サイバー攻撃よりも恐ろしい?
「Internet Explorer 8/9/10」サポート終了で動かなくなるアプリが続出か
Webブラウザ「Internet Explorer」の旧バージョンがサポート終了を迎えた。旧バージョンの継続利用はサイバー攻撃のリスクを高めるが、最新版への移行もまた苦痛を伴う。
2016年1月12日(米国時間)、米Microsoftは一部例外を除き、Webブラウザ「Internet Explorer」(IE)のバージョン8、9、10のサポートを終了した。どのバージョンのサポートが終了したかは、実行している同社の「Windows」のバージョンによって異なる。
ある専門家は、これら旧バージョンのサポート終了が、企業に予想以上の問題をもたらす可能性があると指摘する。その原因は、企業のカスタムWebアプリケーションの存在にある。
想像以上に多い“旧式IE”の利用
Microsoftは、同日配信分の新しいパッチの一部として、サポートが終了する3バージョンのIEの累積セキュリティアップデートを配信した。パッチを適用すると、これらのバージョンのサポートが終了となり、これ以降のセキュリティアップデートはないことを警告して、アップグレードを促す通知を表示するようになる。
ただしMicrosoftは、同社の「Windows Vista Service Pack 2」やサーバOS「Windows Server 2008 Service Pack 2」を使用しているユーザーには引き続きIE 9とIE 10のセキュリティアップデートを配信し、「Windows Server 2012」を使用しているユーザーにはIE 10のセキュリティアップデートを配信すると説明。その他のサポート対象のWindowsに関しては、IE 11へのアップグレードを推奨している。
米オレゴン州ポートランドに本拠地を置く変更管理システムベンダーTripwireでセキュリティ研究者を務めるカリグ・ヤン氏によると、今回サポートが終了した旧バージョンのIEを使用しているユーザー企業は少なくない。
「米Web調査会社Net Applicationsの推定によると、Webリクエストの約20%はIE 8からIE 10までのリクエストだ。サポート終了後に、この状況が大きく変わるとは思えない」とヤン氏は指摘する。旧バージョンのサポート終了後も、「サイバー攻撃者は今後リリースされるIE 11のアップデートを解析して、新たな攻撃手段を見つけ出すだろう」というのが同氏の見方だ。
だが大きな問題は、企業の職場で旧バージョンのWebブラウザが使えなくなる事実そのものにあるとヤン氏は説明する。「多くの企業では、特定バージョンのIE向けに設計したカスタムWebアプリケーションを使用しているからだ」
Microsoftもこうした問題を緩和すべく取り組みを始めている。IE 8環境をエミュレートする動作モード「エンタープライズモード」をIE 11に搭載したことは、その1つだ。同社によるとエンタープライズモードは、「強化された後方互換性を備え、最新のWeb標準へ移行するまでの期間に多くのレガシーWebアプリケーションを実行できるようにする」ものだ。
ユーザー企業がIE 11を使用しながら既存のWebアプリケーションへの投資を拡大できるようにするため、Microsoftは同社の「Windows 7」でのエンタープライズモードを2020年1月14日までサポートすると発表済みだ。
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