医療IT最新トピック
「スマホ世代の子育て支援策」 母子手帳を電子化した千葉県柏市で始まる
電子母子手帳サービスを試験導入した千葉県柏市の取り組み、ソニーの電子お薬手帳の試験エリア拡大、従業員の健康管理業務を代行するクラウドサービスなど、医療IT関連の最新トピックを紹介します。
「IT化が他分野より10年遅れている」ともいわれる医療業界だが、関連技術や製品、サービスは日々進化している。医療IT関連の動向を紹介する「医療IT最新トピック」。今回は、医療業界におけるIoT導入のメリットとリスクを解説したブログ、電子母子手帳サービスを試験導入した千葉県柏市、ソニーの電子お薬手帳サービスの試験エリア拡大、ストレスチェックなど従業員の健康管理業務を代行するクラウドサービスなどを取り上げる。
トピック一覧
- 介護現場のレクレーション活動を動画配信サービスで後押し、NTT東日本ら
- 医療業界におけるIoT導入のメリットとリスクを紹介――マカフィー公式ブログ
- 千葉県柏市が電子母子手帳サービスを試験導入――スマホ世代の子育てをバックアップ
- エイジングに関する専門ニュースサイト、ジェイ・キャストとアンチエイジング医師団
- ソニー、神戸医療産業都市に新拠点を設立 電子お薬手帳サービスの試験エリアも拡大
- ストレスチェックなど従業員の健康管理業務を代行――CTCのクラウドサービス
- ネット接続サービス加入の調剤薬局・ドラッグストアに調剤予約サービスを無料提供、アクシス
- 地域医療分析ツールを使った製薬会社向けサービスを開始――リーズンホワイ
介護現場のレクレーション活動を動画配信サービスで後押し、NTT東日本ら
西日本電信電話(NTT西日本)と、介護レクリエーション支援/人材育成事業などを運営するスマイル・プラスが2015年3月25日、介護レクリエーション支援サービス「介護レク広場 for 光BOX+」を提供開始した。介護レク広場 for 光BOX+では、NTT西日本のSTB(セットトップボックス)である「光BOX+」上でスマイル・プラスが手掛けた動画コンテンツを配信する。高齢者が集団で行う体操や歌、塗り絵、書道などのレクリエーション活動に関する各種動画コンテンツを用意。介護レクリエーションの現場で活用することで、介護スタッフの負担軽減とスキルアップに役立てる。月額利用料金は980円(税別)からで、2015年5月末までは無償で提供する(インターネット環境を別途、用意する必要がある)。
配信動画は、体操やクラフト、音楽などを含む「高齢者向けレクリエーション用コンテンツ」(楽しむ動画)と、他介護施設のレクリエーション取り組み事例を紹介する「介護スタッフ向け学習用コンテンツ」(学ぶ動画)に大別される。楽しむ動画では、介護スタッフの介護レクリエーションにおける準備や実施に伴う負荷を軽減する。学ぶ動画では、介護レクリエーションの企画や提案、実施に関する技術を学習できる。光BOX+は富山県、岐阜県、静岡県以西の30府県で利用可能(発表:NTT東日本、スマイル・プラス<2015年3月24日>)。
医療業界におけるIoT導入のメリットとリスクを紹介――マカフィー公式ブログ
セキュリティ専業ベンダーのマカフィーは2015年3月25日、公式ブログに「医療業界におけるIoT:メリットとリスク」と題する投稿を行った。Intel Securityと米シンクタンクであるAtlantic Councilが発表したリポート「The Healthcare Internet of Things(医療業界におけるIoT)」の内容を紹介。同リポートでは、Atlantic Councilが実施したネットワークに接続された医療機器のメリットとセキュリティ課題に関する調査結果、医療IT分野の関係者に向けたセキュリティリスクの低減に関する推奨事項などをまとめている。
同ブログによると、ネットワークに接続された医療機器が医療業界全体に多大なメリットをもたらすことは間違いないという。しかし、「意図的な改ざん」「脆弱性のある機器を使用する際の広範囲におよぶ混乱」「予想外の故障」「プライバシーの侵害」などのセキュリティ上の懸念があると指摘。ネットワーク化された医療機器に対して包括的なセキュリティ標準やベストプラクティスを実装することを推奨している(発表:マカフィー<2015年3月25日>)。
千葉県柏市が電子母子手帳サービスを試験導入――スマホ世代の子育てをバックアップ
千葉県柏市が2015年4月1日に「電子母子手帳サービス」の試験導入を開始した。スマートフォンやタブレット、クライアントPC向けWebサービスで、妊産婦と子どもの健康データの記録や管理が可能。出産・育児に関するアドバイス、柏市の各種補助制度の案内や手続き方法などの情報を配信する。同市の妊産婦・子育て中の母親、その家族に向けて提供。開発元のエムティーアイが発表した。
電子母子手帳サービスでは、妊娠中の体調や体重記録、胎児や子どもの成長、体調記録などを記録してグラフ形式で表示する。また、柏市が提供する児童手当や医療費助成制度などの各種制度・サービスに関する情報を受信したり、同市が開催した母親学級を動画で視聴したりできる。子どもの成長記録や健康健診データは、家族のスマートフォンでも共有・閲覧でき、SNSへの投稿も可能だ。
総務省の「平成25年度ICT街づくり推進事業」の委託先である柏市は、2014年に「柏の葉スマートシティ」プロジェクトにおいて、子育て世代に向けた健康支援サービスの実証事業を実施した。柏市では、若年層が使いやすいスマートフォンなどで個人の状況に合ったコミュニケーションツールと電子母子手帳サービスを評価し、今回の試験導入に至ったという。2016年内に正式導入を予定している(発表:エムティーアイ<2015年3月27日>)。
エイジングに関する専門ニュースサイト、ジェイ・キャストとアンチエイジング医師団
抗加齢(アンチエイジング)医学/医療に携わる医療従事者で構成されるアンチエイジング医師団支援機構(アンチエイジング医師団)と、インターネットメディア事業を手掛けるジェイ・キャストは2015年4月1日、エイジングに関する専門ニュースサイト「Aging Style」の共同運営を開始した。医師や専門家が執筆する医療・健康、美容、ライフスタイル全般に関するコンテンツを配信する。
Aging Style編集長は、アンチエイジング医師団の代表で北里大学名誉教授の塩谷信幸氏が務める。アンチエイジング医師団は、最先端の安全な医学/医療情報の提供と実践を目的として活動する団体だ(発表:ジェイ・キャスト<2015年3月31日>)。
ソニー、神戸医療産業都市に新拠点を設立 電子お薬手帳サービスの試験エリアも拡大
神戸市は2015年4月1日、ソニーが神戸医療産業都市(神戸市中央区)に新拠点を設置すると発表した。同都市進出企業と連携して、医療分野におけるコミュニケーション支援事業などの新規事業を創出することが狙い。今回の発表に先立つ2015年3月、ソニーは非接触型IC技術「FeliCa」を採用した電子お薬手帳サービス「harmo」試験サービスのエリアを近畿地方に拡大した。新拠点はソニーのharmo事業室の活動拠点にもなる。
harmoは2013年に神奈川県川崎市全域でサービス運用を開始し、2014年からは横浜市の4区でも試験的に導入されている。2015年3月からは各地域の薬剤師会と連携し、神戸市や滋賀県、大阪府豊中市でも試験導入が始まった。ソニーによると、現在harmoは川崎市・横浜市の約200の調剤薬局で導入され、1万人の利用者がいるという。神戸市は1998年から「神戸医療産業都市構想」プロジェクトを推進。神戸ポートアイランド地域に先端医療技術の研究・開発拠点を整備し、産学官連携による医療関連産業の集積を図っている(発表:ソニー<2015年3月10日>、神戸市<2015年4月1日>)。
ストレスチェックなど従業員の健康管理業務を代行――CTCのクラウドサービス
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2015年4月1日、健康管理業務代行サービス「おまかせ健康管理」を提供開始した。従業員の健診結果や問診結果、保健指導、面談記録などの情報をクラウドで一元管理し、人事・労務部門担当者の健康管理業務を代行する。企業向け健康管理支援サービスを手掛けるウェルネス・コミュニケーションズと協業し、従業員数700人以下の企業を対象に提供。従業員1人当たりの年間利用料が4200円から(税別)。
おまかせ健康管理は、ストレスチェック対策や定期健診管理業務、長時間労働に対する労務管理の適正化などの業務を一元管理して代行するサービスだ。社員マスターや健診結果、残業時間のデータをクラウド側に送信することで、監督官庁への報告のためのデータ集計や報告書の作成、従業員の定期健診の受診勧奨、ストレスチェックなどの健康管理業務を代行。管理業務の進捗状況を企業の担当者にリポートする。
CTCでは、従業員に対するストレスチェックを義務付ける「改正労働安全衛生法」(2014年12月)の施行、年次有給休暇取得の義務化検討といった政府の方針を踏まえて、企業の人事・労務部門における多岐にわたる健康管理業務の効率化を支援すると説明する(発表:CTC<2015年4月1日>)。
ネット接続サービス加入の調剤薬局・ドラッグストアに調剤予約サービスを無料提供、アクシス
アクシスは2015年4月1日、ITXの光ブロードバンドサービス「MORA光」に加入した調剤薬局・ドラッグストアを対象に調剤予約サービス「スマホよ薬」の無料提供を開始した。スマホよ薬では、医療機関で受け取った処方せんをスマートフォンのアプリで撮影し、調剤薬局に送信すると対象店舗の薬剤師が薬を準備し、患者は指定した時間に来店して受け取ることができる。患者の薬局内での待ち時間の短縮や、薬局側での調剤準備時間の確保などが可能になる。
MORA光は、光アクセス回線(FTTH)/インターネット接続サービス(ISP)一体型のネットワーク接続サービス。通常、スマホよ薬は初期費用5000円と月額利用料500円が掛かる(いずれも税別)が、MORA光サービスの利用期間中はスマホよ薬の月額利用料が無償となる(発表:アクシス<2015年4月1日>)。
地域医療分析ツールを使った製薬会社向けサービスを開始――リーズンホワイ
医療機関選定/医療経営分析サービスなどを手掛けるリーズンホワイが2015年4月3日、製薬企業向けコンサルティングサービスを提供開始した。同社の地域医療分析Webサービス群「ReasonWhy」を活用する(関連記事:地域医療の現状と未来を可視化する「ReasonWhy」)。製薬企業の売上データと 事業計画や診療科別目標値設定などを支援する戦略分析ツール「ReasonWhy Strategy」を突き合わせる。その結果を基に薬の種類、地域の販売状況を踏まえた地域医療の視点に立った営業活動の展開を支援するという。
例えば、手術前・術後の化学療法の適応がない抗がん剤の営業戦略を立案する場合、ReasonWhy Strategyでそのがんの手術なしの患者数を病院ごとに調査し、手術なしの患者数が多いが全国や地域の平均と比べて薬の使用が少ない病院にアプローチできる。加えて、診療データの分析や病院経営、薬剤などに精通したコンサルタントによる専門性の高いサポートを実施する(発表:リーズンホワイ<2015年4月3日>)。
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