SMB向けバックアップソフト紹介:シマンテック
3クリックでバックアップジョブを作成できる「Symantec Backup Exec 2012」
シマンテックの中堅・中小企業向けデータ保護ソフトウェア「Symantec Backup Exec 2012」は、直感的なUIや3種類の重複排除方式、仮想環境での細かいリカバリ設定でバックアップの効率化を支援する。
より簡単なバックアップを目指す
シマンテックが2012年3月に提供を開始した中堅・中小企業(SMB)向けデータ保護ソフトウェア「Symantec Backup Exec 2012」(以下、Backup Exec 2012)は、2010年から提供していた「Backup Exec 2010」をメジャーアップデートした最新バージョンだ。
シマンテック プロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャ 浅野百絵果氏は「Backup Exec 2012は従業員数1000人以下の企業をメインターゲットとしているが、拠点ごとにサーバを設置して個別管理している大企業の採用も多い」と語る。
バックアップ環境の普及状況について、浅野氏は「業務のITシステムへの依存度が高くなり、その普及率は上がっている。日本ではこれまでデータベースのシステム構築と併せてSIerがバックアップ環境を構築することが多かった。Backup Exec 2012はユーザー企業の管理者やIT専任者のいない企業によるバックアップの設定や運用を想定し、より簡単にバックアップするために機能の拡張や改良を行った」と説明する。
インタフェースを大幅に刷新
Backup Exec 2012は、バックアップの対象サーバにエージェントをインストールし、バックアップの保存先となるメディアサーバを設置するというシステム構成だ。アプリケーションやシステム全体のデータを、統一ポリシーに基づいてメディアサーバでバックアップの統合管理を行うことで、管理作業や運用コストを抑えられるメリットがある。
Backup Exec 2012では管理画面のユーザーインタフェースを刷新。通常、バックアップの管理画面はジョブ単位の表示が基本となる。Backup Exec 2012はバックアップ対象のサーバ単位で表示し、これをドリルダウンすることで各ジョブの詳細な情報も確認できる。サーバ単位の表示について、浅野氏は「ユーザー視点でのモニタリングを可能にする画期的な機能」と説明する。
また、バックアップジョブの作成はウィザード形式になっており、3クリックでジョブを作成できる。「フルバックアップを週次、増分バックアップを日次で実行する」という典型的なスケジュールはシマンテックの推奨テンプレートを利用できる。
3つの重複排除方式を提供
バックアップのデータ量を削減し、ネットワークの負荷やストレージ全体のコスト効率を高める「重複排除」技術。Backup Exec 2012は3種類の重複排除方式をオプションで提供している。
| 方式 | 概要とメリット |
|---|---|
| OpenStorage(OST)対応ストレージと連動した重複排除 | OSTのAPIに対応する重複排除ストレージと連携。ストレージ側でデータの重複排除を行い、そのカタログデータをメディアサーバで統合管理する。既存のインフラやサーバに変更を加える必要がない |
| メディアサーバでの重複排除 | 重複排除をメディアサーバで行い、バックアップに必要なストレージ容量を抑えることができる |
| エージェント側での重複排除 | バックアップ対象サーバにインストールしたエージェントで重複排除を実施。ネットワーク転送容量を抑え、バックアップ処理時間を短縮することができる |
浅野氏は「バックアップソフトの重複排除はその対応の有無だけで判断されがちだが、各製品が提供する方式は異なる。3種類の方式を提供するのは当社製品だけで、企業システムの形態に合わせて適切な方式を選択できる」と語る。例えば、メディアサーバと保護対象サーバが別拠点にある場合、データ発生源に近い場所で処理を行う「エージェント側での重複排除」を推奨しているという。
東日本大震災を踏まえて、BCP(事業継続計画)/DR(災害復旧)への企業の関心は高まっている。「システム障害による事業中断を防ぐためには、遠隔地にデータを保管する必要がある。Backup Exec 2012が提供する重複排除を使うと、遠隔地へのバックアップをより簡単に実現できる」(浅野氏)
Backup Exec 2012では、メディアサーバと同一構成のサーバを遠隔地に設置するとバックアップのデータ同期が可能になる。それにより、重複排除機能によって最小限の転送量でDR用リモートサイトを構築できる。
仮想環境のバックアップ課題も解決
コストの削減やリソースの有効活用などを目的に、仮想化技術を導入する企業が増えている。その一方で、仮想環境のバックアップ運用に課題が出ている。例えば、1台の物理サーバで複数の仮想OSが稼働することにより、サーバにバックアップ処理の負荷が掛かってしまう。また、管理対象が増加することでバックアップの管理作業も増している。加えて、特定のファイルやフォルダ単位でのリカバリが困難になるという課題もある。浅野氏は「Backup Exec 2012では、仮想環境だからといって特別な管理・運用は不要」と説明する。
バックアップによるサーバ負荷を軽減
Backup Exec 2012ではオプション機能「VMware & Hyper-Vエージェント」を利用することで、VMware vStorage API for DataProtection(VADP)やHyper-Vなどと連携。メディアサーバに仮想マシンをマウントしてバックアップを実行し、ハイパーバイザーが稼働する物理サーバの負荷を軽減する。
物理/仮想環境を統合管理
Backup Exec 2012では物理環境と仮想環境を単一のインタフェースで統合管理する。また、VMware vMotionとHyper-Vライブマイグレーションに対応しており、新規で追加された仮想マシンのバックアップ設定を自動化できる。
さらにサーバに障害発生した場合、同社のバックアップ/リカバリソフトウェア「Symantec System Recovery 2011」で培った技術を搭載したシステムリカバリ機能「Simplified Disaster Recovery」を利用できる。従来は障害が発生したサーバと同スペックのハードウェアのみが復元可能だったが、SDRによって、物理サーバから仮想マシンへの変換など障害が発生したシステムとは異なる環境でも復元できるようにした。
メール1通からでもリカバリ可能
Backup Exec 2012ではオプション機能「アプリケーションGRT(Granular Recovery Technology)」を利用することで、Microsoft Exchange ServerやSharePoint Server、Active Directoryといったアプリケーションに対する細かいリカバリが可能だ。例えば、ゲストOSで稼働するMicrosoft Exchange Serverのメール1通だけのリカバリもできるという。通常、こうした細かい単位でリカバリを実施するためには、アプリケーションごとに個別のバックアップジョブを作成する必要がある。Backup Exec 2012では、1回のバックアップでデータベースやゲストOS全体から個別アプリケーションまでのリカバリにも対応できる。「バックアップ回数を減らし、ストレージ容量の節約などにも効果がある」(浅野氏)
次期OSへの対応や仮想環境における機能拡張を予定
Backup Exec 2012の販売価格は15万4200円から(メディアサーバ1台の最小構成)。今回のバージョンでは、Exchange Serverなどの特定アプリケーションを保護するオプション機能を標準搭載した小規模環境向け「Symantec Backup Exec 2012 Small Business Edition」(サーバ台数3台まで)、データ容量を1Tバイト単位で使用できる大規模環境向けのライセンス「Symantec Backup Exec 2012 Capacity Edition」なども提供している。
同社は今後、Windows Server 2012、Windows 8などの次期OSや仮想環境における機能拡張を進める予定だ。
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