医療IT最新トピック
宮城県立こども病院が「動く絵本」の貸し出しを開始
医療分野におけるIT投資やタブレット市場の成長予測、iPhone/iPadで測れる心電計アプリ、宮城県立こども病院での電子絵本サービスの運用開始など、医療IT関連の最新トピックを紹介します。
「IT化が他分野より10年遅れている」ともいわれる医療業界だが、関連技術や製品、サービスは日々進化している。医療IT関連の動向を紹介する「医療IT最新トピック」。今回は、医療分野におけるIT投資やタブレット市場の成長予測、iPhone/iPadで測れる心電計アプリ、宮城県立こども病院での電子絵本サービスの運用開始などを取り上げる。
トピック
- 医療分野のIT市場は高い成長率で推移、2018年までの予測を発表
- 2015年の医療分野のタブレットソリューション市場、前年比17.4%増の617億円
- GMOリサーチとメドピア、海外企業向け医師調査サービスで業務提携
- 臨床試験データの精度向上を目指しデータ収集システムを統合――Oracle
- スマートデバイスを業務で使用するケアマネジャーは約3割、インターネットインフィニティー調べ
- iPhone/iPadで測れるワイヤレス解析付心電計――ECGラボ
- 在宅医療・訪問歯科業界に特化したポータルサイト開設――HorizonXX
- 宮城県立こども病院、電子図書館サービス「動く絵本シリーズ」を運用開始
- 留学生による家事介護のお手伝いWebサービス――A-LINE
医療分野のIT市場は高い成長率で推移、2018年までの予測を発表
IT専門調査会社IDC Japanが、国内産業分野別IT支出における2014年上半期の実績分析、2014年から2018年までの予測を発表した。
地域医療連携の広がりを背景に、2014年の医療分野の市場成長率は前年比3.0%増、市場規模は5422億円になると見込む。同社は医療分野の成長率について、日本郵政関連のシステム刷新案件が本格化する「運輸/運輸サービス」分野(前年比成長率3.3%、市場規模6418億円)とともに比較的高いと位置付ける。2014年の国内IT市場は多くの産業でIT支出が伸びているが、個人消費を含めた全体では小幅の成長であると分析する。
2015年は医療分野が前年比2%以下にとどまるなど、多くの産業分野で前年の反動から低い成長率にとどまるという。医療分野も2015年の成長率では2%を下回るものの、2016年以降は他の産業分野と比べて高い成長率で推移するとIDC Japanは予測する(発表:IDC Japan<2015年1月15日>)。
2015年の医療分野のタブレットソリューション市場、前年比17.4%増の617億円
IDC Japanは2015年1月21日、病院や診療所、歯科診療所、保健所といった医療機関、福祉/介護機関などの国内医療分野における「タブレットソリューション」市場の予測を発表した。タブレットソリューションには、タブレット本体やその導入に関する付帯設備、アプリケーション、サービス、保守費用などを含む。予測によると、同市場の2015年の支出額は前年比17.4%増の617億円になるという。
同社は、国内の医療、福祉/介護分野におけるIT投資は堅調に推移しており、タブレット関連も今後大きく成長すると予測。2013年~2018年の年間平均成長率(CAGR)は15.0%で、2018年の支出額は792億円まで拡大すると分析する。さらに医療、福祉/介護分野のタブレット出荷台数については、2015年の20万9000台から2018年には28万4000台まで増加すると予測する(発表:IDC Japan<2015年1月21日>)。
GMOリサーチとメドピア、海外企業向け医師調査サービスで業務提携
インターネットリサーチ事業を手掛けるGMOリサーチと、医師専用の会員制サイト「MedPeer」を運営するメドピアが、海外企業向け医師調査サービスの販売で業務提携した。
GMOリサーチは、アジア12カ国 約1200万人を対象としたインターネットリサーチが可能な「Asia Cloud Panel」を国内外の調査会社に提供している。7万人以上の医師が登録するMedPeerを運営するメドピアとの連携で、日本国内の医師を対象とする調査案件を実施。中国を中心とするアジア地域での医師調査案件のシェア拡大を目指す(発表:GMOリサーチ、メドピア<2015年1月19日>)。
臨床試験データの精度向上を目指しデータ収集システムを統合――日本オラクル
治験実施機関向けクラウドサービス「Oracle Health Sciences InForm Medication Adherence Insights Cloud Service」を発表した。Oracleの治験データ収集・管理システム「Oracle Health Sciences InForm」と、米Proteus Digital Healthのデータ収集システム「Proteus Digital Health Feedback System」を組み合わせてサービスとして提供する。Proteus Digital Health Feedback Systemの服薬順守データを、Oracle Health Sciences InFormに自動的に取り込み、治験データの収集と管理を一元化できるようにした。治療実施機関の服薬状況の追跡や、治験期間中の服薬状況の正確な測定を支援する。
日本オラクルによると、製薬会社は同サービスの活用で、被験者が服用した薬剤の用量と服用時間を直接、迅速に確認でき、服用順守に問題があれば早期に特定できるようになるという。これにより、投与量に関する意思決定の精度を改善し、医薬品の安全性を向上することで臨床試験の失敗リスクを低減すると説明する(発表:日本オラクル<2015年1月19日>)。
スマートフォンやタブレット端末を業務で使用するケアマネジャーは約3割
介護関連メディア事業を手掛けるインターネットインフィニティーが、運営するWebサイト「ケアマネジメント・オンライン」でケアマネジャーのデジタルデバイス(情報端末)活用に関する調査を実施、その結果を発表した(有効回答数615人)。
業務で使用する端末をたずねたところ(複数回答)、最も多く回答があったのが「PC」の604人(98.2%)で、「従来の携帯電話」が182人(29.6%)と続いた。「スマートフォン」「タブレット端末」という回答は、それぞれ120人(19.6%)、72人(11.7%)。また、スマートフォンやタブレット端末の利用者のうち、業務でアプリを活用している人は約4割となり、そのうちの約6割が「病気や薬を調べられるアプリ」を利用しているという。
病気や薬を調べられるアプリは、回答者全員を対象にした「業務に関連したアプリで使ってみたいものは何か」という質問でも、最も多くの回答(68.8%)を集めた(インターネットインフィニティー<2015年1月20日>)。
iPhone/iPadで測れるワイヤレス解析付心電計――ECGラボ
クライアントPC用心電計を提供するECGラボは、iOS対応のワイヤレス解析付心電計「smartECG」を販売開始した。
smartECGをiPhoneやiPadといった端末に接続すると、各端末を解析機能付きの標準12誘導心電計として利用できる。心電誘導コードを胸部6つの電極で1本、四肢を2本にまとめるなど携帯性を考慮した。データはワイヤレスで送受信する。心電データをクラウド環境にアップすることも可能で、診察室のデスクトップPCなどから心電図を参照できる。ベクトル解析表示(12誘導から変換)機能も備える。「iOS 7.0」以上で動作する。
ECGラボでは、smartECGは院内だけでなく救急医療や災害医療、遠隔医療、在宅医療などの幅広い院外活動で活用できると説明する。smartECGの販売価格(税別)は、31万5000円(発表:ECGラボ<2015年1月20日>)。
在宅医療・訪問歯科業界に特化したポータルサイト開設――HorizonXX
ポータルサイト運営事業を手掛けるHorizonXX(ホライズン)は、在宅医療・歯科クリニックを紹介する業界特化型ポータルサイト「コティリエ」のβ版を開設した。
コティリエは患者やその家族が在宅医療・訪問歯科の受診を検討する際に、往診可能な地域の医院・クリニックを検索したり、その医院の魅力や評判を確認したりできるサービス。13種の診療科目や27種の症状を選択すると、その診療科目や症状を扱う医院を検索できる。24時間往診体制や緊急時入院といった医院の特徴別検索も可能だ。医院の評判を書き込んだり確認したりできる口コミ投稿機能も備える。
HorizonXXでは、相談予約機能やクリニック掲載内容の拡充などコティリエの機能強化を順次予定している。
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宮城県立こども病院、電子図書館サービス「動く絵本シリーズ」を運用開始
宮城県立こども病院は2015年2月2日、電子図書館サービス「動く絵本シリーズ」を運用開始する。電子絵本76タイトルをMicrosoft製タブレット「Surface」10台に搭載し、入院中の児童に貸し出す。寄贈元である図書館関連システム開発のiNEOが発表した。
動く絵本シリーズは、教育関連図書を手掛けるどりむ社の出版する絵本に「動き」と、絵本の内容を音声データとして再生できる「読み聞かせ機能」を付加した動く電子絵本。iNEOとどりむ社が共同開発し、2013年12月から公共図書館を対象に提供してきた。絵本に動きを取り入れることで、児童が絵本に興味を持ちやすくなるようにした。幼い入院患者の生活環境の改善や維持に役立つ他、院内にある紙の絵本を動く絵本シリーズへ置き換えることで、絵本殺菌消毒ボランティアの負担削減などにも役立つという。
宮城県立こども病院では同月1日まで実証実験を行い、同月2日から正式に貸し出す。今回の寄贈には日本マイクロソフトも協力した。iNEOによると、こども病院での電子図書館サービスを通した動く電子絵本の貸し出しは国内初となるという。同社は今後、国内の他のこども病院にも展開する予定(発表:iNEO<2015年1月26日>)。
留学生による家事介護のお手伝いWebサービス――A-LINE
医療機関向け人材コンサルティング事業を手掛けるA-LINEと、その子会社であるA-LINE Vietnamが、留学生を活用した家事介護のお手伝いWebサービス「CLIKA.jp」を2015年2月25に開始する。
CLIKA.jpは、短時間の労働を希望する留学生と、安価に家事介護の人手を必要としている家庭を結び付けるサービス。家事労働や介護などの家庭内労働力の不足を解消することが目的。A-LINE Vietnamが企画開発・運営を担当し、A-LINEが留学生向け家事介護トレーニングやカスタマーリレーションなどを担当する。A-LINEによると、従来の家事介護サービスの半額程度でサービスを提供し、一般家庭への普及を目指すという。
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