他のアプリケーションに比べればまだまだ後れているが、モバイルBIの需要は今後急速に高まることが予想されている。既にモバイルBIを採用している事例を見ると、先進的なCIOの姿がうかがえる。
モバイル版のBI(ビジネスインテリジェンス)アプリケーションの採用は、その他のモバイルアプリと比べると後れを取っている。その理由はインタラクティブなリポートを小さな画面に配信する技術的な難しさから、セキュリティに関する懸念、投資回収率(ROI)の提示まで、多岐にわたる。
タブレット端末は文書の書式を扱いやすいため、今後はタブレット端末の採用が進むにつれ、モバイルBIの需要も急速に高まることが予想されている。しかもそれはiPadを愛用する経営幹部の間だけの話ではない。独立系コンサルタント会社の米Dresner Advisory Servicesが先ごろ、モバイルBIについて200人のITリーダーを対象に行った調査では、「2年後にはユーザーベースの4分の1が専らモバイル端末経由でBIを使用するようになっている」と予想する回答者が全体の約70%を占めた。「ユーザーベースの半数がそうなる」と予想した回答者も全体の25%に上った。また調査会社の米Forrester Researchは、モバイルBIアプリへのアクセスに使用する端末としては、向こう3〜5年間でモバイル端末がノートPCを上回ると予想している。「企業は“いつでもどこからでもアクセスできる”というコンピューティング戦略にBIを組み込むべく、今すぐにでも行動を起こさなければ、取り残されることになりかねない」とForresterのアナリスト、ボリス・エベルソン氏は指摘する。
米中古車オートローン販売会社Dealer ServicesのCIOを務めるクリス・ブラディ氏には、「モバイル端末が急増した職場にはモバイルBI戦略が必要」という説明は不要だろう。同氏のデスクには、各種のコンピューティング機器が溢れている。BlackBerry、iPhone、Windows Mobileフォン、Dell Streakタブレット、そして私物のiPadまでだ。「確かにこれら全部が必要というわけでないだろう。でも、どれも気に入っている」と同氏は言う。
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