hyper-Vサーバハイパーバイザーの導入にも拍車が掛かるはずだ。クライアントハイパーバイザーと仮想マシン(VM)のフォーマットおよびエクスポートの互換性があるからだ(少なくとも、Microsoftはこうして導入が加速することを期待している)。人間関係では、身近さや親しみやすさが、誰と友人として付き合うかを左右することが多いが、製品との付き合いもそれに似ている。クライアント側のHyper-Vの出来が良く、少なくともそこそこフレンドリーであれば、Microsoftはサーバ側でも新たなユーザーを開拓できる可能性が高い。
CJ メッツ氏
クライアントベースのハイパーバイザーは、コンピューティングに対するわれわれの見方をもう一度変えるだろう。現在のサーバベースの仮想環境と同様に、クライアントハイパーバイザーは、デスクトップコンピューティング体験を大幅にシンプルにする。このハイパーバイザーの大きなメリットの例として、仮想デスクトップのスナップショットを取得できる機能や、仮想デスクトップを物理ハードウェア間で移動できる機能が挙げられる。これらの機能により、デスクトップを職場と自宅の間で移動したり、開発作業中に変更を迅速にロールバックしたりできる。
しかし、クライアント仮想化には制約もある。例えば、同じハードウェアで複数のOSを動かすようになると、ライセンシングに関する考慮点も増えることになる。だが、私の意見では、クライアント仮想化のメリットは、特にIT管理者にとっては、コストよりもはるかに大きい。
シャノン・スノーデン氏(New Age Technologies勤務)
Windows 8に搭載されるHyper-Vクライアントハイパーバイザーは、非常にニッチな市場がターゲットだろう。それは、アプリケーションストリーミングやWebベースアプリケーション、ターミナルサーバ、VDI(仮想デスクトップインフラ)の組み合わせが適さない市場だ。私は、クライアントハイパーバイザーは、デスクトップやアプリケーションの統合された総合的な仮想化戦略の一部だと思う。しかし、クライアントハイパーバイザーをホストするマシンは、企業デスクトップでもパーソナルデスクトップでも、大規模な処理能力とローカルストレージを必要とする。これは、サーバベースのデスクトップ仮想化に最適な仮想デスクトップデバイスとほとんど正反対だ。
クライアントハイパーバイザーは、ストリーミングやVDI技術よりも、GhostやAltirisのような既存のデスクトップイメージングソリューションと競合することになるのではないか。
デーブ・ソーベル氏(Evolve Technologies勤務)
クライアントハイパーバイザーは、Hyper-Vプラットフォームに対するMicrosoftのコミットメントを示している。クライアントハイパーバイザーの登場により、Hyper-VのVMのフォーマットや管理システムがエンドツーエンドで標準化される。そのため、Windowsデスクトップをステージングやテストのプラットフォームとして使うことが可能になる。また、顧客は、あるVMから別のVMへと簡単に切り替えられるようになる。管理者も、クライアントOSに多数組み込まれるHyper-Vの管理機能を利用でき、そのおかげで管理が容易になり、トレーニングも円滑に進むようになる。
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