Hyper-V環境のバックアップ/リカバリ手順を紹介した3つのホワイトペーパーホワイトペーパーレビュー

本稿では、ハイパーバイザーの1つである「Windows Server 2008 Hyper-V」環境におけるバックアップやリカバリ手順などを記載した3つのコンテンツを紹介する。

2010年12月14日 08時00分 公開
[翁長 潤,TechTargetジャパン]

 現在、多くの企業がサーバ仮想化による物理サーバの集約・統合を進めている。仮想化環境を構築することで管理対象となるサーバ台数が減るなど、その運用コストの削減効果も期待できる。しかし、自然災害や人的エラー、マシン障害などによる「システム停止」のリスクは伴う。企業の事業継続性を考えると、できる限り迅速に復旧しなければならない。そのため、システム管理者は仮想環境に適したバックアップやリカバリなどの対応策を事前に検討・準備する必要がある。

 そこで本稿では、Windows Server 2008 Hyper-V(以下、Hyper-V)仮想化環境におけるバックアップやリカバリ手順などを記載した3つのコンテンツを紹介する。仮想化環境の管理に頭を抱える管理者の参考になれば幸いである。

SMB環境を対象にしたHyper-V環境の障害復旧手順

photo 提供:シマンテック(22ページ)

 本ホワイトペーパーでは、バックアップ対策にはデータ消失の危険性を排除する“データ保護”のためのバックアップと、システムを迅速に復旧させるための“システム保護”のための2種類があるとし、その種類によって重要な指標が異なると説明している。例えば、データ保護では、業務再開のためにどの時点までさかのぼりデータを復旧させるかを算出する「RPO(Recovery Point Objective):目標復旧時点」を的確に算出することが求められるという。一方、システム保護では、システムに障害が発生してから回復するまでの「RTO(Recovery Time Objective):目標復旧時間」を明確に設定する必要があるとしている。

 その上で、シマンテックマイクロソフトの共同検証結果を基に、Windows Server 2008 Hyper-Vを使用したシステム環境におけるシマンテックのバックアップソフト「Symantec Backup Exec 12.5 for Windows Servers」(以下、Backup Exec)を活用したバックアップ手順を解説している。

 具体的には、障害が発生して本番環境が機能しなくなった場合を想定し、Backup Execを用いて別拠点のWindows Server 2008 Hyper-V仮想マシン上にシステムを再構築して、障害からの復旧や事業継続性を確保する方法が紹介されている。また、Hyper-V上で動作する仮想マシンの保護に際して、Backup Exec導入から実際のバックアップジョブ作成および障害発生時のリストア手順などが解説されている。

Hyper-V環境と既存環境のバックアップ運用を統合する

photo 提供:CA Technologies(32ページ)

 本ホワイトペーパー では、Hyper-V仮想環境の運用管理においてはストレージ保護が重要な課題だと説明。Hyper-Vホストのストレージには複数のゲストOSが配置されるため、そのストレージ障害が仮想環境に与えるダメージが大きいからだという。しかし、物理環境と仮想環境での運用方法が異なると、仮想化における運用コスト軽減のメリットは半減するため、物理/仮想環境を統一手順で保護できるソリューションを導入すべきだとしている。

 その上で、Hyper-V環境と既存環境のバックアップ運用を統合するソリューションとして「CA ARCserve Backup」を紹介し、その中のHyper-V仮想環境の保護機能「Agent for Virtual Machines」の導入構成や基本機能、バックアップ運用と復旧方法などが解説されている。

 具体的には、Agent for Virtual MachinesによるゲストOS上のアプリケーション保護やHyper-VゲストOSの復旧とリストア、Disaster Recovery Optionを利用した障害時の対応手順などを紹介。また、Windows Server 2008 R2のHyper-V 2.0でサポートされている仮想マシンのライブマイグレーション環境への対応手順も掲載されている。

ネットアップストレージの仮想環境におけるオーバーヘッド緩和手順

photo 提供:ネットアップ(22ページ)

 複数の仮想マシンが同じリソースを共有する仮想化環境。サーバリソースが十分に活用されない物理環境に比べ、仮想化環境では配備されるリソースが少なくなる。そのため、ホストネットワークとCPUリソースを多数の仮想マシンが同時に利用している場合は、仮想環境のバックアップ時にパフォーマンスの問題が生じ、バックアップの時間が長引くこともある。

 本ホワイトペーパーでは、Hyper-V仮想環境においてはバックアップやリストア、災害復旧が大きなオーバーヘッドになることがあると指摘。その上で、NetAppストレージを使用したHyper-V環境におけるベストプラクティスとして、「NetApp SnapManager for Hyper-V」(以下、SMHV)を活用した、バックアップ全体の管理、VMとデータセットのバックアッププロセスの簡素化、自動化を実現する方法などを紹介している。

 具体的には、SMHVの機能「Snapshot」と「SnapMirror」を使用したディスクベースバックアップや仮想環境のオーバーヘッドを最小限に抑える工夫などが紹介されている。

 今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、技術文書や製品資料、事例紹介などに関するコンテンツを多数掲載している。ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。

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