Windows 8で機能拡張されるHyper-V【前編】
Windows 8クライアント版に搭載されるHyper-Vの重要な新機能とは?
Hyper-Vは、Windows 8でクライアント版に搭載されるだけでなく、機能が大幅に拡張される。米Microsoftのブログ「Building Windows 8」に記載されたHyper-Vの重要な新機能を紹介する。
米Microsoftによる「Building Windows 8」ブログの定期的な更新のおかげで、同社の次期クライアントおよびサーバOS(関連記事:Microsoft、コードネーム「Windows Server 8」の詳細を発表)に何を期待できるのかが次第に分かってきている。
これまでのところ、同社のスティーブン・シノフスキー氏が2011年9月7日に投稿したマシュー・ジョン氏の執筆記事「Bringing Hyper-V to "Windows 8"」("Windows 8"へのHyper-V導入)ほど、刺激的で興味深い記事はないだろう。この記事には、Hyper-V(Windows Server 2008で導入され、Windows Server 2008 R2で強化された)のアップデート版が、Windows 8のクライアント版とサーバ版の両方に搭載されると記されている(シノフスキー氏はWindows&Windows Live担当プレジデント、ジョン氏はHyper-Vチームのプログラム管理者)。
Windows 8関連記事
- ここまで分かった、Windows 8で追加される新機能
- Windows 8の発表を急いだMicrosoftの焦りの正体
- Windows 8とKinectの統合がもたらす8つのシナリオ
- 見えてきたWindows 8 驚きの全貌とは(TechTargetジャパン電子ブックレットEPUB)
本稿では、この新しいHyper-V(関連記事:拡張型仮想スイッチの改善に期待、Hyper-V 3.0の新機能)の機能や、クライアント版Windows 8へのHyper-V搭載が重要な理由および2012年に一般発売予定のWindows 8の導入展開にHyper-Vがどのような影響を与えるかを見ていこう。
Hyper-Vはどう変わるか
Microsoftの以前の仮想マシン(VM)ソフトウェア(具体的には、「Microsoft Virtual PC」や「Microsoft Virtual Server」)とは異なり、Hyper-Vは、米VMwareのVMware ESXiや米Citrix SystemsのCitrix XenServerと同様のタイプ1ハイパーバイザーだ。タイプ1ハイパーバイザーは、物理コンピュータのハードウェア上で直接動作し、ゲストOSのセットアップと管理を行う。そのために、ネイティブハイパーバイザーやベアメタルハイパーバイザーと呼ばれることもある。
Windows 7までのクライアントOSには、タイプ1ハイパーバイザーは搭載されてこなかった。Windows 7までのOSを搭載するコンピュータで仮想マシン環境を利用するには、Windows内で多数のプログラムの1つとして動作する仮想マシンマネジャーを使わなければならなかった。一方、同社のサーバOSでは、「Windows Server 2008」でHyper-Vの最初のバージョンが組み込まれ、タイプ1ハイパーバイザーの機能が利用できるようになった。この最初のバージョンのスタンドアロン版である「Microsoft Hyper-V Server 2008」もリリースされた。この製品は、コマンドラインインタフェースからシェルコマンドで操作するようになっていた。
Hyper-Vは「Windows Server 2008 R2」で強化され、メニュードリブンインタフェースが導入された。このインタフェースでWindows 7またはWindows Server 2008 R2コンピュータにさまざまな管理コンソールをダウンロードして利用できる。
Windows 8では、Hyper-Vが同OSのクライアント版にも搭載されるだけでなく、機能が大幅に拡張されることになっている。前述したBuilding Windows 8ブログの記事では、同OSに搭載されるHyper-Vの重要な機能が次のように説明されている。
- Windows 8では、「複数の32ビットまたは64ビットのx86 OSを同時に」1台のクライアントコンピュータで動かせるようになる
- Microsoftは、「Web開発者をサポートするため、以前のバージョンのInternet Explorer(IE)を組み込んだ事前構成済みの仮想マシン」を提供する。他のアプリケーションや、ことによると以前のOSを組み込んだ同様の仮想マシンも提供されるかもしれない
- Hyper-VのDynamic Memory機能は、必要に応じてメモリ割り当てを増減できる。ユーザーは、「4GバイトのRAMを搭載したマシンでは3つから4つのVMを実行できるが、5つ以上のVMを実行するには、より多くのRAMが必要になる」とされている
- ジョン氏は、Hyper-Vが「32個のプロセッサと512GバイトのRAMを搭載した大きなVMを作成することが可能」と述べているが、これはサーバ専用の機能と思われる。現在の最も高スペックのワークステーションPCでも、物理プロセッサコアは最大12個で、RAMは48~96Gバイトだ。これは、上記の32プロセッサと512Gバイト RAMというHyper-Vの上限をはるかに下回っている。もっとも、2~4個のプロセッサコアと、各コア当たり4~8GバイトのRAMを搭載するVMが数多く作成されることも考えられる。その場合は、全体として大量のリソースが使用されることになる。こうしたVMのスペックは、現在のクライアントコンピュータを大きく上回るものだ
- Hyper-Vの最新版では、VMから仮想HDD(.VHDまたは.VHDXファイル)と実際の物理HDDの両方を利用できる。VHDは、ネットワーク上のファイルサーバに置くこともでき、これはIT担当者にとって、共有用のVMの共通ライブラリを作成、保守するのに役立つ
上記は、強力で使い勝手の良い仮想化技術が、少なくとも一般的なWindows 8クライアントコンピュータで利用できるようになることを示している。
Windows Server 2008で搭載されたHyper-Vの関連記事
後編では、Windows 8のHyper-Vで必要になるライセンスとシステム環境について扱う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Windows 8で機能拡張されるHyper-V
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー