2011年01月18日 08時00分 UPDATE
特集/連載

脚光を浴びる重複排除、存在感を示し続けるテープバックアップ/リカバリ技術の2011年を展望する

バックアップ/リカバリの専門家が、VMware、重複排除技術、テープなど、幾つかのキーワードに絡めて2010年を振り返り、2011年を展望した。

[Curtis Preston,TechTarget]

 2010年には、バックアップ/リカバリの分野でさまざまなことが起きた。まず、VMwareに対応した本格的なバックアップ/リカバリソリューションがようやく登場してきた。重複排除機能(ソース側とターゲット側)も、さまざまなベンダーから登場しつつある。その一方でテープもまだ健在だ。CDP(Continuous Data Protection:継続的データ保護)およびその兄弟分であるNear CDPも、企業の業務環境に導入され始めた。そして仮想化の振り子は、ディスクがテープのように振る舞うという方式からテープがディスクのように振る舞うという方式へと一気に傾いた。

VMwareのバックアップ:まだ改善の余地あり

 まず、VMwareの話から始めよう。米VMwareは「vSphere」をリリースした。これは一から再設計された製品で、データ保護用のAPIを備えている。その前世代製品である「VMware Consolidated Backup」(以下、VCB)とは異なり、「vSphere vStorage APIs for Data Protection」は2段階のバックアップとリストアを必要とせず、VMwareイメージをブロックレベルでインクリメンタル(増分)バックアップできる。これはVCBと比べると大きな進歩だが、リリース当初、Windows Server 2008ではアプリケーションと整合性のあるバックアップが行えないという大きな制約があった。VMwareは2010年末までにこの制約に対処したが、vSphereで採用されているVSSバックアップタイプ(VSS_BT_COPY)は依然として、バックアップが正しく行われたどうかをアプリケーションに通知しないため、アプリケーションはトランザクションログを削除するといったことができない。だが、この制約も間もなく解消されるものと思われる。

 VMwareは仮想マシンのバックアップの制約の多くに対処したものの、改善あるいは強化すべき余地はまだあり、サードパーティーのVMwareバックアップ製品に市場参入機会を与えている。従来、米Quest Softwareの「vRanger」がこの分野の唯一の製品だったが、2010年後半には競合製品に追い抜かれた。米Veeamが、仮想マシンの即時リカバリとバックアップの自動テスト機能を備えた「Backup and Replication 5.0」をリリースしたのだ。PHD Virtual Backupも、ソースベースの重複排除やVMwareバックアップの長期保存用テープのワンパスリカバリなど多数の新機能を追加した。VMwareの人気の高さに加え、多くのユーザーがそのバックアップで苦労している現状を考えれば、2011年もVMwareのバックアップ分野から目が離せない。

データ重複排除が脚光を浴びた1年

 2010年はデータ重複排除技術の年でもあった。全ての重複排除技術ベンダーがシステムの販売台数をかつてなく伸ばし、どのベンダーも例外なく、その収益の一部を自社のシステムの速度と能力をさらに改善するために投資した。この分野の最大の勝者は米EMCだ。同社は2009年に米Data Domainを買収したのに伴い、バックアップ製品のみに専念する新部門を設立した。EMCはこの市場への本格参入を果たし、広範な企業向けに重複排除製品の販売を開始した。多くの競合ベンダーも四半期ごとに売り上げを伸ばしているのは事実だが、その数字はEMCの足元に及ばない。EMCが販売する「Data Domain」も「Avamar」も完璧とまでは言えないが、いずれも強力な製品であることは間違いなく、さらに強力な販売部門がこれらの製品を支えている。

 重複排除技術は2010年、新たな分野にも進出した。EMCの「NetWorker」、米CommVaultの「Simpana」、米IBMの「Tivoli Storage Manager」(TSM)、米Symantecの「Backup Exec」はいずれも、統合型重複排除製品の提供を開始した。EMCとSymantecは、自社の他の重複排除製品と連係するという手段によってそれを実現した。一方、CommVaultとIBMは、一から新機能を開発することによって実現した。これらの製品は、大規模なターゲット重複排除システムのような速度や拡張性を備えていないかもしれないが、そもそもこういった高価なシステムに手が出せなかった多くの企業に重複排除技術を提供するものだ。

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