2014年4月にもロードマップ発表
「Windows 9」で今度こそ“真のスタートボタン”が復活?
Windows 8/8.1の導入に二の足を踏む企業は多い。使い慣れたUIからの変化は、想像以上に移行のハードルを高めているようだ。こうした中、IT管理者の期待は次期OS「Windows 9」に集まりつつある。
米Microsoftは2014年春にも、次期クライアントOSである「Windows 9」(仮称)のロードマップを発表すると予想される。だが企業のIT部門がその情報に色めき立つことはなさそうだ。同社が発売中の最新OSである「Windows 8.1」は今のところ、企業で採用されている例は多くない。
企業でのWindows 8.1の導入は、亀のような遅々としたペースが続いている。社内のIT環境に関しては、つい最近Windows 7へ移行したばかりという企業が多いからだ。いまだに「Windows XP」を使い続けている企業も少なくない。Windows 8.1は、テストだけは実施したものの、採用を見送ることにした企業もある。
米IT調査サービス企業NetMarketShareが実施した2013年12月のデスクトップOS市場の調査結果では、「Windows 8」とWindows 8.1を合わせたシェアは、ようやく10.5%に達した程度だ。Windows 7は現在も市場では王座を譲らず、47.5%を占める。Windows XPのシェアも今なお29%近くある。「Windows Vista」は3.6%、「Mac OS X」「Linux」などWindows以外のOSは、合わせて9.4%のシェアとなっている。
企業がWindows 8.1の導入をためらう理由は幾つもある。
ライセンス料金が高い、従来利用していたアプリケーションがWindows 8.1に対応していない場合がある、ユーザーインタフェース(UI)のカスタマイズができない、ハードウェアのリプレースが求められる――こうしたことが、Windows 8.1の企業導入を妨げている。
訂正履歴(2014年1月30日)
掲載当初、Windows 8.1について「アプリケーションの互換性がない」と記載しておりましたが、誤解を招く可能性がありましたので、「従来利用していたアプリケーションがWindows 8.1に対応していない場合がある」と訂正いたしました。
「大抵の企業ではWindows 7で十分間に合う」と、米調査会社TECHnalysis Researchの主席アナリスト、ボブ・オドネル氏は語る。
Windows 8.1への移行を促したいのなら、Microsoftは現状よりもずっと簡単な移行方法を企業に示すべきだというのが、同氏の主張だ。さらに、Windows 8.1へのアップグレードを検討している企業にとっては、タッチインタフェースを生かしたオフィススイートがまだ公開されていないことも懸案事項の1つとなっていると、オドネル氏は指摘する。
Microsoftは2014年4月に開催予定の同社の開発者向けカンファレンス「Build」で、Windows 9のロードマップを発表すると予想されるが、IT管理者は、Windows 9こそスタートボタンとスタートメニューが本格的に復活してほしいと期待している。現在公開されているWindows 8.1にも一見それらしいUIはあるが、ユーザーが期待していた昔ながらのスタートボタンとスタートメニューとは、似て非なるものだった。
「その機能がたった1つ復活するだけで、Windows 8/8.1を再検討する人が出てくるかもしれない」と話すのは、米コミュニティーカレッジでプログラマー兼アナリストを務めるリック・ゲッター氏だ。ゲッター氏の勤務先で利用しているコンピュータは、95%がWindowsベースである。だが多くの企業と同じく、Windows 8/8.1への移行はまだ決めかねている。Microsoftが新しいUIを導入したことで、「企業ではユーザーの再教育に多大な費用が掛かることになる」と同氏は付け加える。
一方、デスクトップとモバイル端末の両方にWindows 8.1を採用し、新しいアプリケーションを運用する企業も現れている。例えば、米Starwood Hotels & Resorts Worldwide傘下のホテルチェーンSheraton Hotels & Resortsは、Windows 8のキオスク端末とタブレットを導入して、顧客により快適なエクスペリエンスを提供している(参考:「スマートフォン/タブレット不要論」が会社をダメにする)。こうした企業は、ビジネスの発展とITに注目し、エンドユーザーにはタッチ操作端末を利用してもらうことで、エクスペリエンスの向上に努めている。
Windows 8.1 Phoneは浮上するか
Windows 9は2015年の公開が伝えられる一方で、2014年4月にモバイルOS「Windows Phone 8.1」のアップデートが公開されるとの予測もある。Microsoftは2013年秋、Windows Phoneに企業ユーザー向け機能を追加するサービスパックを2014年前半に公開すると発表した。
米市場調査会社IDCによると、2013年第3四半期のWindows Phoneの市場シェアは、わずか3.6%だった。それと比べて、「Android」は81%、「iOS」は12.9%のシェアをそれぞれ獲得している。「BlackBerry OS」はシェアを落として1.7%、その他が0.6%となっている。
「Microsoftは最近こそWindows Phoneを企業に売り込もうと力を入れているが、当初は一般コンシューマーを重視していた」と語るのは、大手製薬会社でモバイル端末を導入したイノベーションの責任者を務めるブライアン・カッツ氏だ。Windows Phoneには仮想プライベートネットワーク(VPN)や完全な暗号化機能など、企業向けの機能がもっと搭載されることを期待していると同氏は指摘する。
Microsoftは、この件に関するコメントを拒否している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー