医師の掌に分析を
モバイルBIが医療機関に普及し始めているわけ
スマートフォンやタブレットといったモバイルプラットフォームでBIを活用できる環境が整ってきた。医療機関従事者のためにモバイルBIの機能、使い方を紹介する。
近年、ビジネスインテリジェンス(BI)はますます多くのモバイルプラットフォームからアクセス可能になっている。モバイルBIアプリを使えば、ゲージやダッシュボード、スコアカード、重要業績評価指標(KPI)などの情報をスマートフォンやタブレットで入手できるため、多くのBIベンダーは「どこにでも持ち運べるBI」という点をモバイルBIアプリの一番の売りにしている。医療機関の幹部は大概、出歩く機会が多いため、こうしてダッシュボードにアクセスできれば、出先でも最新のデータを入手して証拠に基づく意思決定を下すことが可能だ。
なぜモバイルBIは便利か
かつて、ほとんどのBIツールはデスクトップアプリかWebポータルを介してデータへのアクセスを提供していた。今ではベンダー各社ともモバイルプラットフォーム専用のアプリを提供しており、ユーザーは自分の端末から直接さまざまなダッシュボードやチャートにアクセスして、データのドリルダウンを行えるようになっている。
モバイルBIアプリには、他にも幾つかメリットがある。
データの視覚化
ネイティブまたはWebベースのアプリを使ってチャートにアクセスすれば、最新のリポートが提供される。
リアルタイムのフィードバック
モバイルアクセスにより、データをリアルタイムで確認できる他、トレンドやデータに変化があった場合に直ちにアラートを受け取れるため、速やかな対応が可能となる。
データのドリルダウン
モバイルBIアプリの中には、タブレットなどのモバイル端末にパフォーマンス情報を提供するものもある。これにより、例外的な事象や何か特定の情報に関連する原因を深く掘り下げ、詳細を把握できる。
使い勝手の良さ
多くのモバイルBIツールは、GUIで使えるようになっている。こうした製品は直観的なナビゲーションとカスタマイズが可能なダッシュボードが評価され、出先でビジネス上の重要な決定を下すためのツールとして好んで使われるようになっている。
モバイルBIは、医療分野の多くのプロフェッショナルが直面している難題の多くを解決する。データに直ちにアクセスできるからだけでなく、使い勝手が改善されたことで、データの閲覧や操作が負担ではなくなるからだ。
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モバイルBIの使い方
現在、モバイルBIアプリの提供方法には以下の2通りがある。
1つは、ホステッド型のバックエンドデータリポジトリを備えたBIアプリのパターンだ。多くのベンダーは顧客にホステッド型のBIサービスを提供している。こうしたベンダーはサブスクリプションモデルを提供することで、データの操作や分析がオフサイトで行われている際にはBIパッケージの一環としてモバイルアプリ経由でデータへのアクセスを提供できる。こうしたベンダーの中には、特定市場の顧客に対し、同業他社との比較分析を提供しているところもある。
もう1つは、BIアプリが組織や企業のプライベートリポジトリに接続するパターンだ。大きな組織は独自にデータウェアハウスを実装する傾向にあるため、こちらのパターンの方が一般的だ。組織には、BIプラットフォームの一環として、データリポジトリに接続するモバイルアプリが提供される。
お勧めできないモバイルBIアプリ
BIパッケージのモバイル対応をアピールしているBIベンダーは多いが、中にはお勧めできない製品もある。例えば、モバイル端末にグラフを表示することはできても、その他の点では非常に限られた機能と使い勝手しか提供しないような製品だ。こうしたツールは真のモバイルBIアプリとは呼べない。例えば、以下のようなアプリがこれにあたる。
- データやサブチャートのドリルダウンを行えない、平面的なリポートしか提供しないアプリ
- OLAP(オンライン分析処理)ソースに接続しないアプリ
- ダッシュボードのカスタマイズやプロファイリングを行えないアプリ
- ゲージ、スコアカード、KPI、棒グラフ、トレンディング、レーダープロッティングといった、一般的なデータ視覚化機能をサポートしないアプリ
- 従来のWebポータルへのアクセスしか提供せず、iOSやAndroidなど、ユーザーが使い慣れているモバイルプラットフォームのネイティブなルック&フィールに対応していないWebベースのアプリ
モバイルBIはどこへ向かっているのか
BIベンダーは常に自社製品に加える差別化要因を探している。モバイルBIアプリに対する関心は常に最優先というわけではないからだ。最近のリリースに含まれている新しい機能には、以下のようなものがある。
スマートシステムレスポンス
このプッシュ通知機能は、特定のデータトリガに基づき、特定のユーザーにフィードバックやアラートを送信する。
比較分析
顧客のデータを同業他社(社名は非公開)のデータセットと比較できる。
ドメイン特有のデータ
最近は、医療機関向けにベストプラクティスを提供したり、プリセットされたダッシュボードやしきい値を提供したりするBIベンダーが増えている。これにより、顧客には比較の基準値や便利なウィジェットセットが提供される。
全体的には、モバイルBIツールの目的は業務データを視覚的に活用することにある。実際、モバイルBIツールの採用は広まりつつあり、ユーザーが出先で特定の状況を把握したり対処したりするのに役立てられている。またこうした軽量のデータ分析機能を医療機関の幹部が利用すれば、臨床治療や財務、コンプライアンス、経営などのパフォーマンスに関する情報を出先でも視覚的に確認できる。ただし、市場に出回るモバイルBIアプリが増える中、組織にとっては、適切なモバイルソリューションを選択するための適切なステップを踏むことが非常に重要となっている。
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