具体的な発売時期は未定だが
Microsoftのアプリケーション仮想化ツール「App-V 5.0」の新機能
Microsoftが2012年4月初めに発表したアプリケーション仮想化ツール「Application Virtualization(App-V)」の新機能を紹介する。仮想化されたアプリケーションでも物理マシンと同等の性能が得られるという。
米Microsoftは2012年4月初めに、アプリケーション仮想化ツール「Application Virtualization(App-V)」の新版を発表した。新版となるバージョン5.0では統合を強化し、仮想化されたアプリケーションでも、物理マシンにインストールした場合と同等のパフォーマンスが得られるようになった。また、ストレージ要件を軽減する新機能や、柔軟なWebベースの管理インタフェースも導入される。
App-V 5.0は、現在β版テストの段階だ。App-VはアプリケーションをパッケージングしてOSから分離し、オンラインであるかどうかや端末の種類を問わずにアプリケーションを配布できるようにするツールで、Microsoft Desktop Optimization Pack(MDOP)のコンポーネントの1つだ。
米調査会社IDCのアナリスト、ブレット・ウォルドマン氏は「Microsoftは(App-V 5.0によって)アプリケーション仮想化を阻んでいた要素の幾つかを解消している」と話す。
「App-V 5.0を使うと、アプリケーションはネイティブ(物理マシン)にインストールされているかのように動く。前バージョンと比べると、驚くこと請け合いだ」とウォルドマン氏は言う。
App-Vに関する記事
App-V 5.0の新機能
App-V 5.0 βでの目玉の1つは、ローカルストレージを無効にできることだ。これで、アプリケーションのプロビジョニングと更新プロセスを変えることなく、仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)のディスク要件が緩和される。
英Kingston Universityのシステムアーキテクトで、Microsoft App-Vのユーザーでもあるダン・ボルトン氏は、「仮想デスクトップの観点では、デスクトップのフットプリントを最小限にでき、ディスクのIOPSも抑えられる」と言う。
また、新版では、ストリーミングするアプリケーションとローカルにインストールするアプリケーションを指定できるようになり、これもストレージ要件の緩和につながっている。
オランダのLogin Consultantsでアプリケーション仮想化コンサルタントを務めるラルフ・ジャンセン氏は、ローカルストレージを無効にできることは、VDIにとって非常にメリットが大きいと話す。同氏は、「多数のアプリケーションを運用している大企業では特に、ローカルキャッシュにアプリケーションのコピーを保持するための領域が大量に必要であるため、ローカルストレージを無効にできればストレージ費用を劇的に削減できる」と指摘する。
App-V 5.0で新に導入された管理オプションでは、Microsoft Silverlightを使ったApp-Vアプリケーションの展開、追跡、サービスが可能になり、IT担当者はインターネットを介して管理コンソールにアクセスできる。
その他には、次のような変更がある。
- アプリケーション診断情報が読みやすくなった
- QドライブをApp-V用に確保する必要がなくなった(多くの企業がQドライブを既に使用しており、問題になっていた)
- App-Vエージェントが、一般的なエージェントと同じようにインストールされるようになった
App-V 5.0 βはWindows 7/8をサポートする。これには、DirectAccessを介してアプリケーションとWindowsの更新プログラムをシームレスにストリーミングする機能のサポートも含まれる。
ジャンセン氏は、「DirectAccessを使ってWAN経由でパッケージをストリーミングできるのは、モバイルワーカーにとって非常に便利だ。この機能がなければ、セキュリティで保護されていない接続かVPN接続、またはリムーバブルディスクを使ってパッケージを取得しなければならない」と話す。
DirectAccessの関連記事
App-V 5.0は、Windows 8環境をUSBメモリに保存して携帯できるようにする新機能「Windows To Go」やAppLockerとも連係するため、不正なアプリケーション使用も防止できる。
App-V 5.0の最終リリースはMDOPに組み込まれる予定だが、具体的な時期は発表されていない。MDOPには他にUser Experience Virtualization(UE-V)という新しい仮想化ツールも追加されるが、価格は変更されない見込みだ。UE-Vは、移動ユーザープロファイルと同様のプロファイル管理ツールで、より充実したデスクトップ仮想化関連機能を提供する。
他のMDOP関連の話題としては、Asset Inventory Services(AIS)機能が2013年4月3日で提供中止になることが発表されている。AISの代わりには、Systems Center Configuration ManagerまたはWindows Intuneが使用できる。
Microsoftのデスクトップ仮想化製品管理担当ディレクターのカリ・アレクシオンティアナン氏は「顧客は環境の簡素化を望んでいる。管理ツールは少なければ少ないほどよい。Systems Center Configuration ManagerはAISと同等の機能を提供する」と話す。
Microsoftによると、これまで3970万本のMDOPライセンスが販売されており、顧客の多くはApp-VやMed-VなどのMDOP仮想化ツールを使用してWindows 7のアップグレードを実施しているという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
“攻撃者優位”なサイバーセキュリティ、全ての「穴」をふさぐ方法とは? -
製品資料
実際に悪用される脆弱性は4%前後 優先的に対処すべき脆弱性を把握するには? -
製品資料
HubSpotの機能を拡張する法人データ活用法 -
製品資料
面倒で非生産的な「名寄せ」作業 高精度&高効率に実施するには? -
製品資料
名刺管理には「その先」がある 成果のでない営業活動から脱却する秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
2
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
4
なぜ人はいるのにDXが進まない? ライオンも直面した“老害”レガシーシステム
-
5
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
-
6
マンガで解説:KSK2稼働で何が変わる? 税務調査の高度化に備えるデータ管理
-
7
「0.3秒のスピード顔認証」の入退室管理が社員に好評 事例に学ぶオフィス改革
-
8
脱VMwareに待った? AI基盤を掲げるBroadcomの思惑と情シスが直面する新コスト
-
9
レガシーコードを捨てJavaで勘定系を再定義 ソニー銀行、フルクラウド化の全容
-
10
継続利用は4割どまり M365 Copilotが「効く業務」と期待外れの境界
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
4
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
5
コスト分析で見る「デバイス復旧」の代償 損失額から導きだされた投資戦略とは
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
「結局、一部の人しか使わない」 AI活用が業務に定着しない根本的な理由
-
8
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
9
3分で分かる経理DX 富士通が約20%の業務効率化を実現した方法とは
-
10
ランサムウェア攻撃を“二重の防御構造”で防ぐ、クラウド型基幹システムの実力
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー