ガイ・カワサキ氏に聞くイノベーションの極意
元Appleエバンジェリストが伝授、“次のスティーブ・ジョブズ氏”になれる10個の方法(1/3 ページ)
Appleでチーフエバンジェリストを務めたガイ・カワサキ氏は、“次の新しいもの”を売り込む経験を豊富に積んでいる。イノベーションを起こす方法に関する同氏の考え方を紹介する。
最高情報責任者(CIO)は情報技術を統括する役員として「イノベーションを起こさなければ」というプレッシャーを強く感じている。また、そうでなければならない。
米調査会社Gartnerの調査によると最高経営責任者(CEO)は、デジタル製品/サービスの売上高が2020年までに現在より80%以上増えると予想している。企業がデジタル化の波に対処していくには、IT部門はITサービスを提供するだけでなく、ビジネス部門が取り組むイノベーションのパートナーとならなければならない。
イノベーションは具体的にどのようにして生まれるのだろうか。CIOは、“縁の下の力持ち”的な存在だと思われてきたIT部門が「ビジネス戦略の一翼を担う準備ができている」ことを示すために、どのようにアピールすればよいのだろうか。
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Gartnerが2016年3月に開催した企業ITイベント「Gartner Business Intelligence & Analytics Summit 2016」では、Appleの元チーフエバンジェリストで、現在はオンライングラフィックデザインツールベンダーのCanvaでチーフエバンジェリストを務めるマーケティングの権威、ガイ・カワサキ氏が、イノベーションを起こす10個の方法を紹介した。
1. 意味を作る
「偉大なイノベーションは、意味を作ることから始まる。それが世界を変えることにつながっていく」とカワサキ氏は語る。それこそが、Googleが情報に関して、eBayが商取引に関して、Appleがコンピューティングに関してやったことだという。
2. スローガンを作る
カワサキ氏はイノベーションを起こす2つ目の方法として、目標や抱負を掲げた覚えにくいミッションステートメント(企業の理念や活動目的、社会的使命などをまとめた文)を作るのではなく、スローガンを作ることを挙げる。これは、目指すイノベーションが何を実現するのか、自社の商品やサービスで何ができるのかを、2つか3つの単語で定義することだ。「誰もが、特に社員全員が、それが何のためにあるのか分かるように定義する必要がある」とカワサキ氏は説明する。
例えば、ファストフードチェーンWendy'sのミッションステートメントは「顧客とコミュニティーのためにリーダーシップ、イノベーション、パートナーシップを通じて、優れた品質の商品とサービスを提供する」というものだとカワサキ氏は説明。同氏は、もし自分がWendy'sのスローガンを作るとしたら「ヘルシーファストフード」だろうと述べる。「これなら顧客にとっても社員にとっても、すっと頭に入る」と同氏は語る。
3. 状況に合わせて変わる
企業は日々のビジネスに集中するあまり、市場がどこに向かっているかを見て対処することがおろそかになりがちだ。例えば採氷業者は1800年代の終わりから1900年代の初めにかけて、凍った湖から巨大な氷の塊を切り出していた。30年後、製氷工場が採氷業者を倒産に追い込んだ。さらに30年後、冷蔵庫が一般に普及して同じパターンが繰り返された。
「企業は一歩引いて、自分たちの現在の商品やサービス、業務プロセスについてではなく、『顧客はどのようなメリットを得ているのか』を自問する必要がある」とカワサキ氏は指摘する。「採氷業者、製氷工場、冷蔵庫会社の顧客は皆、同じものを得ていた。それは清潔さ、便利さ、そして食品を長時間保存する能力だ」
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