BI普及のポイントは「使い勝手」、現場に根付くツール選びをエキスパートに聞く情報系システム導入の現状:BI/OLAP編

分析環境整備のためにBI導入を検討する企業が増えている。BIツールの最近の方向性や導入状況から、真にユーザーが求めるBIツールを考える。

2010年12月13日 08時00分 公開
[吉村哲樹]

効率的に収益を上げる手段としてのBIに注目が集まる

株式会社アイ・ティ・アール
リサーチ統括ディレクター
シニア・アナリスト
生熊清司氏
専門分野:データベース、BI、DWH
外資系コンピュータメーカーを経て、コグノスの日本法人の立ち上げに参画。1994年より日本オラクルにて製品マーケティングを担当した後、コーポレート・マーケティング部門の責任者、アナリスト・リレーション部門の日本代表などを歴任。2006年より現職。現在はデータベースやSOA、クライアント、グリーンITなどの分野を担当し、ユーザー企業のクライアント戦略立案やITベンダーの事業戦略、マーケティング戦略立案などのコンサルティングに携わっている。

 2008年のリーマンショック以降しばらくの間、企業のIT投資意欲は低下の一途をたどっていたが、その中でも比較的好調といえる分野が「ビジネスインテリジェンス(BI)」や「OLAP」「データウェアハウス(DWH)」などのデータ分析ソリューションだ。調査会社アイ・ティ・アールが毎年実施している「IT投資動向調査」でも、多くの企業がこの不況の中、データ分析のためのITソリューションに対しては積極的な投資を行う姿勢が見られた。

 本連載のDWH編「大量データの高速処理化が進むDWH、積極化するユーザー企業の投資意欲」では、2009年の調査結果を紹介したが、以下の図は2010年秋に実施した最新調査の結果の一部だ。見て分かる通り、「データ分析」は2010年度の注力度も高いものであったが、2011年度に向けてはさらに伸び、上位2項目に肉薄している状況がうかがえる。


画像 国内ユーザー企業のアプリケーション分野への注力度指数の変化(出典:ITR「IT投資動向調査2011」)。「購買・調達」「PDM/PLM」は、本調査から項目を追加した分野のため、2009年度の注力度指数は反映されていない《クリックで拡大》

 なぜ今日、BIやOLAPが企業の注目を集めているのだろうか? アイ・ティ・アール リサーチ統括ディレクター/シニア・アナリストの生熊清司氏は、次のように考察する。

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