理想的なクラウド基盤を構築する方法【第4回】
ハイブリッドクラウド環境での理想的なDR方式と製品選定ポイント(2/3 ページ)
3.DRを考える
3-1.バックアップデータをパブリッククラウドにレプケーションする
プラベートクラウドのバックアップデータを重複排除したまま、パブリッククラウドにレプリケーションする。レプリケーションに必須な重複排除処理はCPU/メモリを消費する。そのため、プライベートクラウドのバックアップサーバは物理サーバまたは統合型バックアップアプライアンスで構築するべきだ。しかし、パブリッククラウドではバックアップサーバを仮想マシンでのみ構築可能なため、重複排除処理が効率よくシステムリソースを多く消費しないバックアップ製品を選ぶべきである。
ハイパーバイザーと連係して取得したバックアップデータは、パブリッククラウド上ではそのままではリストアできない。例えば、VADPのバックアップデータをAWSにレプリケーションしてもそのままではリストアできない。バックアップ製品にV2P機能があると、パブリッククラウドにリストアすることができる。また、リストアの自動化・スケジュール設定ができれば、復旧時間を短縮することが可能だ。
バックアップ製品を選定する場合は、下記は必ず確認しよう。
ハイブリッドクラウドに通用するバックアップ製品選定ポイント
- パブリッククラウド上でのバックアップサーバを構築することがを正式サポートされている
- バックアップとレプリケーションがバックアップ製品から一元管理できる
- 重複排除機能のCPU/メモリの消費量が少ない
- リストアの柔軟性がある(V2P、リストアの自動化、スケジュール設定など)
次にパブリッククラウドについて、バックアップデータはプライベートクラウドへ必ずしもレプリケーションする必要はない。パブリッククラウドは通常複数拠点にデータを複製しているので、サイト障害でデータを消失することについては考慮不要である。
3-2.プライマリデータをプラベート/パブリッククラウド間でレプリケーションする
プライマリデータのレプリケーションは3つの方法がある。「(1)ストレージ機能」「(2)ハイパーバイザー機能」「(3)仮想マシン上のレプリケーション製品」によるものである。また、レプリケーション対象がアプリケーションデータ領域のみか、システム(OS)領域を含めることができるかは重要なポイントだ。
システム領域をレプリケーションできると、グローバルクラスタを構成する際に、仮想マシン自体をプライベートクラウドからパブリッククラウドへフェイルオーバ可能になる。ただ、システム領域をレプリケーションするためには、プライベートクラウドとパブリッククラウドでハイパーバイザーを一致させたうえで、ハイパーバイザーのレプリケーション機能を使用する必要がある。アプリケーションデータ領域のみレプリケーション可能だと、両サイトに仮想マシンを用意し、アプリケーションを切り替えることになる。
| ストレージ機能 | ハイパーバイザー機能 | 仮想マシン上の レプリケーション製品 |
|
|---|---|---|---|
| 例 | 「NetApp Private Storage for XXX」など | vSphere Replication Hyper-Vレプリカ |
Veritas Replicator、DataKeeper、クラスタ製品/アプリケーションに付属のレプリケーション機能など |
| 対応 クラウド |
AWS、Azure、SoftLayer(NetApp Private Storageの場合) | vCould Air Azure |
仮想マシン間のネットワークがつながれば技術的には可能。メーカーサポート状況要確認 |
| 用途 | アプリケーションデータ領域 | 仮想マシン自体(アプリケーションデータ領域、システムデータ領域) | アプリケーションデータ領域 |
| 特徴 | ベンダーストレージと、クラウドの組み合わせを選ぶ | 仮想マシン自体のサイト間フェイルオーバが可能。プライベートクラウドとパブリッククラウドでハイパーバイザーを一致させる必要あり。ベンダーロックインされる可能性大 | クラウドを選ばない |
3-3.プライベート/パブリッククラウドでグローバルクラスタを構成する
プライベート/パブリッククラウド間の切り替えができることは最低限の条件だ。仮想マシン自体をサイト間で切り替える方式(※6)と、それぞれのサイトの仮想マシン間でアプリケーションの切り替える方式がある。
※6 「vCloud Air Disaster Recovery」「Azure Site Recovery」など
仮想マシン自体を切り替えることができると、パブリッククラウドで仮想マシンを待機させる必要がなく、仮想マシン数を半減させることができる。それにより、OSライセンス費用/システムリソース/運用コストの削減が期待できる。
プライベートクラウドとパブリッククラウドのそれぞれの仮想マシン間でクラスタを組むことも可能だ。しかし、アプリケーション障害によって、いきなりサイト間で切り替わってしまってはインパクトが大きいため推奨しない。仮想マシン間クラスタをプライベートクラウドで構成すると、パブリッククラウドに切り替えるためには、多ノードクラスタになり、共有データのレプリケーション構成が複雑になる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
理想的なクラウド基盤を構築する方法
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
9
AIで人を減らした企業がもう心変わり 「AIブーメラン現象」の実態
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー