テキストマイニング製品紹介:プラスアルファ・コンサルティング編
顧客の気持ちが絵で分かるテキスト分析SaaS「見える化エンジン」
分析する人にも、分析結果を見る人にも使いやすいテキストマイニング製品を目指す。こうした設計思想に基づいて開発されたのが「見える化エンジン」だ。その特徴を紹介する。
顧客の声の分析結果を直感的に把握したい。導入や活用を簡単にしたい――。こうしたニーズに応える工夫を凝らしたテキストマイニング製品が、プラスアルファ・コンサルティングの「見える化エンジン」だ。見える化エンジンの特徴について、プラスアルファ・コンサルティング 取締役 見える化イノベーション推進部 部長の鈴村賢治氏に聞いた。
連載:テキストマイニング製品紹介
製品の特徴1:“伝わる分析結果”にこだわった画面構成
テキストマイニング製品を導入しても、なかなか活用が進まない。その原因は、「多くのテキストマイニング製品が、分析担当者向けのツールという枠から抜け出せていないことにある」と、鈴村氏は指摘する。見える化エンジンは、分析結果を直感的に表示する工夫を凝らすことで、こうした課題の払拭を目指した(画面1)。
分析結果の表示方法の中で興味深いのが、アバターだ(画面2)。要望、疑問、困難といった単語の種類や出現数を基にして顧客の感情を分析。アバターの表情として表示する。例えば、商品に帯するネガティブ反応を持つ顧客の声の場合、アバターが泣いた表情をする、といった具合だ。
見える化エンジンは、アバターをはじめとする個別の顧客の声を分析した結果から、頻出語句のランキングといった傾向値まで、自由に切り替えて確認できる。「全体を俯瞰してトレンドを探る“鳥の目”と、細部をくまなく見る“虫の目”を素早く切り替えて利用できることが重要だと考えた」
最近は、分析結果を示すポータル画面を標準機能やオプションなどで用意するテキストマイニング製品も登場しつつある。ただし、「もともと分析者向けに開発されたテキストマイニング製品は、データもその見せ方も、分析のプロではない経営者や現場の従業員が見て、直感的に理解するのが難しいことが多い」。見える化エンジンでは「発想を180度変えて」、分析結果を見る人にとって分かりやすいテキストマイニング製品を生み出すべく開発を進めたという。
分析処理技術
分析結果の分かりやすさに力を入れているとはいえ、分析自体の正確さを犠牲にしているわけではない。分析には、一般的なテキストマイニング製品と同様、形態素解析による品詞分解や構文解析による語句間の関連性の導出といった処理を実行。倒置法や話し言葉の分析も可能だ。
「調査会社やテレマーケティングなどの分析担当者が日常的に利用していることも、分析のプロにとっても使える製品である証左だ」と鈴村氏は語る。実際、見える化エンジンを開発したのは、テキストマイニング製品の老舗といえる、野村総合研究所の「TRUE TELLER」の開発に携わったスタッフ。「技術を突き詰めたことで、見える化の重要性をあらためて理解したことが、見える化エンジンの開発につながった」
一方、分析の正確さを維持しつつ、実用性を重視して厳密さよりも分かりやすさを優先した部分もある。例えば、単語同士の関連性を示すグラフでは、単語同士の意味の近さを示す意味距離をあえて無視して表示する。意味距離は言語研究の場合は重要になるが、「分析した人が誰かに報告するときは、距離よりも分かりやすさを重視する」ことに配慮した。
製品の特徴2:SaaSならではのメリットを提供
テキストマイニング製品の多くがパッケージ製品として販売されている中、見える化エンジンは2008年の提供開始以来、原則としてSaaS形式でのみ提供している。ユーザー企業の要望に応じてサーバソフトウェアとして提供するケースもあるが、「大半のユーザー企業はSaaSで利用している」という。
SaaSで導入のハードルを下げる
SaaSとして提供を開始した理由は、導入のハードルを下げることだ。導入時に数百万円掛かることが多いオンプレミスのテキストマイニング製品では、企業によっては導入のハードルが高くなってしまう。SaaS形式にして初期導入費用を最低20万円程度、月額利用料金を10万円程度に抑えることで、「企業によっては部門決済も可能になるなど、導入してもらいやすくなると考えた」。
ユーザー企業がSaaSの懸念として挙げることが多いセキュリティにも配慮した。見える化エンジンは、SSL暗号化通信を可能にしたり、サービスの運用サーバを24時間365日体制で監視したりといったセキュリティ対策を施している。加えて、サーバに取り込むデータに氏名や住所といった個人情報が含まれている場合、ストレージに保存する前に自動でマスキングを掛ける機能も用意する。こうした仕組みにより、「金融機関などのセキュリティ意識が高い企業であっても契約、利用している」という。
サポートの充実度が継続利用を後押し
サポート体制に目を向けると、見える化エンジンではユーザー企業ごとに専任のコンサルタントを確保。分析結果を基にした資料の見せ方など、「コンサルティングのような相談まで別料金なしで受ける」。ツールの利用方法といった一般的な問い合わせについても、電話での説明だけでなく、必要に応じてスタッフがツールへログインし、同じ画面を見ながらアドバイスをすることも可能だ。
こうしたサポート体制の充実度は、パッケージではなくSaaSとして提供することが影響しているという。「買い切り型のパッケージ製品とは異なり、SaaSは継続してもらうことが必要。ツールの魅力を高めて利用継続を促すには、サポートの充実度は欠かせない要素だ」という考え方に基づく。
買い切り型ではなく、月額課金で料金を支払い続ける必要がある見える化エンジンは、製品価格だけで見れば、使い続けるとパッケージ製品と同等かそれ以上の金額を支払うことになる。ただし、運用負荷軽減とサポートの充実度を考慮し、導入を決断するユーザー企業は多いという。
製品の特徴3:多様なデータソースを統合的に可視化
見える化エンジンは、アンケートやコールセンターを利用して自社で収集した顧客の声だけでなく、国内の主要ブログやTwitterのツイート、Facebookページのコメントを分析することも可能だ。Twitterのツイートについては、国内でツイートデータの再販権を持つNTTデータと提携して入手している。
変わったところでは、テレビ番組の内容をまとめたアーカイブ情報を分析することも可能だ。テレビ番組での出演者の発言内容などをテキスト化している外部企業と提携し、実現している。「報道内容を把握し、リスク管理に生かしている例もある」
鈴村氏が「今後重要性が高まる」と説明するのが、顧客の声だけでなく、業務システムなど他システムのデータを取り込んだ分析機能だ(図1)。例えば、CSV形式の売り上げデータを入力すると、アンケートの声とソーシャルメディアの投稿、売り上げの関係性をグラフにして可視化できる。「単一のツールに多様なデータを集約して分析することで、1種類のデータからでは見えなかった事実が見えてくる可能性がある」
事例:750社が利用
2008年提供開始と、テキストマイニング製品としては後発に当たる見える化エンジン。ただし、導入実績は750社とトップクラスだ。金融業の三井住友信託銀行や損害保険ジャパン、医薬品・化粧品製造業の第一三共、資生堂、小売業の良品計画、アスクルなど、幅広い業種の大手企業が導入している。
既存のテキストマイニング製品からの移行よりも、新規で導入した導入事例の方が多いという。「導入の容易さというSaaSの強みを評価し、今までテキストマイニング製品の導入に踏み切れなかったユーザー企業が導入に踏み切るケースが多い」
製品価格:データ件数単位で課金
見える化エンジンの料金は、初期費用が20万円から、月額利用料金が10万円から。ユーザー単位ではなく、データ件数と契約期間に応じた課金体系を取る。データ件数無制限で、月額利用料金40万円からのプランも別途用意する。
英語版と中国語版も用意。日本語版を利用している場合、それぞれ1言語月額3万円、2言語月額5万円で利用できる。
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