「サイバーセキュリティ保険」を正しく理解する【第1回】
今更聞けない「サイバーセキュリティ保険」の真実、何をどう補償するのか?(1/3 ページ)
セキュリティ対策の重要性が高まる中、万一の被害を想定したリスク移転の有力な手段となるのが、サイバー攻撃などによる被害を補償する「サイバーセキュリティ保険」だ。その現状を整理する。
サイバー攻撃や内部不正などにより、重要情報の漏えいやサービス停止といった被害が発生した場合、原因や被害状況の調査、復旧作業や顧客対応などに多大な費用が必要になる。企業経営にとって無視できないこうしたサイバーリスクの移転手段の1つとして、「サイバーセキュリティ保険」の加入がある。
「サイバー保険」「情報セキュリティ保険」とも呼ばれるサイバーセキュリティ保険。既に国内でも販売されているものの、まだ本格的な普及に至っているとはいえないのも事実だ。具体的な保険の内容が分かりにくく、契約に二の足を踏んでいる企業も少なくないだろう。
そもそもサイバーセキュリティ保険とはどのような保険であり、具体的に何をどう保証してくれるのか。どのようないきさつで登場したのか。詳しく見ていこう。
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サイバーセキュリティ保険がカバーする4つのリスク領域
サイバーセキュリティ保険は、サイバー攻撃の被害を受けた企業に対し、被害を総合的に補償する損害保険だ。サイバー攻撃によって発生した情報漏えいに起因する損害賠償や事故対応に必要となる費用などを補償する。日本でも2012年から、一部の損害保険会社がサイバーセキュリティ保険を発売している。
保険会社によって多少異なるものの、サイバーセキュリティ保険がカバーするリスクの範囲は、大きく以下の4つに分けることができる(図1)。
- 損害賠償リスク
- 被害者から請求される損害賠償金
- 見舞金
- 弁護士費用などの訴訟費用
- 危機管理対応リスク
- 原因・被害状況調査費用
- 証拠保全等危機管理対応費用
- 謝罪記者会見開催費用
- マスコミ対応のための費用
- 被害者への通知費用
- 休業リスク(ネットワーク中断などによる)
- 逸失利益の補償(オプションの場合も)
- データ消失・破壊リスク
- データが消失した場合に復元する費用
保険各社はサイバーセキュリティ保険の発売以来、補償内容や付帯サービスを拡充してきた。最近ではセキュリティサービスベンダーと提携し、費用の補償だけでなく、調査・応急対応支援、コールセンター開設・運営支援といったインシデントレスポンス支援サービスを補償内容に加えるものもある。また国際規格「ISO/IEC 27001」などの情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得した企業に対して、保険料を割引するサイバーセキュリティ保険もある。
外部からのサイバー攻撃だけでなく、内部不正も幅広くカバー
サイバー攻撃や内部不正による情報漏えいなどをカバーする保険としては、これまでもコンピュータやシステム障害に関する保険、情報漏えいに関する保険などがあった。だが従来のこうした保険は、保険金を支払う事故の種類を制限していたり、保険会社が保険金の支払い責任を負わない免責事項が多かったりする課題があった。例えばこうした保険は、海外サーバに保存されている個人情報が漏えいした事案や、海外拠点など国外で発生した事案は免責となる。
これに対してサイバーセキュリティ保険は、幅広いセキュリティの脅威に対処すべく、補償対象となる事故の内容や発生場所の制限を比較的少なくしている。また社外からのサイバー攻撃だけでなく、内部不正による情報漏えいもカバーしているのが特徴だ。
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「サイバーセキュリティ保険」を正しく理解する
サイバー攻撃などによる被害を補償する「サイバーセキュリティ保険」。その補償内容はどうなっているのか。最新の動向は。徹底解説する。
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