一般的なBIツールは、膨大なデータをDWHで一度整理してからデータマートやOLAPキューブを構成する集計処理が必要だ。人工知能でも用いられる連想技術を使い、集計処理なしに高速分析を可能にするBIツールを紹介する。
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1993年にスウェーデンで創業し、現在は米国ペンシルベニア州のラドゥナーに本拠地を置くQlikTech。同社は、設立当初にオフィスを構えていたスウェーデンのルンド大学と共同で研究開発を行っていたテクノロジーを基に、その特許を保持してビジネスインテリジェンス(BI)製品の開発に取り組んだ。「ユーザーが多次元データをクリックするだけで分析結果が表示できる」という意味で名付けられたBI製品「QlikView」は、1997年に発表されたQlikView 3.15を皮切りに、2000年代にはワールドワイドで成長著しいBI製品の1つとして評価されるまでになったという。
2009年3月に日本への本格参入を開始したQlikTechは、国内総代理店だったサイロジックをQlikView Japanとして任命。その後、営業活動を本格化する中、サイロジックを統合する形で2010年1月に日本法人のクリックテック・ジャパンを設立している。
クリックテック・ジャパンの代表取締役 垣田正昭氏は、「QlikViewこそ開発者が集計作業の呪縛(じゅばく)から解放される唯一のBIだと信じて、どうしても日本に普及させたかったのです」と語る。
企業が分析を行う場合、一般的なスクラッチ開発では、勘定系基幹システムの詳細データを基に集計処理を行ってデータマートを構成することで分析フロントエンドを構築する。これは一般的なBIツールも同様だ。基幹系の詳細データはETLを介してデータウェアハウス(DWH)でいったん整理し、集計処理を行ってからデータマートやOLAPキューブを構成して、ユーザーインタフェースへとつなげる。ともにやっかいな集計作業が避けられない。しかも、スクラッチ開発や一般的なBIツールでは、新たな分析軸が必要になった場合、集計処理からデータマート、OLAPキューブ、フロントエンドまですべて作り変えなければならないこともある。
QlikViewは、基幹系の詳細データを集計処理なしに独自の理論で超正規化し、直接QlikViewのドキュメントファイルに変換することで高速な分析が可能になるという。「QlikViewではデータマートやOLAPキューブを設計する必要がなく、これらの機能に拘束されません。仮に、20億件の大容量POSデータでも問題ありません」と垣田氏は言い切る。
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