Microsoftは移行を発表
Microsoft Teamsの通話機能に不安な人々 Skype for Businessの代わりになる?(1/2 ページ)
MicrosoftがSkype for Business OnlineのMicrosoft Teamsへの移行を発表したが、多くの既存ユーザーがこの通話機能に懸念を抱いており、オンプレミスを好んで選択する可能性がある。
米国のBuckman LaboratoriesはMicrosoftのクラウド技術に多額の投資をしている。しかし、同社は、「Skype for Business」のオンプレミスインフラストラクチャを有している。同社は「Office 365」のEnterprises E5プランを利用しており、このプランにはオンプレミスPSTN接続を使用したクラウドPBXライセンスが含まれるからだ。
1800人の従業員を擁するBuckmanはSkype for Businessプラットフォームを世界中のあらゆる拠点に拡大していくと同社の上級コラボレーションシステムエンジニアであるエイミー・マクレンドン氏は言う。しかし、Microsoftは、「Skype for Business Online」を「Microsoft Teams」に置き換える計画を発表した。そのため、Teamsの通話機能の品質およびPSTN接続やハイブリッド環境に対応して動作するか不安だとマクレンドン氏は言う。彼女はMicrosoft Teamsへの移行は「非常に時間がかかる」と思い描いている。
「通話機能がTeamsにおいてどのように扱われるかはまだまだ不透明です」とマクレンドン氏は言う。「Skype for Businessは通話機能のために引き続き利用されると思います。しかし、通信にTeamsを利用する価値がある場合もあるかもしれません」
Microsoftが本当の意味で通話機能をTeamsと連携できるようになるまで、Buckmanは当分、Teamsに移行することはないだろうとマクレンドン氏は言う。
併せて読みたいお薦め記事
「Skype for Business」ってどうなる?
- 「Skype for Business Online」の「Microsoft Teams」移行に色めき立つパートナー企業
- 「Skype for Business Online」は「Microsoft Teams」に切り替え、Microsoftが考えるコラボツールの近未来
- 「LinkedIn+Skype」がビジネスの新標準ツールになると予想する人々
Slack vs. Microsoft Teams
Skype for Businessユーザーは移行について熟考中
数カ月以内に、MicrosoftはTeamsに通話機能を追加する計画をしている。これには、 PSTN番号への発着信、保留、転送、ボイスメール機能が含まれる。Skype for Business Onlineは「徐々に」Teamsに置き換わるとMicrosoftは発表した。このベンダーは、また、TeamsやSkype for Businessによる通話を管理できるように通話品質ツールや分析ツールも提供する。
Skype for BusinessユーザーがTeamsへの移行を考えている場合、並行して両方のクライアントを利用してもらい、エンドユーザーを徐々にクラウドベースのTeams環境へ移行するのも1つの選択肢だ。しかし、この構成は2つのクライアント間において相互運用面の問題を引き起こし、エンドユーザーを混乱させる可能性があるとMicrosoftのイベント「Microsoft Ignite」に出席したITプロフェッショナルは言う。
類似の機能を有する異なる2つのクライアントを利用するのは真の意味で通信を統合したことにはならない。また、この2つの構成が必要となると、ユーザーはクライアントの導入をためらいかねない、と彼らは言った。
これとは別の初期移行戦略としては、モバイルワーカーをTeams環境に移行させる方法もある。というのは、出張が多くオフィスにほとんどいないモバイルワーカーは クラウドサービスの恩恵を受けられる可能性があるからだ。加えて、若いユーザーは早期移行の対象者になり得る。なぜなら、若いユーザーはTeamsのユーザーインタフェースを受け入れやすいだろうからだ、とITプロフェッショナルは言う。
議論の的は緊急通話
フレズノパシフィック大学には、若いSkype for Businessユーザーがたくさんいる。カリフォルニア州に複数のキャンパスを有するこの私立大学には約5000人の生徒や教授、その他の従業員がいる。同大は幾つかのクラウドツールと共にオンプレミスのSkype for Businessを利用しており、ハイブリッドという選択肢も検討していると同大のシステムエンジニアであるドウェイン・ジョーンズ氏は言う。
ジョーンズ氏は加えて、彼自身はオンプレミスのSkype for Business Serverに搭載されている通話管理や通話接続、通話操作機能を好んでいると述べた。同大がクラウドベースのTeamsに移行した場合、管理権限を失うのではないか不安だと言う。
「この大学でクラウドサービスを利用するのが理想的でないのは明白です」と彼は言う。
具体的には、ジョーンズ氏は緊急位置識別番号や緊急応答場所などを扱うEnhanced 911(E911)サービス関連で不安を覚えている。オンプレミスのSkype for Business Serverにおいて利用可能なこれらのサービスは、緊急時に通話者の位置をピンポイントで特定することを可能にするものだ。
MicrosoftのWebサイトによると、TeamsはE911に対応するが、その範囲は不明確だ。TeamsのE911機能に関する議論はあまり聞いたことがないとジョーンズ氏は言う。
Microsoft Igniteセッションで、Microsoftのプログラムマネジャーであるアルバート・コーイマン氏とマルク・ポティエ氏は、Teamsは「静的なE911」には対応すると言う。この「静的なE911」は通話者の正確な位置をピンポイントで示さないこともある。全ての機能が備わったE911サービスを発表するのが、Microsoftの優先事項リストの中でも上位にあるとコーイマン氏は言う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー