調査で明らかになったモバイルBIの導入意欲
モバイルBIを重視するも企業規模で異なるモバイル端末導入意欲
調査によって企業がモバイルBI導入を重視していることが分かった。しかし、小規模企業や大規模企業に比べて、中規模企業はモバイル端末導入に消極的だという。その理由とは?
米Gartnerの元アナリストで米Dresner Advisory Servicesの創業者のハワード・ドレスナー社長は、2010年に米Appleが初代iPadをリリースしたのを機にモバイル市場が非常に熱気を帯びたと感じた。携帯端末が進化し、その影響力が高まったのを受けてドレスナー氏は2010年の調査計画を変更し、モバイルビジネスインテリジェンス(BI)をめぐる状況──その重要性、人々の期待、ユーザーとソフトウェアベンダーとの間の潜在的ギャップなど──を調査対象に含めることにした。
ドレスナー氏は現在、このテーマに再び取り組んでいる。同氏は2011年11月、3回目のモバイルBI調査(市場の急速な変化のため、最初の報告から半年後に2回目の調査を実施)の結果を発表した。今回の調査では、モバイル市場が相変わらず活気付いており、導入・配備を計画する企業が増えているという状況が示されたが、モバイル利用企業がBIを重視していることなど、意外な発見もあったという。
「iPhoneとAndroid端末の功績は、携帯電話を非電話、そして非電子メールプラットフォームに変えたことだ」とドレスナー氏は指摘する。「それらは情報端末であり、アプリケーション端末なのだ」
こういった端末から情報とアプリケーションにアクセスする機能は、企業にとって重要性が増しており、従業員の間で普及が進んでいる。ドレスナー氏の最近の調査結果によると、170社の回答企業の68%が、モバイルBIが業務に「不可欠」あるいは「非常に重要」だと答えた。2010年の調査でそう答えたのは52%だった。逆に、モバイルBIは「重要でない」と答えた回答者の割合は、2010年の11%から2011年の2%に減少した。調査で用意された質問は28問で、回答者はDresner Advisory Servicesの顧客の他、TwitterやLinkedInなどのソーシャルメディアサイトから募集した。
重視されるモバイルBI
モバイルアプリケーションの優先順位を尋ねた質問では、BIは11項目の選択肢の中で3番目に重要だという結果になった。最も優先順位が高かったのは電子メール、その次は個人情報管理(アドレス帳、予定表など)だった。
「BIはもう少し優先順位が低いと思っていた。意外なことに、ソーシャルメディアにアクセスする機能はBIよりも順位が低かった」とドレスナー氏は話す。
ドレスナー氏の調査の結果は、米Gartnerの見解とも一致する。Gartnerが2011年11月に公表した報告書は、「タブレットは個人用プロダクティビティツールという枠を超え、管理可能でセキュアなアプリケーションへのアクセスを提供するようになった」として、商用ビジネスアプリケーションの分野でBIをトップ10内にランクしている。
Gartnerの予測によると、平凡なアプリケーション以外の用途にも携帯端末を利用するという傾向は今後も続き、タブレットとスマートフォンを合わせた2011年の売り上げは、PCを44%上回る見込みだ。
「携帯端末がBIの重要性を高めているのか、それともBIが携帯端末の重要性を高めているのか。これはニワトリが先か、卵が先かという議論に似ている」とドレスナー氏は話す。
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いずれにせよ、企業は携帯端末のBI機能を非常に重視している。特に、社外でビジネスの状況を把握する必要がある経営幹部の多くがBI機能を求めている。
「多くの経営幹部は基本的な表示機能を求めている。彼らは、KPI(重要業績評価指標)へのアクセス、指標が基準を外れた場合に通知する機能、報告書を表示する機能などを必要としている。しかも使い勝手、直感性、アクセス性に優れているものを望んでいる」とドレスナー氏は語る。
さらに同氏によると、企業では経営幹部に携帯端末を持たせようという動きが活発化しているという。「経営幹部がその価値を理解すれば、従業員にとってのメリットを説明するのが容易になるからだ」と同氏は語る。
企業規模によって異なる導入意欲
ドレスナー氏の調査では、広範な業種の企業が携帯端末の導入に関心を抱いているものの、導入計画の実施に関しては企業規模によって違いがあることが分かった。
同氏の調査によると、携帯端末の導入に関心が高く、最も意欲的な計画を持っているのは従業員数が100人以下の中小企業だった。その次に意欲的なのが、従業員数が5000人以上の大企業という結果だった。
ドレスナー氏によると、小規模企業の場合は社内での合意形成が容易であるのに対し、大企業で多数の従業員を対象とした導入計画を実施するには、細部にわたる議論を行い、特定の手続きに従う必要があるという。
しかしそのハードルを乗り越えてしまえば、大企業には携帯端末を導入するのに必要なリソースがある。しかし中規模企業の場合は、それが必ずしも当てはまるわけではなく、このカテゴリーに属する企業は比較的保守的なアプローチを採用している、と同氏は指摘する。
「中規模企業は小規模企業ほどの俊敏性がなく、また大企業ほど多くのリソースを持っていないので、消極的になりがちだ。このため、彼らの計画はそれほど意欲的なものではない」(同氏)
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