このまま使い続けられるはずだが……
無料でアップデートできるWindows 10は“巨大な釣り餌”なのか(1/2 ページ)
Microsoftが提供するWindows 10への無料アップグレードの期限が7月に迫り、この制度を利用する企業が増えている。だがIT管理者にとって、コストやプライバシーに関する不安以外にも疑念が残る。
Microsoftの無償提供の恩恵を受けようと、Windows 10への移行に踏み切る企業が増えている。MicrosoftのWindows 7/8/8.1のユーザー(ただし、Windows 7 Service Pack 1 または Windows 8.1 Update の適用が必須。また、Windows 7 Enterprise、Windows 8/8.1 Enterprise、Windows RT/RT 8.1 の各エディションは無償アップグレードの対象外)は、Windows 10のリリースから1年の間、無料でアップグレードができる。
この期限が7月29日に迫り、企業ではWindows 10へのアップデートが加速している。TechTargetの2016年版ITプライオリティ調査によれば、2016年内にWindows 10へのアップグレードを計画しているITプロフェッショナルの数は、2015年の13.9%から40.6%へとほぼ3倍に増えた。
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Bear Valley Community Healthcare DistrictのITディレクター、ジョン・ブース氏によると、Windows 7/8/8.1 Proを使っている企業は、たとえ現行ライセンスの期限切れ前に移行しても、Windows 10への無償アップグレードを申し込むべきという。
「もし既にWindows 7/8を使っているのなら、無料でWindows 10にアップグレードしないのは馬鹿げている。Windows 7はいずれサポートが終了し、いずれにしてもアップグレードが必要になる」(ブース氏)
Windows 10移行のインセンティブ
医療技術事業者のMillarも7月29日の期限前にアップグレードを行う計画だ。同社 ITディレクターのトッド・ミラー氏は「ライセンス料を何千ドルも削減できる可能性がある」と話す。
Millarの従業員は約140人。通常であればWindowsのアップグレードはハードウェアの入れ替えに合わせて行う。しかし、IT部門はMicrosoftの無償提供を利用して、ハードウェアのライフサイクル終了を待たずにWindows 10にアップグレードする。「既に約90%はWindows 10に移行した。移行にどれほどの困難が伴うか見極めたいと思っていたが、ユーザーの好感度は高い」(ミラー氏)
ミラー氏自身を含め、IT部門のほとんどのスタッフはMicrosoftのWindows 10βプログラムに参加して、正式リリースの何カ月も前からこのOSを試すことができていた。社内PCのWindows 10へのアップグレードは、一部のレガシーアプリケーションのベンダーがWindows 10に対応するのを待って、2015年10月になってから着手した。
Gas Liquids EngineeringのIT部門もWindows 10の無償アップグレードを活用する予定で、円滑な移行のために社内の全アプリケーションのテストを実施している。同社も通常はハードウェアに合わせてOSのアップグレードを行っているが、PCはまだ導入後2年しかたっていないことから、約300台のワークステーションについてOSをアップグレードすることにしたという。
同社上級システムアナリストのスティーブ・ブレチッチ氏は、「7月末まで無料でアップグレードできる制度はWindows 10に取り組むインセンティブになる」と語る。Gas Liquids Engineeringの従業員がWindows 10をテストした結果、第一印象は上々だったという。「インタフェースがすっきりした。Windows 7と完全に同じではないものの、似ていて馴染みがあり、よく使うベーシックなアプリケーションは全てそろっている。いいスタートを切った」(ブレチッチ氏)
Microsoftによれば、Windows 10のアクティブユーザーは2億7000万人を超え、うちエンタープライズ版と教育版のユーザーは2200万人を占める。同社は2~3年以内にユーザー10億人という目標を達成したい意向だ。
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