Skype、Google Voiceのビジネス活用術も紹介
LINEだけじゃない、スマホで使えるビジネス通話アプリ5選
ビジネスとプライベートの2つの電話回線を1台のスマートフォンで使い分けることで、より業務の生産性が上がる――。Skype、Google Voiceなど、無料または50ドル程度で提供されている人気の通話アプリを紹介する。
ビジネスパーソンが複数の電話番号を持つのは理にかなっていることが多い。ビジネス用の電子メールアドレスとプライベートなコミュニケーション用のアドレスを持つのと同様だ。ワークライフバランスという点で、ビジネス用と個人用の電話番号(それぞれボイスメール機能付き)を持つことは、午後6時以降にかかってきた仕事の電話をボイスメールに直接転送したり、仕事時間中にかかってきたプライベートな電話の用件を後で確認したりする簡単な方法だ。また、アカウント管理や料金管理を容易にするのにも役立つ。
ここで問題。モバイルユーザーは追加の電話番号を手に入れて、1台の端末で2つの電話回線を使い分けることができるだろうか。
答えは、「できる」だ。
ユーザーが何を求めているか、何回電話をかけるかによって、そのコストは無料から月額50ドル以上まで幅がある。
追加の電話番号を提供するサービスの機能やオプションは多岐にわたる。一部のサービスは、追加番号の提供が主目的だ。「Google Voice」や「Skype」といったサービスでは、追加番号の提供は多くの機能の1つにすぎない。追加番号だけでなく、テキストメッセージやFAX、ビデオ通話といった関連オプションも提供するサービスも多い。
本稿では、こうした電話番号をユーザーに提供するサービスの一部を紹介する。これらの電話番号はあらゆる電話やスマートフォンからの着信を受けることができ、発信者側はこれらの番号に電話をかけるために別途必要なアプリやアカウントはない。だが、着信を受けるのにアプリやWebサイトへのアクセスが必要になるサービスもある。
※編注:現段階では日本国内の機能に制限のあるサービスが含まれる。
特に明記しない限り、以下のサービスを利用するのに新しいハードウェアは必要ないが、アプリやその他のソフトウェアが必要な場合がある。重要な注意点として、これらのサービスでは、緊急番号の911(米国の緊急時通報番号、日本の110に相当)などに通報できない場合があることが挙げられる。
追加の電話番号を入手する目的
こうした追加番号サービスは、全てではないとしても、ほとんどがインターネットを使用するため、上記の他に以下のようなメリットも得られる可能性がある。
- タブレット、ミニタブレット、iPod touchのようなその他のモバイル端末を電話として使える(端末がインターネットアクセス機能を搭載しているか、あるいは「MiFi」のようなモバイルルータ経由でインターネットにアクセスでき、かつマイク、ヘッドセット端子、Bluetooth機能のいずれかを備えている場合)
- 別の市、州、さらには国の電話番号を持てば、現地の顧客がその番号に安く電話をかけられる
また、小規模な企業、特にリモート従業員を抱えるいわゆる“分散型企業”のオーナーは、“クラウド内のPBX(構内交換機)”のように機能するビジネス用の代表電話番号を用意し、発信者がその番号に電話して相手を指定すると、着信通話がその相手に転送される仕組みを作りたいと考える可能性がある。こうした仕組みを作れる追加番号サービスも提供されている。
キャリアが提供する追加番号
アナログ時代には、米AT&Tなどの通信会社は、指定された複数の電話番号への着信を1つの電話回線に転送し、番号ごとに固有の着信音を鳴らすサービスを提供していた。ユーザーがこれら複数の番号のいずれから通話を発信しても、発信者番号通知サービスでは、メイン番号からの発信として相手に表示されるようになっていた。
こうしたサービスは現在も提供されており、例えば、米Verizonの「FiOS」は、最大5つまでの仮想電話番号をサポートしている。
Skype
Skypeは、インターネット電話の代名詞的存在。「スカイプしましょう」といった風にGoogleやXeroxのように社名がよく動詞として使われるほどだ。
Skypeの基本アカウントは無料。有料オプションや有料アカウントを使って一般の携帯電話や固定電話に通話できるが、ユーザーはSkypeアプリやソフトウェアでしか通話を受けられない。しかし、Skypeユーザーなら誰でも(Skypeの電話番号を購入済みのユーザーだけに限らない)、Skypeへの着信通話を固定電話や携帯電話に転送し、分単位や月額プランの料金で通話できる。
具体的には、Skypeユーザーは他のSkypeユーザーと、インスタントメッセージ(IM)のやりとり、ビデオ通話、音声通話などを無料で行える。だが、携帯電話や固定電話に通話したり、テキストメッセージを送信したり、最大10人までのユーザーでグループビデオ通話を行ったりするには、ユーザーは所定の料金を支払わなければならない。
また、ユーザーは「Skype番号」という電話番号を購入すれば、一般の電話からこの番号に通話してもらえるようになる。Skype番号では、Skypeの全ての基本的なVoIP機能に加え、この番号から固定電話や携帯電話への着信転送や、これらの電話からこの番号への着信転送も利用できる。
Skype番号の料金は、12カ月契約の場合で月額5ドル、3カ月契約の場合で月額6ドル。
Google Voice
Google Voice(「Googleトーク」と混同しないようにご注意を)は、PBXのようなフロントエンドサービス。このサービスでは、家やオフィス、携帯、VoIP電話など、登録した1つまたは複数の電話番号に着信を転送できる1つの電話番号(新しい電話番号または携帯番号)が利用できる(日本では未対応)。誰かがこのGoogle Voiceの電話番号にかけると、登録された電話番号の端末全てで同時に着信音が鳴る。ユーザーがいずれかの端末で着信に応答するか、着信がボイスメールに転送されると、着信音は止まる。
Google Voiceでは、オンラインボイスメール、自動文字起こしによるボイスメッセージから電子メールへの変換、安価な通話(米国内の通話は無料)などの機能も提供される。1つの便利な機能として、発信者がボイスメッセージを残しているまさにそのときに、ユーザーがその内容を聞くことができるというものがある(一部の機能を利用するには、ユーザーが自分の携帯電話番号をGoogle Voice番号に“移植”しておく必要がある)。ユーザーがGoogle Voice番号を持っている場合、モバイル用Google Voiceアプリは、発信者番号としてGoogle Voice番号を表示する。
知り合いや顧客に、自分の連絡先として電話番号を幾つも管理させるのは避けたい人にとって、Google Voiceは良い選択肢になる。Googleはモバイル用Google VoiceアプリをAndroidおよびiOS向けに提供している。米国外への通話を除けば、Google Voiceは無料だ。
Grasshopper
「Grasshopper」は、着信の管理や転送を行うための“仮想PBX”。起業家や新興企業、モバイルワーカー比率が高い企業、小規模企業などにうってつけだ。このサービスを利用するためにハードウェアやソフトウェアを新たに導入する必要はない。誰かがGrasshopperの電話番号に電話をかけると、Grasshopperは自動応答し、発信者に、話したい相手を選ぶよう求める。
「連絡したい担当者の番号を押してください。営業担当者は『1』を、サポート担当者は『2』を、マーケティング担当者は『3』を……」といった具合にだ。その後、選ばれた相手に着信を転送する。
Grasshopperは着信用であり、それ自体は発信に対応していない。誰かに電話をかけ、発信者番号通知でGrasshopperの番号を相手に表示したい場合は、Grasshopperのモバイルアプリを使う必要がある。
Grasshopperは、ビジネス向け電話システム向けの機能を提供する。ローカル番号やフリーダイヤル番号に加え、低料金でカスタマイズ可能な案内メッセージも利用できる。また、通話保留や着信転送、電話会議、ボイスメールのテキスト変換、コールアナウンス(登録された電話番号に着信が転送された際、その番号のユーザーが、まず発信者番号を聞くことができる機能)といった機能も用意されている。
Grasshopperは、小規模企業に適している。社員の自宅電話や携帯電話の番号リストではなく、1つの代表番号を使用し、社員電話帳を管理しやすいからだ。1電話番号当たり月額12ドルからの料金で、別途掛かる分単位の通話料により豊富な機能が利用できる。
OneSuite Business
「OneSuite Business」では、iOS端末やAndroid端末にOneSuiteアプリをインストールすることで、これらの端末で追加の電話番号を利用することなどが可能。OneSuiteアプリはこうしたスマートフォン上のユーザーの連絡先と連携する。
OneSuiteでは通話履歴、三者通話、コールウェイティングなどの機能が提供される。1人でも利用できるが、サブアカウントをセットアップすることもできる(最大999件まで)。会社が社員にサブアカウントを支給するといったことが可能だ。全てのサービスがプリペイド方式であるため、OneSuiteの請求額が予想外に増える心配はない(ただし、国外と2Gエリアでは、利用している携帯プロバイダーのデータ料金に注意が必要)。
低料金のOneSuiteは捨て難いサービスだ。グローバル着信転送のような関連する通話サービスも試すとよいかもしれない。
OneSuite Businessの料金は月額わずか2.95ドルからで、分単位の発信通話料と、ユーザーの携帯プランでの月々のデータ料金が別途掛かる。
RingCentral
「RingCentral」は、従来の電話PBXシステムに代わるクラウドベースの選択肢だ。社員が1つまたは複数の場所で働く企業、特に社員がiOS、Android、Blackberry OS搭載のモバイル端末を使う企業にとって、RingCentralを利用することは理にかなっている。企業オーナーは、RingCentralがSalesforce.com、Dropbox、Googleと連携していることを高く評価するだろう。
RingCentralの料金は1ユーザー当たり月額24.99ドルからで、この金額には1つのフリーダイヤル番号の利用料が含まれる。利用分数1000分までで、それを超えると追加料金が必要となる。RingCentralは、2番目の電話番号を使いたいだけの人には適切な選択肢ではないだろう。しかし、料金は高いものの、堅牢な機能を提供することは確かであり、このことは、自社で機能豊富な電話を利用したい企業オーナーにアピールしそうだ。
以上に紹介したサービスの中で、皆さんのニーズに合ったものが見つかれば幸いだ。そのニーズが、本稿でソリューションがあることを知るまで、存在すら分からなかったニーズであれば、なおうれしい。だが、1つのサービスで満足する必要はない。「Webブラウザは1つしか使ってはいけない」ということはないのと同様だ。強力なフロントエンドとしてGoogle Voiceも欲しいかもしれないし、連絡先の1つとしてSkype番号も使いたいかもしれない。そうすれば、Google Voice経由でiPadで電話を受けるといったことができる。
幾つかのサービスを選んで一通り試し、どれが自分や自社に合いそうか見極めるとよいだろう。
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